「粘度調整食品(REF-P1等)を使っているのに、下痢が全く改善しない」「半固形化しているはずなのに、注入後に嘔吐してしまう……」
施設や療養病棟の現場で、このような壁にぶつかったことはありませんか?
下痢や逆流が続けば、1日に何度もオムツ交換や更衣が必要になり、スタッフは疲弊し、入所者のスキントラブルや誤嚥性肺炎のリスクも跳ね上がります。
現在、私は訪問診療クリニックの事務長を務めていますが、以前は救急外来や重症心身障害児施設、そして有料老人ホームの管理者として、数多くの「経管栄養トラブル」をアセスメントしてきました。
そこで見えてきたのは、「下痢や逆流が止まらない原因は、患者さんの病態と製品の特性がミスマッチを起こしている」というケースが驚くほど多いことです。
この記事では、REF-P1、イージーゲル、そして2025年7月に発売される最新の粘度可変型流動食「わのか(和の奏)」といった主要製品を例に、「どの症例にどの製品がベストか」を、医学的根拠(エビデンス)と現場の労力管理の両面から徹底解説します。
これを読めば、根拠を持って主治医やチームに製品変更を提案できるようになり、現場のケアの質を劇的に向上させることができますよ。
そのケア、病態に合っていますか?「なんとなく選定」の限界
多くの現場では、「以前からこの製品を使っているから」「液体栄養剤とセットで安いから」という理由だけで製品が選ばれています。
しかし、日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)のガイドライン等でも示されている通り、粘度調整食品や流動食には明確な「適性」があります。
下痢・逆流が止まらない原因は「粘度」の不一致かもしれない
経管栄養の合併症には、大きく分けて2つの原因があります。
- 物理的要因:注入速度が速すぎる、または胃内での保持が不十分(逆流・漏れ)
- 生理的要因:栄養剤の浸透圧が高い、または胃液による希釈で期待した粘度が維持できない(下痢)
例えば、胃液の分泌量が多い患者さんにペクチン型(REF-P1やイージーゲル)を使用しても、胃内で薄まりすぎて十分な粘度(ゲル化)が得られず、結果として水様便や逆流が改善しないことがあります。
これを「アセスメント不足」のまま放置することは、プロの看護として避けなければなりません。
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【症例1】ひどい逆流・嘔吐があるケースの最適解
胃食道逆流症(GERD)が強く、注入直後から嘔吐や、それに伴う誤嚥性肺炎のリスクが高い症例です。
なぜ「粘度可変型(わのか)」が画期的なのか
重度の逆流リスクがある場合、森永乳業クリニコから発売される「わのか」のような「粘度可変型流動食」が非常に有効な選択肢となります。
【根拠】
添加型(REF-P1等)は、栄養剤と混ざって胃内で固まるまでに一定のタイムラグがあり、注入直後は液状に近い状態です。
一方、「わのか」はチューブを通過する際はサラサラの「液体」ですが、胃の中に入ると環境(pHなど)の変化によって自然にドロドロの粘度を持つ状態に変化します。
これにより、「注入時は液体でスッと入り(現場が楽)、胃の中では留まって逆流しにくい(安全)」という理想的な状態を作り出せるのです。
看護師「わのか」の画期的な仕組みは分かりましたが、実際に現場で使うとなると「チューブの通りやすさ」や「後片付けの手間」など、使ってみないと分からない不安もありますよね。
現役ナースが臨床現場で「わのか」を実際に使用し、スタッフの負担がどう変わったのかを忖度なしでレビューしました。導入の判断材料としてお役立てください。
→ 看護師が本音で検証!「わのか」の使い勝手と現場のリアルな評価を見る
