「この製品、栄養剤の前にいれるんだっけ?後にいれるんだっけ?」「フラッシュの水って、何mlが正解?」
忙しい業務の中で、経管栄養の製品が変わるたびに手順を確認するのは本当に大変ですよね。
現在、私は訪問診療クリニックで事務長をしていますが、以前は救急病棟や重症心身障害児施設、さらには有料老人ホームの管理者として、現場の看護師から「チューブを詰まらせてしまった!」という報告を何度も受けてきました。
実は、チューブ閉塞のほとんどは「注入順序のミス」か「フラッシュ不足」という、基本的な知識で防げるものばかりです。
特にREF-P1、イージーゲル、そして2025年7月に発売された新しい粘度可変型流動食「わのか(和の奏)」といった主要製品は、それぞれ設計思想が異なるため、手順を混同すると一瞬でチューブの中で栄養剤が固まり、取り返しのつかないインシデントに繋がります。
✅この記事では、主要3製品(REF-P1、イージーゲル、わのか)の正しい注入順序と推奨フラッシュ量を早見表にまとめました。
看護師×在宅医療専門家の視点から、エビデンス(日本静脈経腸栄養学会のガイドライン等)に基づいた「詰まらせないコツ」を徹底解説します。
この記事をスマホにブックマークしておけば、明日からのケアで迷うことはもうありません。
製品ごとに「注入順序」が違う?間違えると即トラブルの原因に
結論から言うと、粘度調整食品や半固形栄養剤は、製品によって「先に入れるもの」と「後でも良いもの(または単独)」が明確に分かれています。
なぜ「順番」がこれほど重要なのか(化学反応のリスク管理)
REF-P1やイージーゲルの主成分である「ペクチン」は、栄養剤の「カルシウム」と出会った瞬間にゲル化(固まる反応)を始めます。
もし、チューブの中にREF-P1が残っている状態で、十分なフラッシュをせずに栄養剤を流し込んだらどうなるでしょうか?
胃に届く前の「細いチューブの中」でカチカチに固まってしまいます。
これがチューブ閉塞の正体です。
つまり、順番とフラッシュを守ることは、化学反応が起きる「場所」を胃の中に限定するための絶対的なルールなのです。
「添加型」と「粘度可変型(わのか等)」の決定的な違い
製品には、胃の中で固める「添加型(REF-P1等)」と、流動食自体が胃内で粘度を変える「粘度可変型流動食(わのか等)」があります。
添加型は、成分同士がチューブ内で出会わないよう「水(フラッシュ)」の壁を作ることが必須です。
一方、わのかのような粘度可変型は、チューブを通過する際は液体ですが、胃内に入ってから状態が変化するため、他の製品と混ぜ合わせる必要がありません。
この違いを理解することが、事故を防ぐ第一歩です。
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【早見表】REF-P1・イージーゲル・わのかの注入ステップ
現場で迷った時にすぐ確認できる、製品別ステップ表です。
内服薬(簡易懸濁法など)がある場合を想定したフルセットの手順です。
| ステップ | REF-P1(ニュートリー) | イージーゲル(味の素) | わのか(クリニコ) |
|---|---|---|---|
| 1 | 内服薬 | 内服薬 | 内服薬 |
| 2 | 微温湯フラッシュ | 微温湯フラッシュ | 微温湯フラッシュ |
| 3 | REF-P1 | 栄養剤 または ゲル | わのか(流動食) |
| 4 | 微温湯フラッシュ | 微温湯フラッシュ | 微温湯フラッシュ |
| 5 | 栄養剤 | ゲル または 栄養剤 | (不要) |
| 6 | 最終フラッシュ | 最終フラッシュ | 最終フラッシュ |
REF-P1(ニュートリー):基本は「先入れ」+徹底フラッシュ
REF-P1は、「先に胃の中に入れて待ち構えさせる」のが基本です。
REF-P1を注入した後のフラッシュを怠ると、次に続く栄養剤とチューブ内で接触し、高確率で閉塞します。
「REF-P1が先、その後にしっかり水を通す」を徹底してください。
イージーゲル(味の素):製品特性による順序の柔軟性
イージーゲルはメーカーにより「先入れ」「後入れ」どちらも可能とされていますが、多くの施設ではミスを防ぐために手順を固定しています。
後入れ(栄養剤の後)にするメリットは、先に栄養剤が入ることで胃の受容的弛緩を促せる点にありますが、いずれにせよ各工程の間のフラッシュはREF-P1同様に必須です。
わのか(クリニコ):混合不要!粘度可変型の注入ルール
森永乳業クリニコから発売された「わのか」は、流動食そのものが胃内で粘度を変化させるため、ペクチンのような添加剤を別途入れる必要はありません。
注意すべきは、やはり内服薬との前後関係です。
わのかを注入した後に薬を入れると、胃内で変化した粘度によって薬の吸収が遅れる可能性があるため、必ず「薬が一番最初」です。
看護師手間のかからない「わのか」は非常に魅力的ですが、
導入前に知っておきたい現場ならではのリアルな注意点もあります。
実際に使ってみた看護師の「本音」と、他製品との決定的な差を確認してみてください。
→ 【現場検証】「わのか」は本当に使いやすい?
