訪問診療の費用はなぜ高くなる?安くなる仕組みと負担を抑える方法を徹底解説

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両親や配偶者の体調が心配になり、訪問診療を勧められたものの、

  • 「毎月いくらくらいかかるのか、まったくイメージできない」
  • 「請求書を見て『思ったより高い…』と驚いた」

という相談を、過去に施設管理者や福祉事業部統括部長をしていた頃に多く受けていました。

しかし、訪問診療の費用は「なんとなく決まっている」わけではありません。
診療報酬のルールに沿って、かなり論理的に金額が決まる仕組みになっています。

特に2024年度診療報酬改定では、

  • 在宅時医学総合管理料(管理料)の見直し
  • 訪問診療料の区分整理(在宅患者訪問診療料1・2など)
  • 往診料や緊急・夜間・深夜加算の評価整理

などが行われ、在宅医療の点数体系が大きく整理されました。

この記事では、

  • 2024年度の最新点数をベースにした「費用の仕組み」
  • 在支診(在宅療養支援診療所)で月2回〜4回診療を受けるケースのシミュレーション
  • 緊急往診や深夜対応で「費用が高くなる理由」
  • 高額療養費制度や医療費控除を使った実質負担の下げ方
  • 家族ができる、訪問診療の費用を抑える5つのコツ

を、在宅医療クリニック事務長としての現場経験を踏まえて、専門家レベルでわかりやすく解説します。
過去に相談をいただいた際には知識不足でお答えできませんでしたが、現在は訪問診療クリニックの事務長として働いているため詳しくお答えすることが出来るようになりました。

この記事を読み終える頃には、「うちの場合は月◯円くらいになりそうだな」と具体的なイメージを持てる状態になることを目指しています。

目次

訪問診療の費用は「3つの要素」で決まる

まず、訪問診療の費用がどのように決まるか、全体像をシンプルに整理します。

訪問診療の自己負担額(1割負担の方の場合)は、主に次の3つの合計で決まります。

  1. 在宅時医学総合管理料(管理料:月額)
  2. 在宅患者訪問診療料(訪問1回ごとの費用)
  3. 往診料+緊急・夜間・深夜加算(急変時の臨時出動)

この3つを理解できれば、

  • 「なぜこの金額になるのか」
  • 「どこを工夫すれば費用を抑えられるのか」

が、かなり具体的に見えてきます。

この記事では、在宅で1人の患者として診療を受けるケース(単一建物に1人)を前提に解説します。

① 在宅時医学総合管理料(管理料:月額)

在宅時医学総合管理料(在医総管)は、月ごとの「かかりつけ医としての総合管理」に対して支払われる基本料金です。

2024年度の点数表ではかなり細かく分かれていますが、ここではご家庭でイメージしやすいように、次のようなパターンで整理します。

医療機関の種類前提条件在宅時医学総合管理料(月1回)1割負担の目安
在宅療養支援診療所(在支診)
病床なし・処方あり
在宅で療養・月2回以上の訪問4,600点約4,600円
在宅療養支援診療所(在支診)
病床なし・処方なし
同上4,900点約4,900円
在宅療養支援診療所(在支診)
病床あり・処方あり
同上5,000点約5,000円
一般の診療所(非在支診)
処方あり
同上2,200点約2,200円

この記事では、もっとも一般的な「在支診(病床なし)・処方あり:4,600点」をデフォルトモデルとしてケース計算を行います。

在支診は、

  • 24時間対応の体制
  • 看取り(ターミナルケア)への対応
  • 他職種との連携

などが評価されているため、一般診療所よりも管理料が高めに設定されています。
その分、夜間や急変時にも連絡しやすい体制が整っていることが多く、私も有料老人ホーム管理者として、在支診に診療をお願いするケースが多くありました。

② 在宅患者訪問診療料(1回ごとの費用:2024年度)

