「手術は無事に成功したのに、1日に10回以上もトイレに駆け込んでいる。いつになったら落ち着くの?」
「夜中も何度もトイレに起きる父。見守る私たち家族も、正直もう限界が近い……」
直腸がんの手術後、多くの患者さんとご家族を最も悩ませるのが、この「排便障害(LARS)」です。
私は看護師として、また訪問診療クリニックの事務長として、退院直後の過酷な排泄ケアに直面し、心身ともにすり減っていくご家族をたくさん見てきました。
中には「寝不足で仕事に行けない」「夜が来るのが怖い」と涙を流す方もいらっしゃいます。
しかし、安心してください。
この症状には明確なメカニズムがあり、適切な「医学的コントロール術」と「便利なツール」を戦略的に使うことで、ご家族の負担は劇的に減らすことができます。
この記事では、排便障害の正体と、家族が共倒れしないための具体的な対策をお伝えします。
なぜ手術後にトイレが近くなるのか?「LARS」の正体
直腸がんの手術、特に肛門を残して直腸をつなぎ合わせる手術(低位前方切除術など)を受けた後に起こる排便トラブルの総称をLARS(低位前方切除術後症候群:Low Anterior Resection Syndrome)と呼びます。
便を溜める「タンク」が小さくなるから
人間の直腸は、本来便を溜めておく「リザーバー(貯留槽)」の役割を果たしています。
しかし、手術によってこの直腸が切除され短くなることで、少量の便が腸に届いただけで強い便意を感じたり、我慢できずに漏れてしまったりするのです。
✅LARSの代表的な症状
- 頻便(ひんべん):1日に何度もトイレに行く。多い時は15〜20回以上になることも。
- 断続的排便(クラスターリング):一度スッキリ出たつもりでも、数十分後にすぐまた便意が来る。
- 便失禁(漏れ):トイレまで我慢できずに下着を汚してしまう。
- ガスと便の判別不能:おならだと思って力を入れたら、便が出てしまう。
※参考:国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん) 治療」
「この地獄のような日々はいつまで続くの?」という不安が一番大きいですよね。
個人差はありますが、人間の体は非常によくできており、残った腸が少しずつ直腸の代わりをするようになります。
術後半年から1年、長い方で2年ほどかけて徐々に回数は落ち着いていくのが一般的です。
まずは「退院直後の今が一番大変な時期なんだ」と理解することが、心の負担を軽くする第一歩です。
家族ができる「排便コントロール」の具体的サポート
病院の短い診察時間ではなかなか教えてもらえない、家庭ですぐに実践できる具体的な工夫をご紹介します。
目標は「便の回数を減らすこと」と「漏れにくい便を作ること」です。
食事内容で「便の質」をバナナ状に整える
泥状や水様の便(下痢)は、腸の動きを早くし、肛門の筋肉でもせき止めにくいため、漏れや頻便の最大の原因になります。
便を「バナナ状」の適度な硬さに安定させることがコントロールの鍵です。
- 水溶性食物繊維を意識して摂る
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りんご(すりおろし)、にんじん、里芋、バナナなどは、便の水分を適度に吸収し、ゼリー状に柔らかくまとめる働きがあります。
- 不溶性食物繊維は控えめに
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ごぼう、きのこ類、海藻などは腸を刺激し、排便回数を増やしてしまうため、術後しばらくは細かく刻むか、量を控えます。
- 刺激物・高脂質を避ける
-
アルコール、カフェイン(コーヒーなど)、香辛料、過度な脂っこい食事は腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、頻便を悪化させます。
※参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」および各自治体の術後食事指導ガイドライン
我慢せず「お薬」を賢く使う
「薬に頼りたくない」と我慢される患者さんも多いですが、LARSの治療においては薬物療法が非常に有効です。
主治医に相談し、腸の動きをゆっくりにする「止痢薬(ロペラミド等)」や、便の水分を調整するお薬を処方してもらいましょう。
「外出する日の朝だけ飲む」「夜寝る前だけ飲む」といった使い方も、QOL(生活の質)を高め、家族の負担を減らす有効な手段です。
【重要】終わらない家事を手放す!「買い出し」と「食事作り」の自動化
排便回数が多い時期、ご本人と同じくらいご家族を肉体的に苦しめるのが「おむつなどの買い出し」と「消化に良い食事の準備」です。
この2つを外部サービスに丸投げするだけで、家族の疲労度は劇的に改善します。
【エリア限定】重い日用品から食材まで「パルシステム」に丸投げ
1日に10回以上のトイレとなると、尿取りパッドやリハビリパンツの消費量は膨大になります。
仕事や家事の合間に、大きな袋を抱えて買い物に行くのは精神的にも肉体的にも限界が来ますので、対象エリアにお住まいの方には、生協の宅配(パルシステム)の導入を強くお勧めします。
✅看護師からの提案:パルシステムを「介護のインフラ」にする
かさばるおむつや重いお米、日用品を玄関先まで確実に届けてもらう。
これだけで「名もなき介護家事」は劇的に減ります。
さらに、消化に良い「裏ごし野菜」や温めるだけの「時短おかず」が豊富で、毎日の献立作りに疲労困憊している時期の最強の味方になります。
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【全国対応】本人の食事は「管理栄養士監修の宅食」で完全分離する
「生協の配達エリア外に住んでいる」「日用品の買い物はなんとかなるが、家族と別メニューで術後の食事を作るのが限界」という方には、全国どこでもヤマト運輸で届く「冷凍宅配弁当(宅食)」が最適です。
手作り神話を捨てる:専門医・管理栄養士監修の「Dr.つるかめキッチン」
術後の排便コントロールには食事内容が直結しますが、ご家族が働きながら「細かく刻んだり、消化の良い食材だけを選んだり」して毎食準備するのは不可能です。
そこでおすすめなのが、専門医と管理栄養士が監修した冷凍弁当「Dr.つるかめ キッチン」です。
栄養バランスと消化に配慮されたお弁当が冷凍で届き、食べたい時に電子レンジで約5分温めるだけ。
ご本人の食事だけをこれに置き換える(完全分離する)ことで、「何を作ればいいの?」という家族の精神的ストレスはゼロになります。
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家族の「睡眠」と「平穏」を守る!カメラとセンサーのハイブリッド見守り術
夜中、トイレのドアが開く音のたびに目が覚めてしまう。「トイレで倒れていないか」「またパジャマを汚していないか」が心配で、熟睡できない。
家族の睡眠不足は、介護において最も避けるべき最大の敵です。
睡眠が削られると、どうしてもご本人に優しく接することができなくなり、家庭内がギスギスしてしまいます。
しかし、ご本人からすれば「監視されるのは嫌だ(恥ずかしい)」というプライドがあります。
そこでプロの現場でも推奨しているのが、「カメラ」と「センサー」のハイブリッド見守りです。
1. 廊下やリビングの転倒対策には「見守りカメラ」
夜間、ふらつきながらトイレに向かう途中の「廊下」や、一人で過ごす時間の長い「リビング」には、スマホからいつでも映像が確認できる見守りカメラの設置が安心です。
「工事不要カメラ」で十分!