看護師の本音レビューと導入のコツ
チューブ閉塞を0%にする!製品別「推奨フラッシュ量」
「水を通しているのに詰まる」という場合、その原因は「水の量」が足りないことにあります。
経管栄養は「水」が命。フラッシュをめんどくさがってはいけない理由
経管栄養のチューブ、特に胃瘻ボタンの接続コネクタ部分は構造が複雑で、少量の水では成分を洗い流しきれません。
残留した成分が、数時間後の次の注入時に新しい栄養剤と反応して、徐々に層を形成し、最終的に「開通不能」になります。
最低20〜30mlの根拠(ガイドライン準拠)
日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)のガイドラインや各メーカーの推奨に基づくと、各工程間には最低20ml〜30mlの微温湯が推奨されます。
「20mlは多すぎる」と感じるかもしれませんが、チューブ内壁に付着した栄養剤やペクチンを物理的に剥がし切るには、この程度の水量による「流速」が必要なのです。
要注意!「わのか」等の最新流動食を使用時のアセスメント
「わのか」をはじめとする粘度可変型流動食を使用する際は、旧来の添加型とは異なる視点でのアセスメントが求められます。
胃内環境と水分のタイミングによる影響
粘度可変型流動食は、胃酸のpHや胃内の環境によって粘度の変化が左右される場合があります。
そのため、注入の直前や直後に多量の水分を胃内に入れていると、期待する粘度に変化しない(あるいは離水する)可能性があります。
「白湯をいつ注入するか」という水分のタイミングも、主治医と連携して看護計画に組み込むことが重要です。
水分制限がある患者さんへのフラッシュ量調整術
心不全や腎不全で水分制限がある場合、各工程で30mlフラッシュすると水分過多になることがあります。
その場合は、「内服薬の懸濁に使う水分量を見直す」や「最終フラッシュの水を1日の水分摂取制限枠からどう捻出するか」を主治医や薬剤師と検討する必要があります。
極端な話ではありますが、「マニュアル通りに30ml入れたら浮腫が出た」となっては本末転倒です。
根拠を持ちつつ、個別性に対応するのがプロの看護です。
そのマニュアル、古くないですか?「自分の免許を守る」職場の選び方
ここまで正しい手順を解説してきましたが、あなたの職場のマニュアルはどうなっていますか?
「10年前からこのやり方だから」「水は10mlで十分と先輩に教わった」という根拠のない古い慣習が残っていませんか?
⚠️医療安全の責任を負うのは、最終的に実施した「あなた」です。
古いマニュアルに従ってチューブを詰まらせ、ボタンの入れ替え(外科的処置)が必要になった際、病院や施設はあなたを十分に守ってくれるでしょうか。
「わのか」のような最新の流動食が導入されても、勉強会もなく現場任せにされる環境は、看護師の免許とキャリアに対する大きなリスクでしかありません。
「もしインシデントを起こしたら…」と少しでも不安を感じるなら、エビデンスに基づいた教育体制が整っている職場を知っておくべきです。
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経管栄養に関するよくある質問
- 忙しくてフラッシュを20mlも入れる時間がありません。10mlではダメですか?
-
ダメです。10mlではチューブ内壁に付着した高粘度の成分を洗い流せず、残留物が蓄積して将来的な閉塞の原因になります。結果的に「詰まった時のリカバリー(数時間の格闘)」の方が遥かに時間をロスします。急がば回れ、20ml以上のフラッシュを習慣にしましょう。
- 内服薬をREF-P1と混ぜてから注入してもいいですか?
-
原則として禁止です。薬の成分(特に金属イオンを含むもの)がペクチンと反応して、胃に入る前に固まってしまう恐れがあります。また、薬の吸収率が変化するリスクもあるため、必ず「内服薬→フラッシュ→REF-P1」の順序を守ってください。
- イージーゲルで「後入れ」を推奨している施設があるのはなぜですか?
-
胃の中にまず栄養剤が入ることで、胃が広がり(受容的弛緩)、その後にゲルを入れることでより生理的な消化活動に近い形になると考える説があるためです。ただし、この場合も「栄養剤→フラッシュ→ゲル」という手順は絶対です。
- フラッシュに「お茶」を使ってもいいですか?
-
避けてください。お茶に含まれるカテキンやタンニンが、栄養剤のタンパク質と反応して凝集物を形成し、詰まりの原因になることがあります。基本は「微温湯(白湯)」を使用するのが最も安全です。



どれだけあなたが正しく学んでも、環境がそれを許さないなら、いつか取り返しのつかない事故が起きてしまいます。
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まとめ|正しい順番と十分なフラッシュで安全なケアを
胃瘻トラブルを防ぐポイントをまとめます。
- 順番の鉄則:
内服薬 → 添加型ゲル(REF-P1等) → 栄養剤。わのか等の粘度可変型は内服薬の後に単独。 - フラッシュの絶対量:
各工程の間には20〜30mlの微温湯を使用し、物理的に洗い流す。 - 目的の再確認:
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