訪問診療と往診の違いを完全解説|費用・制度・使い分けが5分でわかる在宅医療ガイド

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家族の在宅療養を考え始めたとき、多くの方が最初に迷うのが「訪問診療」と「往診の違い」です。

  • 名前は似ているが、何がどう違うのかわからない
  • 費用はどれくらいかかるのか不安
  • 自分の家族にはどちらが必要なのか判断できない

私は、重症心身障害病棟・救命救急HCUでの看護師経験を経て、有料老人ホーム管理者・看護部長・福祉事業部統括部長を務め、現在は在宅医療クリニック事務長として在宅医療・訪問診療・医療介護連携に携わっています。
現場で最も多く受ける質問が、まさにこのテーマです。

結論から言うと、訪問診療は「定期・計画的な医療」往診は「急変時の臨時対応」です。

この記事では、制度・費用・具体例をもとに、在宅医療が初めての方でも「自分の家族には何が必要か」を判断できるように解説します。

目次

訪問診療とは?【答え】定期的に医師が自宅へ来る在宅医療

訪問診療とは、通院が困難な方を対象に、医師があらかじめ診療計画を立て、定期的に自宅や施設を訪れて行う医療です。

訪問診療の主な目的

  • 慢性疾患・持病の安定した管理
  • 症状悪化の予防と早期発見
  • 生活環境を踏まえた医療判断
  • 訪問看護・介護サービスとの連携

訪問診療で受けられる医療内容

  • 定期診察(問診・視診・聴診)
  • 処方・薬剤調整
  • 採血・尿検査などの検査
  • 点滴・褥瘡処置
  • 胃ろう・在宅酸素療法の管理
  • 認知症の医学的フォロー
  • 自宅での看取り支援

訪問診療の費用目安【2024年度】

訪問診療の費用は、主に「在宅時医学総合管理料等」と「訪問診療料(1回888点)」で構成されます。

自己負担1割の場合、月額6,000〜10,000円前後が一般的で、月ごとの費用が安定しやすいのが特徴です。

制度の詳細は公的資料をご確認ください。
参考:厚生労働省|在宅医療


訪問診療の全体像や対象者をもう少し体系的に知りたい方は、費用・利用条件・できることを網羅した 訪問診療の完全ガイド を確認しておくと安心です。
あわせて、訪問看護との役割の違いで迷いやすいため 訪問看護との違い解説 も参考になります。

往診とは?【答え】急な体調変化に対応する臨時の診療

往診とは、発熱・呼吸苦・強い痛みなど、急な症状悪化時に医師が臨時で自宅を訪れて行う診療です。

往診が必要になりやすい場面

  • 急な発熱や感染症が疑われるとき
  • 呼吸苦やSpO₂低下
  • 強い痛み・吐き気・脱水症状
  • 転倒や外傷
  • 認知症による急激な混乱(せん妄)

往診の費用目安

区分点数自己負担(1割)
往診料720点約720円
緊急加算325点約325円
夜間加算650点約650円
深夜加算1,300点約1,300円

深夜帯では自己負担2,000円前後になることもあり、時間帯によって費用差が出ます。

出典:厚生労働省|診療報酬制度

訪問診療と往診の違い【一覧比較】

項目訪問診療往診
診療の性質定期・計画的臨時・緊急
目的病状管理・予防急変対応
費用月額で安定時間帯で変動
役割在宅医療の土台安全網

在宅医療では、「訪問診療を基本に、必要なときだけ往診を使う」のが標準的な考え方です。

訪問診療と往診の正しい使い分け【結論】

訪問診療で予防と安定管理を行い、急変時のみ往診を利用することで、本人・家族双方の不安と負担を最小限にできます。

  • 日中の小さな変化は早めに共有する
  • 夜間に連絡すべき症状を事前に確認しておく
  • 訪問看護・介護サービスと日常的に連携する

使い分けが理解できたら、次は「どう始めるか」が不安になりやすいポイントです。
家族が準備すべき流れと費用をまとめた 訪問診療の導入手順ガイド を確認しておくと、相談時に話がスムーズになります。

訪問診療と往診に関するFAQ

訪問診療と往診は同時に利用できますか?

可能です。訪問診療を受けていても、急変時には往診が行われます。

往診を呼ぶか救急車を呼ぶか迷った場合は?

命の危険がある場合は迷わず119番、それ以外はまず医療機関へ連絡しましょう。

訪問診療は誰でも受けられますか?

原則として通院困難な方が対象で、最終的な判断は医療機関が行います。

施設入居中でも訪問診療は利用できますか?

有料老人ホームやグループホームなど、多くの施設で利用可能です。

往診の回数が増えると費用負担は大きくなりますか?

往診は1回ごとの算定のため、回数が増えると自己負担額も増加します。

訪問診療を始めるには何から相談すればいいですか?

かかりつけ医、ケアマネジャー、地域包括支援センターへの相談が第一歩です。


FAQを読んで「制度や費用の仕組みがまだ曖昧」と感じた方は、自己負担の考え方に直結する 医療保険の基礎介護保険の基礎 を押さえておくと理解が一気に深まります。

在宅医療で迷ったら|最初の一歩は相談から

訪問診療と往診の違いを理解するだけで、在宅療養への不安は大きく軽減します。

「うちの場合はどうすればいい?」と感じたら

  • 訪問診療クリニック
  • ケアマネジャー
  • 地域包括支援センター

などに相談して今後の方向性を一緒に考えてもらいましょう。

生活状況に合った医療・介護体制を一緒に整理してもらえます。

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