腎臓病でも焼肉はOK!看護師が教える「ホルモン禁止」の理由と安全な食べ方【部位別表あり】

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「腎臓病の食事制限中に、焼肉なんて食べていいの?」
「リンやカリウムが怖くて、外食に誘われても断っている……」

毎日頑張って食事療法を続けているからこそ、そんなふうに楽しみを諦めていませんか?

私は看護師として救急や重症心身障害病棟で勤務し、その後、有料老人ホームの管理者や訪問診療クリニックの事務長として、多くの腎臓病患者様の食事管理をサポートしてきました。

保存期において最も辛いのは、「低タンパク質」と「十分なカロリー確保」の両立です。

あっさりしたものばかり食べて痩せてしまうと、筋肉が分解され、かえって腎臓に悪影響を及ぼすことがあります。

実は、選び方と量さえ間違えなければ、焼肉は腎臓病の方にとって優秀なエネルギー源なります。

この記事の結論

  • ホルモン・レバーは「リン」の塊なので絶対NG
  • 「赤身」より「カルビ(脂身)」を選ぶのが正解
  • タレは塩分過多!「素焼き+レモン」を徹底する

この記事では、医療従事者の視点と公的なデータに基づき、「数値を守りながら楽しむ焼肉攻略法」を解説します。

⚠️ ご注意:本記事の対象者

本記事は、CKD(慢性腎臓病)保存期の方を対象としています。透析中の方や、カリウム制限が厳密に指導されている方は、必ず主治医の指示を優先してください。

目次

なぜ「ホルモン禁止」なのか?透析を早めるリンの恐怖

まず、焼肉で最も注意すべきは「リン」です。

腎機能が低下すると、余分なリンを尿として排出できなくなります。

血中のリン濃度が高まると、血管の石灰化が進み、動脈硬化や心筋梗塞のリスクが跳ね上がります

カルビ vs レバー!リン含有量の決定的差

「同じお肉なら大差ないでしょう?」と思うかもしれませんが、部位によってリンの含有量は劇的に異なります。

文部科学省のデータを元に比較してみましょう。

部位(100gあたり)リン含有量タンパク質判定
和牛カルビ(脂身つき)120mg11.0g○ 推奨
和牛もも(赤身)170mg19.2g△ 注意
牛レバー(肝臓)350mg19.6g× 危険
丸腸(小腸)130mg9.9g× 脂質過剰

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より作成

ご覧の通り、レバーのリン含有量はカルビの約3倍です。

さらに内臓系(モツ、ホルモン)はプリン体も非常に多く、尿酸値を上げる原因にもなります。

加工肉(ソーセージ・ベーコン)はもっと危険!

焼肉のサイドメニューにあるソーセージなどの加工肉には、保存料や結着剤として「無機リン」が使われています。

自然のお肉に含まれる「有機リン」の吸収率が60%程度なのに対し、添加物の「無機リン」は90%以上が体内に吸収されてしまいます。

一気に数値が悪化するため、絶対に避けましょう。

看護師直伝!数値が悪化しない部位選びと食べ方

では、具体的にどのお肉をどう食べれば良いのでしょうか。

保存期の原則である「低タンパク・高エネルギー・低塩分」に沿った正解ルートを紹介します。

STEP
「赤身」より「脂身(カルビ)」を選ぶ

一般的な健康指導では「赤身肉」が推奨されますが、腎臓病では逆です。赤身肉はタンパク質密度が高く、カリウム・リンも多く含まれます。少ないタンパク質量で効率よくエネルギーを稼ぐために、あえて脂の乗ったカルビやバラ肉を選んでください。

STEP
「タレ」は厳禁!塩・レモン・わさびを活用

焼肉店のタレは、小皿1杯で約2.0g前後の塩分が含まれます。注文時は「塩ダレ」ではなく「味付けなし(素焼き)」を指定し、食べるときは「レモン汁」「わさび」「にんにく(少量)」で風味をつけましょう。

