老人ホームの種類と違い|有料・特養・老健・サ高住・グループホーム・介護医療院を比較

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「老人ホームの種類と違いが分からない…」という人向けに、代表的な6施設 (有料・特養・老健・サ高住・グループホーム・介護医療院)を比較。

この記事では、6つの主要施設について特徴・入居条件・費用・向いている人像を比較表とともにわかりやすくまとめました。

まずは全体像→候補の把握→見学の準備、の順で迷わず進めましょう。

読み終えれば「自分や家族にはどの施設が合っているか」がイメージでき、次のステップ(見学・相談)に進む準備が整います。

目次

6つの施設の比較表

介護施設を理解するには、まず全体を一覧で見比べるのが分かりやすい方法です。

ここでは、主要な6施設(有料老人ホーム・特養・老健・サ高住・グループホーム・介護医療院)の特徴を整理しました。

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施設名料金レンジ(月額)医療対応入居しやすさ在宅復帰前提入居条件(要約)特徴/備考詳しく
有料老人ホーム15〜30万円+一時金(0円プランあり)○(連携/看護体制により差)★★No自立〜要介護。年齢は原則65歳以上自由度が高く設備充実。費用はやや高め→解説へ
特養(特別養護老人ホーム)12〜15万円△(高医療は困難)No原則 要介護3以上公的で費用低め。待機が出やすい→解説へ
老健(介護老人保健施設)8〜13万円○(医師/リハ配置)★★★Yes要介護1以上。病状安定原則3〜6か月の中間施設→解説へ
サ高住10〜20万円(敷金)△〜○(見守り+外部介護)★★★No60歳以上/要介護可(幅広く受入)住まい重視。夫婦入居可が多い→解説へ
グループホーム12〜16万円△(軽中度の医療)★★No認知症診断+要支援2以上。
原則同一市区町村
少人数/家庭的。認知症ケア特化→解説へ
介護医療院12〜20万円◎(医師/看護常勤)★★No要介護1以上(実態は重度中心)医療+介護の長期療養型→解説へ

凡例:医療対応=◎(常時対応)/○(概ね可)/△(限定)|入居しやすさ=★(条件/待機が厳しめ)〜★★★(比較的入りやすい)|在宅復帰前提=老健はYes

ポイント

  • 費用が高い順:有料老人ホーム ・ サ高住 > 介護医療院 ・ グループホーム > 特養 > 老健
  • 医療重視:介護医療院 > 医療対応型有料老人ホーム > 老健・特養 > 有料老人ホーム・サ高住
  • 自由度重視:サ高住 > 有料老人ホーム > グループホーム > 老健・特養 > 介護医療院
  • 認知症特化:グループホーム

👉 この表を押さえておけば、各施設の立ち位置が一目で分かります。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、民間企業や社会福祉法人が運営する高齢者施設で、介護・生活支援・医療連携を組み合わせた住まいです。

特養や老健などの公的施設と比べると自由度が高い一方、費用が高額になりやすい点が特徴です。

入居条件

  • 自立〜要介護まで幅広く受け入れ
  • 医療依存度は施設により異なる(看護師常駐や医療連携が整っている施設もある)
  • 年齢制限は原則65歳以上だが、60歳前後でも受け入れる施設あり

費用の目安

  • 月額:15〜30万円程度
    ・家賃、食費、管理費:12〜25万円
    ・介護サービス費:2〜6万円(介護保険1〜3割負担)
  • 入居一時金:数百万円〜数千万円(ただし「0円プラン」も増加中)

入居までの流れ

  1. 情報収集・資料請求
  2. 複数施設の見学・体験入居
  3. 面談・申込(介護度・医療依存度を確認)
  4. 契約・入居(入居一時金または敷金を支払い)

向いている人

  • 経済的に余裕があり、快適で自由な生活を送りたい人
  • 医療や介護のサポートを受けながら、長期的に安心して暮らしたい人
  • 家族の近くで住み替えを考えている人