添加型で失敗しやすいパターン
REF-P1などのペクチン型で逆流が止まらない場合、反射で「胃内でしっかり固まる前に食道へ逆流している」可能性があります。
もしくは投与の順番が間違っているか・・・
投与手順などの見直しを行い患者の状態をアセスメントし、粘度可変型への変更を検討しても良いかもしれません。
【症例2】慢性的な下痢(ダンピング症候群)が続くケースの最適解
「注入するとすぐに水様便が出てしまう」という、いわゆるダンピング症候群に近いケースです。
浸透圧と注入速度のコントロールに強い製品選び
下痢対策には、腸への刺激(浸透圧)を抑えることと、胃内での「粘度の安定性」が重要です。
この症例では、REF-P1(ニュートリー)やイージーゲル(味の素)を用いた「段階的な粘度調整」が有効な場合があります。
- 理由1:
安価な液体栄養剤の選択肢が広いため、浸透圧の低い(腸管に優しい)栄養剤と組み合わせることができる。 - 理由2:
ゲル化剤の注入量を微調整することで、その患者さんの消化能力に最適な「緩さ」をオーダーメイドで作れる。
ただし、下痢が止まらない原因が「栄養剤の温度(冷たすぎる)」や「感染性腸炎」にある場合もあります。
製品を変える前に、まずは栄養剤の温度管理や便の性状確認をセットで行うのが鉄則です。
【症例3】胃瘻周囲の漏れ・スキントラブルがあるケースの最適解
胃瘻ボタンの脇から栄養剤が漏れ出し、皮膚がただれてしまうケース。
これは看護師の頭を最も悩ませるトラブルの一つであり、感染リスクにも直結します。
漏れの原因は「体位」か「製品の離水」か?
漏れがある場合、まずは「高粘度を長時間維持できる製品」を選定します。
ペクチン型(REF-P1等)は、時間の経過とともに胃液の影響で水分が分離して粘度が低下する「離水」が起きることがあります。
✅わのかのような粘度可変型は、胃内で安定した粘度を保ちやすく、胃の形状に合わせて留まるため、サラサラの液体がボタンの隙間から漏れ出すのを防ぐ効果が期待できます。
ただし、製品を変える前に「腹圧がかかりすぎていないか(ギャッチアップの角度)」「右側臥位など適切な体位をとっているか」「胃瘻ボタンのサイズは合っているか」といった物理的なアセスメントを必ず先行させてください。
事務長・施設管理者が教える「コストと手間のバランス」の裏側
ここまでは臨床的な視点でしたが、現場のリーダーや施設管理者には「経営と労力」の視点も不可欠です。
製品単価だけで選ぶと「人件費」で損をする理由
例えば、添加型(REF-P1)と液体栄養剤の組み合わせは、製品の単価(材料費)だけで見れば安価です。
しかし、そこには以下の隠れたコストが発生しています。
- 手順の複雑さ(内服薬→水→ゲル→水→栄養剤→水)によるスタッフの長時間の拘束
- 下痢・漏れが改善しないことによる、追加の清拭・オムツ交換・リネン洗濯費用
- フラッシュ不足によるチューブ閉塞時のリカバリー時間と交換材料費
✅「疲弊コスト」を計算して提案する
「わのか」のような粘度可変型流動食は、添加剤を混ぜる手間がなく手順がシンプルです。
注入の手間が減り、さらに下痢や逆流が止まることでスタッフの業務負担が劇的に減るなら、施設全体としては「プラス(トータルコスト削減)」になることが多いのです。
私が管理者だった頃は、この「オムツ代とスタッフの疲弊コスト(残業代)」を算出して、主治医に堂々と製品変更を提案していました。



単価の安さだけで製品を選び、結果としてスタッフが疲弊している現場は少なくありません。
実は、その「当たり前」だと思っているケア自体が、最新のエビデンスから大きく遅れている可能性があります。
無駄な残業を減らし、プロとして誇れるケアを提供するために、今の職場の知識を「最新」にアップデートしておきませんか?