STEP
よく焼いてカリウムを落とす

肉に含まれるカリウムは、加熱することで肉汁(ドリップ)と一緒に出ていきます。レアやミディアムではなく、ウェルダン(しっかり焼き)にすることで、カリウム摂取量をわずかに減らせます。

シミュレーション:これで安心!理想の注文例

「結局、どれくらい食べていいの?」という疑問にお答えします。

一般的なタンパク質制限(1日40〜50g程度)を想定した、満足感のある組み合わせ例です。

✅腎臓に優しい焼肉セット例(タンパク質約20g)

  • カルビ(またはバラ):5〜6枚(約80g)
  • 牛タン(塩):2〜3枚(約30g)
  • ご飯(白米):中ライス(しっかり食べてエネルギー確保)
  • 焼き野菜:玉ねぎ、キャベツなど(カボチャやイモ類は避ける)
  • 飲み物:お水 または 氷少なめのウーロン茶

キムチやワカメスープ、冷麺などは、それだけで塩分が3g〜5gを超えることがあります。

サイドメニューは我慢し、「お肉と白米」に集中するのがコツです。

「食べすぎた!」翌日は宅配弁当で数値をリセット

いくら気をつけていても、楽しい席では「ついついカルビを2〜3枚多く食べてしまった……」ということもあるでしょう。

そんな時は、くよくよ悩むよりも「翌日の食事」で帳尻を合わせれば大丈夫です。

外食でタンパク質・塩分を過剰摂取した後は、続く2〜3食を厳密な制限食にして、腎臓を休ませてあげる「リセット食(調整食)」が必要です。

しかし、家庭料理で「タンパク質10g以下、塩分1.5g以下」の美味しい食事を作るのは至難の業です。

お守り代わりの「ウェルネスダイニング」

そこで私が患者さんにおすすめしているのが、食事制限専門の「ウェルネスダイニング」を冷凍庫にストックしておくことです。

「昨日は焼肉を楽しんだから、今日はレンジで温めるだけのこのお弁当でしっかり数値を管理しよう」

このように、事前に「安心できる調整手段」を用意しておくだけで、外食時の罪悪感やストレスが劇的に軽くなります。

看護師

「外食時だけでなく、普段の食事でも気づかないうちにリンを過剰摂取して透析を早めてしまわないか…」と不安になりませんか?

自炊や市販品の管理に限界を感じたとき、最も安全に腎臓を守り抜くための「専門医・管理栄養士が監修した腎臓病用宅配弁当」を徹底比較しました。

透析回避のために現役看護師が実食比較した「腎臓病宅配弁当」おすすめランキング

腎臓病がある方から焼肉関係でよくある質問

腎臓病ですが、焼肉のタレは「減塩」なら使ってもいいですか?

基本的にはおすすめしません。
「減塩タレ」であっても、一般的なタレに比べて塩分が多少低いだけで、カリウムやリンが含まれている場合があります。また、タレを使うとご飯が進んでしまい、結果的にトータルの塩分摂取量が増えがちです。
やはり「塩(少量)+レモン汁+わさび・にんにく」で食べるのが、最も確実に数値を守れる方法です。

牛肉より「鶏肉」や「豚肉」の方が腎臓に優しいですか?

部位によりますが、実は「牛肉」が優秀な場合もあります。
鶏肉(ささみ・むね)や豚ヒレ肉はヘルシーですが、タンパク質密度が高いため、少量で制限値に達してしまいます。
透析前の保存期の方にとって重要な「低タンパク・高カロリー」を目指すなら、脂の乗った「牛カルビ」や「豚バラ」の方が、同じ100gを食べた時のタンパク質摂取量を抑えられます。種類よりも「脂身の量」で判断しましょう。

野菜ならいくら食べても大丈夫ですか?

カリウムの多い野菜に注意が必要です。
焼肉店でよく出る「カボチャ」「サツマイモ」「トウモロコシ」はカリウムが非常に高いので避けてください。
比較的安心なのは「キャベツ」「玉ねぎ」「ピーマン」です。これらもしっかり焼くことでカリウムを減らせます。また、サラダ(生野菜)はカリウムが多いので、焼き野菜を選ぶのが賢明です。

お酒(アルコール)は飲んでも平気ですか?

