訪問診療と往診の違いを完全解説|費用・制度・使い分けが5分でわかる在宅医療ガイド

当ページのリンクには広告が含まれています。

「退院後の生活、家で診てくれるお医者さんはどう探せばいい?」
「夜中に熱が出たら、救急車?それとも往診?」

家族の在宅療養を考え始めたとき、多くの方が最初に迷うのが訪問診療」と「往診の違いです。

結論から言うと、訪問診療は「定期・計画的な医療」往診は「急変時の臨時対応」です。

私は、重症心身障害病棟・救命救急HCUでの看護師経験を経て、現在は在宅医療クリニックの事務長として、毎月多くのご家族からの相談を受けています。

この記事では、専門用語を使わずに「仕組みの違い」と「費用の目安」、そして「あなたの家族にはどちらが必要か」を、現場の視点で徹底解説します。

✅読み終わる頃には、以下の疑問が解決されるはずです!

  • 名前は似ているが、何がどう違うのかわからない
  • 費用はどれくらいかかるのか不安
  • 自分の家族にはどちらが必要なのか判断できない
目次

【結論】訪問診療と往診の決定的な違い

まずは一言で結論をお伝えします。このイメージを持つだけで、あとの理解がぐっと早くなります。

訪問診療は「定期的な通院の代わり」
往診は「急変時の緊急対応」

つまり、「訪問診療」という土台契約があり、そのオプションとして「往診」が存在するのが一般的な在宅医療の形です。

スクロールできます
項目訪問診療往診
イメージ訪問型の「通院」緊急時の「救急要請」
頻度月2回など決まっている呼ばれた時だけ(臨時)
目的病状安定・予防・薬の管理発熱・痛み・怪我の処置
費用月額管理料が含まれる1回ごとの出来高払い
保険医療保険 + 介護保険医療保険のみ

訪問診療とは?定期的に医師が自宅へ来る安心感

訪問診療とは、通院が困難な方を対象に、医師が診療計画を立てて「定期的」に自宅へ通う医療サービスです。

「具合が悪くなったから呼ぶ」のではなく、「具合が悪くならないように管理する」のが最大の目的です。

どんなことをしてくれる?

  • 定期診察:月2回程度、聴診や触診で変化がないか確認します。
  • お薬の処方:薬局と連携し、自宅まで薬を届けてもらう手配も可能です。
  • 医療処置:血液検査、点滴、褥瘡(床ずれ)処置、カテーテル交換など。
  • 看取りの対応:最期を自宅で迎えたい場合の緩和ケアを行います。

訪問診療の費用目安(月額)

訪問診療は、診察料とは別に「在宅時医学総合管理料(在医総管)」という月額の基本料金がかかります。
一般的な高齢者(75歳以上・1割負担)の場合の目安は以下の通りです。

【月2回訪問の場合の目安(1割負担)】
約6,000円 〜 8,000円 / 月

※お薬代は別途薬局へ支払い
※検査や処置があれば加算されます

高額療養費制度の上限があるため、どんなに医療費がかかっても一般的な所得の方なら月額18,000円(個人単位)を超えることは稀です。
参考:厚生労働省|在宅医療

訪問診療の導入には「手順」があります。
介護保険の申請状況やケアマネジャーとの連携も必要なため、まずは全体の流れを把握しておくとスムーズです。

訪問診療の費用・利用条件・できることを網羅した 訪問診療の完全ガイド を確認しておくと安心です。
あわせて、訪問看護との役割の違いで迷いやすいため 訪問看護との違い解説 も参考になります。

加えて、「毎月の医療費、年金だけで足りるか心配…」
そんな時、誰も住んでいないご実家を放置していませんか?

実は、空き家になりがちな実家を「介護・医療の資金源」に変える方法があります。
費用負担でパンクする前に、一度確認しておいてください。
▶︎親の施設費用・医療費、年金だけでは無理?「誰も住まない実家」を賢く現金化する全手順

往診とは?|24時間365日の緊急対応

往診とは、患者や家族の要請を受けて、医師が「臨時」で駆けつける診療です。
基本的には、普段から訪問診療を受けている患者様向けの「緊急オプション」として機能しています。

どんな時に往診を呼ぶ?