👉 有料老人ホームは「費用は高いが自由度が高い」施設です。生活の質を重視したい人に向いています。

特別養護老人ホーム(特養)

特養は、介護が必要な高齢者が長期的に生活できる公的施設です。

介護保険の「介護老人福祉施設」として位置づけられ、全国的に最も人気が高い施設のひとつです。

入居条件

  • 原則:要介護3以上
  • 年齢:65歳以上(特定疾病があれば40歳以上も対象)
  • 医療依存度が高い場合(人工呼吸器・頻回の点滴など)は入居困難

費用の目安

  • 月額:12〜15万円程度
    ・居住費:2〜4万円
    ・食費:3〜4万円
    ・介護サービス費(自己負担分):2〜4万円
    ・その他(医療費・日用品など):数千円〜1万円
  • 入居一時金:不要

入居までの流れ

  1. 市区町村を通じて入居申込
  2. 入居希望者の介護度や緊急度をもとに順位付け
  3. 空きが出次第、入居判定会議で可否を決定
  4. 契約・入居

向いている人

  • 費用を抑えて長期的に暮らしたい人
  • 家族での在宅介護が困難な人
  • 医療依存度は低いが、日常的な介護が必須な人

👉 特養は「安心して終の住まいを確保したい人」にとって最有力の選択肢ですが、待機者が多く、すぐに入居できないケースが多い点に注意が必要です。

介護老人保健施設(老健)

老健は、在宅復帰を目的とした中間的な施設です。

医師やリハビリ専門職が配置されており、退院後すぐに自宅に戻るのが難しい高齢者が、リハビリや介護を受けながら生活する場所として利用されます。

入居条件

  • 要介護1以上(自立や要支援では入居不可)
  • 病状が安定していて、急性期医療は必要としない
  • 原則として「在宅復帰を目指せる人」

費用の目安

  • 月額:8〜13万円程度
    ・居住費:2〜4万円
    ・食費:3〜4万円
    ・介護サービス費(自己負担分):2〜3万円
    ・医療費や日用品費:数千円〜1万円
  • 入居一時金:不要

入居までの流れ

  1. 病院の医療ソーシャルワーカーやケアマネに相談
  2. 施設に申込書を提出
  3. 面談・判定(介護度・医療ニーズ・在宅復帰の可能性を審査)
  4. 契約・入居

向いている人

  • 退院後すぐに自宅に戻るのが難しい人
  • 在宅生活を目指してリハビリを続けたい人
  • 医療や介護のサポートを受けながら生活を整えたい人

👉 老健は「在宅復帰のための一時利用」が前提です。

長期的な入居はできないため、次の住まいを並行して探す必要があります。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サ高住は、2011年に創設された比較的新しい制度で、自宅に近い自由な暮らしをしながら生活支援を受けられる賃貸住宅です。

介護が必要になった場合は外部の介護サービスを契約して利用します。

入居条件

  • 原則 60歳以上、または要介護認定を受けた高齢者
  • 自立〜要介護まで幅広く受け入れ可能
  • 重度の介護や医療依存度が高い人は入居が難しい場合もある

費用の目安

  • 月額:10〜20万円程度
    ・家賃:5〜10万円
    ・管理費・共益費:1〜3万円
    ・サービス費(安否確認・生活相談):1〜3万円
    ・食費:4〜6万円(希望者のみ)
    ・介護サービス費:外部利用分を自己負担(介護保険適用1〜3割)
  • 入居一時金:不要(敷金・礼金が必要な場合あり)

入居までの流れ

  1. 資料請求・相談(地域包括支援センターや紹介事業者経由も可)
  2. 施設見学・体験入居
  3. 申込・面談(介護度や生活スタイルを確認)
  4. 契約・入居(賃貸契約、敷金支払いなど)