担当医の許可があれば、種類を選んで少量のみ可能です。
ビールはプリン体とカリウムが多いため避けましょう。比較的カリウムが少ないのは「焼酎」「ウイスキー」「ジン」などの蒸留酒です。
ただし、アルコールは利尿作用で脱水を招き、腎機能を悪化させるリスクがあります。「水割り」や「薄めのハイボール」を1杯程度にして、同量のお水(チェイサー)を必ず飲みましょう。

食べ放題に行きたいのですが、対策はありますか?

正直、食べ放題は「避ける」のが一番の対策です。
「元を取ろう」という心理が働き、無意識にタンパク質と塩分を過剰摂取してしまうリスクが非常に高いためです。また、食べ放題の安価な加工肉には「無機リン(添加物)」が含まれている可能性もあります。
質の良いお肉を単品で注文し、ゆっくり味わうスタイルの方が、食後の数値への不安も少なく、心から食事を楽しめます。

リン吸着薬などの薬を飲み忘れたらどうすればいいですか?

気づいた時点ですぐに服用するか、主治医の指示に従ってください。
特に「リン吸着薬」は、食事中のリンと結合して便として排出する薬なので、食直後(または食事中)に飲まないと効果が激減します。
焼肉はリン摂取量が増えるイベントですので、薬は絶対に忘れないよう、テーブルの上に最初から出しておくなどの工夫をしましょう。

まとめ:賢い患者さんは焼肉を味方につける

腎臓病だからといって、焼肉を一生我慢する必要はありません。

むしろ、効率よくエネルギーを摂れる焼肉は、低栄養(PEW)を防ぐための強力なツールになり得ます。

  • 部位選び:ホルモン・レバーはNG。カルビ・バラを選ぶ。
  • 味付け:タレは使わず、素焼きに塩・レモン・わさび。
  • リカバリー:食べすぎたら、翌日は宅配弁当で厳密に調整する。

このルールを守って、久しぶりの焼肉を心から楽しんでくださいね。

ストレスを溜めずに長く食事療法を続けることこそが、透析を遠ざける一番の近道です。

看護師

焼肉のような外食を上手に楽しみ、普段の数値に「貯金」が作れるようになれば、これまで絶対に我慢しなければいけないと諦めていた「おやつ」も安心して楽しめるようになります。

制限生活で疲れた心をホッと癒やす、コンビニや市販で買える安全なお菓子の基準がこちらです。

【我慢ゼロへ】腎臓を守りながら食べてOK!数値が安心な「低たんぱくお菓子」おすすめ10選

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【腎臓を守り抜く】
「次の検査が怖い…」と、食卓でため息をつくのは今日で終わりにしませんか?

『薄味で美味しくない』は、もう過去の話です

腎臓病の食事療法は、我慢の連続だと思っていませんか?
塩分を控えても、お出汁や香辛料の工夫で「しっかりした味」は作れます。

『メディカルフードサービス(MFS)』の調整食は、医療現場でも選ばれる信頼の味。
低たんぱくとは思えないボリューム感と、素材の旨みがしっかり生きたお料理が、あなたの食卓に彩りを取り戻します。

「これなら続けられる」という喜びが、数値を安定させる一番の近道です。

この記事を書いた人

kawauchiのアバター kawauchi 看護師/訪問診療クリニック事務長/計画相談員

【病院・施設・在宅の全現場を熟知する、医療福祉の羅針盤】

看護師として重症心身障害・救命救急の現場を経験し、有料老人ホームの施設長や統括部長を経て、現在は訪問診療クリニックの事務長を務めています。

「臨床・経営・地域連携」という3つの異なる視点を持ち、これまで2,000件以上の相談に寄り添い、多職種連携の要として活動してきました。

私が発信するのは、制度論や綺麗事ではない「現場のリアル」です。病院・施設・在宅のすべてを責任ある立場で経験した専門家として、あなたとご家族が「後悔しない選択」をするための実践的な知恵をお届けします。

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