訪問診療1回ごとに発生する費用が「在宅患者訪問診療料」です。

2024年度は、次のような区分になっています(主にご家庭で想定されるパターンだけを抜粋)。

区分対象点数1割負担の目安
在宅患者訪問診療料1
同一建物居住者以外
ご自宅で1人で療養している方888点約888円/1回
在宅患者訪問診療料1
同一建物居住者
集合住宅などで複数人を同日に診療213点約213円/1回

この記事では、「在宅で1人の患者として診療を受ける」=同一建物居住者以外:888点を前提にシミュレーションしていきます。

月2回の訪問なら「888点 × 2回」、月4回なら「888点 × 4回」と、訪問回数に応じてシンプルに増減します。

③ 往診料と緊急・夜間・深夜加算(急変時の「臨時出動」)

普段の「計画された訪問診療」とは別に、急変時に臨時で自宅に来てもらう診療が往診です。

  • 往診料:720点(基本)

ここに時間帯や緊急性に応じて、加算が上乗せされます(訪問診療クリニックの体制次第で点数が変動します)。

区分点数1割負担の目安
緊急に行う往診325~750点約325~750円
夜間・休日(深夜を除く)の往診650~1,500点約650~1,500円
深夜の往診1,300~2,500点約1,300~2,500円

たとえば、深夜に往診を1回お願いすると、

  • 往診料 720点 + 深夜加算 1,300点 = 2,020点
  • 1割負担なら約2,020円

となります。この深夜往診が、訪問診療の月額費用を大きく押し上げる主な要因になることが多いです。

私の経験でも、普段は月5,000〜7,000円台で安定していた方が、看取り前の1〜2か月だけ深夜往診が増えて一時的に1万円超になるケースはよくあります。


訪問診療の費用の全体像をもう少し整理したい方は、訪問診療の基本と費用の考え方をまとめた解説を読むと、今回の3つの要素がよりイメージしやすくなります。
さらに、実際に始めるまでの流れや準備物を知りたい場合は、導入手順と費用チェックのポイントを押さえておくと安心です。
「そもそも訪問診療で後悔したくない」という方は、よくある誤解とクリニック選びの注意点を整理した後悔しないための考え方も参考にしてみてください。

訪問診療の費用が高くなるケースと安くなるケース

ここまでの点数を踏まえると、費用が「高くなりやすいケース」と「比較的安く済むケース」の特徴が見えてきます。

費用が高くなるケース

  • 深夜・夜間の往診が多い
    急変が多い、家族が不安で夜間に電話しやすい、独居で支援者が少ないなど。
  • 訪問回数が多い(月4〜6回以上)
    状態が不安定で、医師のフォローが頻回に必要なケース。
  • 医療依存度が高い
    在宅酸素、胃ろう、中心静脈栄養など、医療的処置が多い場合。
  • がん末期で鎮痛・症状コントロールが複雑
    麻薬管理や症状緩和のための処置が増える。
  • 在支診(手厚い24時間体制)の管理料が高め
    その分、安心材料でもあります。

費用が安くなるケース

  • 月2回の訪問だけで安定している
    管理料+訪問診療料が中心。
  • 緊急往診がほとんどない
    深夜往診が0〜年に数回程度。
  • 処置が少なく、加算が少ない
  • 一般診療所で管理料が低め
    在支診より管理料は安いが、夜間対応の体制が異なることも。
  • 訪問看護・介護サービスで状態が安定している
    こまめな観察・ケアで急変を減らせる。

私は有料老人ホームの管理者として、在支診と一般診療所の両方と連携してきましたが、「費用を抑えたいから一般診療所」「夜間の安心感を重視して在支診」など、ご家族の価値観によって選択が分かれる印象があります。

ケース別費用シミュレーション(2024年版:1割負担)

ここからは、先ほどの前提に沿って、実際にどれくらいの自己負担になるのかをシミュレーションします。

前提条件は次の通りです。

  • 自己負担:1割負担
  • 管理料:在支診(病床なし・処方あり)4,600点
  • 訪問診療料:在宅患者訪問診療料1(同一建物居住者以外)888点/回
  • 処置などの加算はごく一般的な範囲で設定