向いている人

  • 自立〜軽度介護で、自由度を重視する人
  • 一人暮らしに不安があり、安否確認や見守りが欲しい人
  • 夫婦で入居したい人

👉 サ高住は「住宅」の要素が強く、元気なうちから安心を確保したい人に適した住まいです。

グループホーム

グループホームは、認知症の高齢者が少人数で共同生活を送りながら介護を受けられる施設です。

家庭的な雰囲気を大切にしており、認知症ケアに特化しています。

入居条件

  • 医師による 認知症の診断 があること
  • 原則 要支援2以上(多くは要介護1以上の方が中心)
  • 年齢:65歳以上(特定疾病があれば40歳以上も対象)
  • 原則として「同一市区町村に住民票がある人」が対象

費用の目安

  • 月額:12〜16万円程度
    ・居住費(家賃):3〜6万円
    ・食費:3〜4万円
    ・管理費・光熱費:1〜2万円
    ・介護サービス費(自己負担分):2〜4万円
  • 入居一時金:不要(敷金のみ必要な場合あり)

入居までの流れ

  1. ケアマネや地域包括支援センターに相談
  2. 見学・面談で生活環境や認知症の状態を確認
  3. 申込書・診断書を提出
  4. 入居判定会議で受け入れ可否を決定
  5. 契約・入居

向いている人

  • 認知症で家庭的な環境を希望する人
  • 大規模施設よりも少人数で落ち着いて暮らしたい人
  • 料理や掃除など、役割を持ちながら生活したい人

👉 グループホームは「認知症ケアに特化した家庭的な住まい」として、地域での暮らしを続けたい方に向いています。

介護医療院

介護医療院は、2018年に新設された施設で、医療ケアと介護を一体的に受けられる長期療養型の住まいです。

従来の「介護療養病床」に代わる存在として整備されています。

入居条件

  • 原則 要介護1以上(実際には要介護3〜5が中心)
  • 医療依存度が高い人(経管栄養・酸素吸入・褥瘡処置など)
  • 急性期治療が必要な場合は対象外(病院での対応が必要)
  • 年齢は原則65歳以上(特定疾病があれば40歳以上も対象)

費用の目安

  • 月額:12〜20万円程度
    ・居住費:2〜6万円
    ・食費:3〜4万円
    ・介護サービス費(自己負担分):2〜5万円
    ・医療費(自己負担分):数千円〜数万円
  • 入居一時金:不要(敷金程度)

入居までの流れ

  1. 病院の医療ソーシャルワーカーやケアマネに相談
  2. 施設見学・面談
  3. 申込書・診療情報提供書を提出
  4. 入居判定会議で受け入れ可否を審査
  5. 契約・入居

向いている人

  • 医療と介護の両方を必要とする人
  • 慢性疾患で長期療養が必要な人
  • 在宅や一般の施設では生活が難しい人

👉 介護医療院は「病院では長期入院できないが、介護施設だけでは不安」という人に適した選択肢です。

まとめ

介護施設には大きく分けて6つの種類があります。

  • 有料老人ホーム:自由度が高いが費用も高額。快適さを重視する人向け
  • 特養:費用を抑えて長期入居可能。要介護3以上が対象で待機者が多い
  • 老健:在宅復帰を目指す中間施設。長期入居はできない
  • サ高住:自由な暮らしと安心の見守り。自立〜軽度介護向け
  • グループホーム:認知症に特化した少人数制。家庭的な雰囲気で暮らせる
  • 介護医療院:医療+介護を一体的に提供。重度介護や医療依存度が高い人向け

👉 選び方のポイント

  • 費用重視なら特養や老健
  • 自由度重視なら有料老人ホームやサ高住
  • 認知症ケアならグループホーム
  • 医療依存度が高い人は介護医療院

介護施設は「どこが一番良い」というよりも、本人の状態や希望、家族の状況に合っているかどうかが重要です。

まずは複数施設を比較・見学し、生活のイメージや費用の見通しを持つことが、後悔しない施設選びにつながります。

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