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エビデンスに基づいた提案が通らない環境のリスク
ここまで学んだ知識を活かして、あなたは「患者さんのために製品を変えたい」「この下痢はアセスメントで防げる」と声を上げるかもしれません。
しかし、もしあなたの職場が以下のような状態なら、強い危機感を持つべきです。
- 「うちは昔からこれだから」と、根拠のある新しい提案が即座に却下される
- 材料費のコストカットばかりが優先され、患者さんのQOLや看護師の異常な業務負担が無視されている
- 下痢や逆流によるインシデントが起きても個人の責任にされ、組織的な改善が行われない
専門性を発揮できず、ただ作業をこなすだけの現場は、あなたのキャリアとモチベーションを確実にすり減らします。
本来、看護師はアセスメントに基づき、最善のケアを提供するプロフェッショナルです。
エビデンスを無視したケアを強要される環境は、あなたの大切な免許と心身に対する大きなリスクでしかありません。
あなたの知識を正しく評価し、最新の栄養管理を共に実践できる職場は必ずあります。
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世の中には、あなたの知識を正当に評価し、最新のケアを共に実践できる職場が必ず存在します。
無理に戦って心身を削る前に、まずは「どのような職場なら理想の看護ができるのか」を、信頼できるプロの視点から比較・検討してみるのが第一歩です。
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経管栄養に関するよくある質問
- 下痢がひどい時、とりあえず粘度を上げれば解決しますか?
-
必ずしもそうではありません。粘度を上げすぎると、今度は胃の排出が遅れすぎて逆流を招くことがあります。また、下痢の原因が細菌感染(偽膜性腸炎など)である場合、粘度調整は無意味です。まずは排便の性状と随伴症状を観察し、「生理的な下痢か、病的な下痢か」を区別するのが先決です。
- 施設で「わのか」に変更したいのですが、コストが高いと事務方に却下されます。
-
製品の単価だけでなく、「添加剤を混ぜる手間の削減」「オムツ交換の回数削減」「清拭時間の短縮」「皮膚科受診の減少」といった、現場のトータルコスト(人件費・材料費)の削減効果を具体的な数値で提示してみてください。事務長としての視点では、スタッフの離職リスクを減らせることも大きな説得材料になります。
- 経鼻胃管(マーゲンチューブ)でも、「わのか」は使えますか?
-
使えます。ここが粘度可変型の最大のメリットの一つです。チューブを通過する際はサラサラの「液体」であるため、細い経鼻胃管でも詰まらせることなくスムーズに注入でき、胃内に入ってから粘度が変化するため、安全かつ簡単に投与が可能です。
- 注入速度について、わのかはどれくらいで入れるべきですか?
-
「わのか」は注入時は液体のため、通常の液体流動食と同様にポンプや自然滴下での投与が可能です。患者さんの消化状態や胃の容量に合わせて、無理のない速度(例:1時間〜2時間など)で適切にコントロールしてください。
- 粘度調整剤を使うと、薬の吸収が悪くなる気がするのですが……。
-
その通りです。ゲル化した塊や粘度の高い流動食の中に薬が閉じ込められると、胃粘膜に触れるのが遅れ、吸収が遅延したり低下したりする薬剤があります。そのため、原則として「内服薬はREF-P1やわのか等の『前』に、しっかりフラッシュして注入する」ことが鉄則です。
最適な製品を選べたとしても、実は「注入の順番」や「薬のタイミング」一つで、チューブ閉塞などのトラブルを招いてしまうことがあります。
現場で焦らないために、REF-P1等の効果を最大限に引き出す「正しい手順」を3分でおさらいしておきましょう。
→ 3分でわかる!REF-P1の正しい注入順序とチューブ閉塞を防ぐプロの技
まとめ|アセスメントに基づいた製品選定でアウトカムを変える
症例別の製品選定の基準をまとめます。
- 重度の逆流・嘔吐:
チューブ通過時は液体で入りやすく、胃内で粘度が増す「わのか」等の粘度可変型が安全で手間いらず。 - 慢性的な下痢:
液体栄養剤と「REF-P1/イージーゲル」の組み合わせで、浸透圧と粘度を患者に合わせて段階的に調整。 - 漏れ・スキントラブル:
胃内で安定した粘度を保つ「わのか」を検討しつつ、体位やチューブの物理的アセスメントを強化。
「なんとなく」のケアを卒業し、「この根拠(エビデンス)があるからこの製品を選ぶ」と言えるようになれば、看護はもっと面白く、やりがいのあるものになります。
現場の業務負担を減らし、患者さんのQOLを守るために、ぜひこの記事の知識を主治医やチームとのカンファレンスで活用してくださいね!