高額な介護用カメラをレンタルしなくても、現在は数千円で買える市販のペット・見守り用スマートカメラ(TapoやSwitchBotなど)で十分な性能を発揮します。
暗視機能付きで夜間の転倒もすぐにスマホから確認でき、双方向マイクで「大丈夫?」と声をかけることも可能です。
【声掛けのコツ】
親御さんがカメラを嫌がる場合は、「お父さん(お母さん)を監視するためじゃなくて、最近物騒だから『防犯用』に玄関や廊下に付けさせて」と伝えると、すんなり受け入れてもらえることが多いです。
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2. トイレや寝室のプライバシー空間には「au 見守りプラグ」
一方で、トイレの中や寝室までカメラで映されるのは、誰であっても強い抵抗があります。
「見守りは人間の目でしなければならない」という呪縛を捨て、コンセントに挿すだけのau 見守りプラグを頼ってください。
✅なぜ排便障害のケアに「見守りプラグ」が最適なのか?
- トイレの回数と生活リズムを自動記録
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モーションセンサーにより「昨夜は何回トイレに立ったか」がスマホで一目で分かります。
これを医師に見せることで、「夜間の頻便がひどいので、夕食後のお薬を調整しましょう」と、客観的なデータに基づいた的確な治療相談が可能になります。 - 異常を検知して通知(倒れ込みリスクへの備え)
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トイレに行ったまま一定時間動きがない場合、スマホに通知が来ます。
「ずっと耳を澄ませて見守り続ける緊張感」から解放され、家族は安心して眠ることができます。 - Wi-Fi不要・工事不要
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廊下やトイレのコンセントに挿すだけですぐに使えます。
\コンセントに挿すだけ・Wi-Fi不要/
【au 見守りプラグ】で家族の睡眠を守る
精神的なケアと公的制度の活用|「一人で抱え込まない」が鉄則
排泄の失敗は、大人のプライドや自尊心を深く傷つけます。
ご本人が一番つらく、申し訳ないと感じています。
一方で、洗濯や掃除に追われる家族も、つい「また汚したの?」と強い口調になってしまい、そんな自分を責めて自己嫌悪に陥りがちです。
おむつ代は「医療費控除」の対象になります
経済的な負担もストレスの要因です。
実は、治療のために必要なおむつ代やパッド代は、一定の条件(医師が発行する「おむつ使用証明書」があること等)を満たせば、確定申告で医療費控除の対象となります。
領収書は必ず保管しておき、病院のソーシャルワーカーに証明書の発行について相談しましょう。
※参考:国税庁「おむつ代についての医療費控除の取扱い」
「第三者の目」を入れる
「排便トラブルは、本人や家族の努力不足ではなく、がん治療に伴う『身体の構造の変化』である」
この認識を家族全員で共有してください。
そして、家庭内だけで解決しようとせず、訪問看護ステーションやケアマネジャーを早めに導入し、「医療職という第三者の目」を入れることが、家庭内の平穏を保つ最大の防御策となります。
まとめ|排便障害は「時間が解決する」もの。それまでをどう賢く凌ぐか
直腸がん術後の排便障害(LARS)は、終わりの見えないトンネルのように感じられ、確かにつらく険しい時期です。
しかし、腸が適応するまでの「時間」が最大の薬です。
それまでの期間を、いかに自分たちをすり減らさずに凌ぐかが重要です。
- おむつなどの日用品はパルシステムで手配し、買い出しの疲労をなくす。
- 毎日の食事作りが限界なら、Dr.つるかめキッチン等の冷凍宅配食を電子レンジでチンして手放す。
- 転倒対策は見守りカメラ、夜間の回数記録・異常検知はau 見守りプラグに任せ、家族の睡眠を死守する。
あなたが心身ともに健やかで、笑顔でいられることが、ご本人の回復を一番に支える力になります。
まずは、一つだけでも「外部の便利なサービス」に頼ることから始めてみませんか?
トイレの回数が少しずつ減り、元の生活リズムを取り戻すその日まで。
私たちは、便利なツールや専門職をフル活用して、絶対に無理をしない「持続可能なケア」を目指しましょう。