  • 高熱が出て食事が摂れない
  • 転倒して怪我をした
  • 急に息苦しさを訴えている
  • 痛みが強くなり、痛み止めが効かない

往診の費用目安(1回あたり)

往診は「時間帯」によって料金が大きく変わります。特に深夜や休日は加算がつくため注意が必要です。

スクロールできます
時間帯自己負担額(1割)の目安
平日 日中約 1,500円 〜
夜間・休日約 2,500円 〜
深夜(22時〜6時)約 4,000円 〜

出典:厚生労働省|診療報酬制度

これに加え、交通費(実費)が請求されるクリニックもあります。

在宅医療の「限界」を感じる前に知っておくべき2つの選択肢

訪問診療と往診を組み合わせれば、自宅でも病院に近い医療を受けることは可能です。
しかし、「医療体制は整っても、日々の介護をする家族の体力」には限界があります。

「在宅医療を始めたけれど、正直しんどい…」と後悔しないために、以下の2つの逃げ道を確保しておいてください。

1. 「食事」の負担を外部化して時間を買う

在宅介護で最も時間と体力を奪われるのが「毎日の食事準備」です。
特に、親が高血圧や腎臓病などで食事制限が必要な場合、別メニューを作る負担は想像を絶します。

訪問診療の先生からも「介護者が倒れないことが最優先。食事は便利なサービスに頼りなさい」と指導されることは多々あります。
医療・介護食専門の宅配サービスを利用して、物理的な負担を減らすことを検討してください。

2. 「施設入居」のボーダーラインを決めておく

訪問診療を入れても、夜間のトイレ介助や徘徊、常時の見守りが必要な場合、在宅生活は破綻します。
「訪問診療代 + 介護サービス費」が、老人ホームの月額費用と変わらなくなるケースも少なくありません。

限界が来てから探すと、空きがなくて路頭に迷うことになります。
元気なうちに「いくらくらいの施設なら入れるか」の相場だけでも知っておくと、心の余裕が違います。

「施設に入れたいけど、貯金も収入も足りない…」
そんな場合でも、諦める必要はありません

持ち家を適切に処理して「生活保護」を受給し、費用負担なしで施設入居を実現する方法があります。
在宅介護の「最後の逃げ道」として、知っておくだけで心が軽くなります。
▶︎年金不足で生活できない… 持ち家を「生活保護への切符」に変えて、安心な老後を手に入れる

訪問診療と往診に関するよくある質問

訪問診療と往診は同時に利用できますか?

可能です。訪問診療を受けていても、急変時には往診が行われます。

往診を呼ぶか救急車を呼ぶか迷った場合は?

命の危険がある場合は迷わず119番、それ以外はまず医療機関へ連絡しましょう。

訪問診療は誰でも受けられますか?

原則として通院困難な方が対象で、最終的な判断は医療機関が行います。

施設入居中でも訪問診療は利用できますか?

有料老人ホームやグループホームなど、多くの施設で利用可能です。

往診の回数が増えると費用負担は大きくなりますか?

往診は1回ごとの算定のため、回数が増えると自己負担額も増加します。

訪問診療を始めるには何から相談すればいいですか?

かかりつけ医、ケアマネジャー、地域包括支援センターへの相談が第一歩です。

在宅医療で迷ったら|最初の一歩は相談から

訪問診療と往診の違いを理解するだけで、在宅療養への不安は大きく軽減します。

「うちの場合はどうすればいい?」と感じたら

  • 訪問診療クリニック
  • ケアマネジャー
  • 地域包括支援センター

などに相談して今後の方向性を一緒に考えてもらいましょう。

生活状況に合った医療・介護体制を一緒に整理してもらえるはずです。

おまけ:「在宅医療のその先にある、実家のこと」
自宅で最期を迎える場合も、施設に移る場合も、いずれ「実家」をどうするか決断する時が来ます。
親族で揉めないための相続知識や、空き家リスクの回避法を今のうちにチェックしておきましょう。

よかったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!
kawauchi
看護師/訪問診療クリニック事務長/計画相談員
私は、看護師として重症心身障害病棟・救命救急HCUに従事した後、有料老人ホームの管理者・看護部長・福祉事業部統括として、入居者の生活と医療連携の現場に携わってきました。

現在は、訪問診療クリニックの事務長として在宅医療の運営に関わると同時に、計画相談員・医療福祉コンサルタントとして、東海エリアを中心に施設紹介・身元保証・医療介護連携の支援を行っています。

病院・施設・在宅という立場の異なる現場をすべて経験してきたからこそわかる、制度論だけではない「現場のリアル」や「家族が直面する苦悩」を踏まえた発信を大切にしています。

このブログでは、現場経験に基づく実践的な情報を軸に、後悔しない選択のための情報を発信しています。
目次