ケース1|最も安いパターン:状態安定・月2回訪問

項目点数1割負担の目安
在宅時医学総合管理料4,600点約4,600円
訪問診療料(888点 × 月2回)1,776点約1,776円
処置・加算0点0円

合計:6,376点(約6,376円/月)

比較的元気だが外来通院が難しい、という方の典型的なイメージです。

ケース2|やや不安定:月4回訪問+軽い処置

項目点数1割負担の目安
在宅時医学総合管理料4,600点約4,600円
訪問診療料(888点 × 月4回)3,552点約3,552円
処置加算など200点約200円

合計:8,352点(約8,352円/月)

「肺炎を繰り返す」「心不全があり、ときどき浮腫が強くなる」など、こまめな様子観察と処置が必要な状態のイメージです。

ケース3|医療依存度が高い:在宅酸素+月4回訪問

項目点数1割負担の目安
在宅時医学総合管理料4,600点約4,600円
訪問診療料(888点 × 月4回)3,552点約3,552円
在宅酸素管理・処置加算など500点約500円

合計:8,652点(約8,652円/月)

在宅酸素や褥瘡処置、点滴管理などが加わると、管理料+訪問診療料に加えて加算が積み上がるため、月1万円前後になることが多い印象です。

ケース4|がん末期:緩和ケアが必要な状態

末期がんの方には、在宅がん医療総合診療料という包括的な点数もあります。
実際の算定はもう少し複雑ですが、ご家族がイメージしやすいよう、シンプルなモデルで示します。

項目点数(例)1割負担の目安
在宅がん医療総合診療料(週1回 × 4週)1,495点 × 4 = 5,980点約5,980円
訪問診療料(必要回数に応じて)888点 × 訪問回数例:月4回なら3,552円
麻薬管理・処置など300点程度約300円

あくまでモデルですが、月1万円前後〜それ以上になることも珍しくありません。
ただし、後述する高額療養費制度があるため、自己負担は一定額で頭打ちになります。

ケース5|深夜の緊急往診が1回入った場合

ケース2(やや不安定・月4回)に、深夜の緊急往診が1回追加で入ったケースを考えます。

  • 深夜往診:往診料 720点 + 深夜加算 1,300点 = 2,020点(約2,020円)

ケース2の合計 8,352点に加えると、

合計:10,372点(約10,372円/月)

このように、深夜往診が1回入るだけで、月額が2,000円ほど上乗せされることが分かります。

120日(4か月)で見る費用の推移イメージ

訪問診療は、「最後の1〜2か月で費用が少し上がる」というパターンをとることが多いです。
看護師として、また有料老人ホーム管理者として多くの看取りを経験してきた中で、次のようなイメージを持っています。

フェーズ1(0〜60日):安定期

  • 訪問頻度:月2回程度
  • 自己負担の目安:月6,000〜7,000円台
  • 状態が落ち着いており、処置も少なめ

フェーズ2(60〜90日):状態変動期

  • 訪問頻度:月4〜6回程度
  • 自己負担の目安:月8,000〜12,000円台
  • 息苦しさや痛み、むくみなどの症状が出やすくなり、処置や調整が増える

フェーズ3(90〜120日):看取り前30日

  • 訪問頻度:月6回以上+往診が入ることも
  • 自己負担の目安:月1万円〜1万5,000円台
  • 夜間・深夜の往診や、緩和ケアの強化が入りやすい

ご家族からは、

  • 「最後の1〜2か月だけ費用が上がった」

と感じられることが多いですが、それはまさに終末期の医療・ケアが集中的に入った証拠とも言えます。

とはいえ、日本には高額療養費制度があるため、医療費の自己負担には上限があります。
月数万円の請求が来ても、そのまま全額を払い続けるわけではありません。

高額療養費制度でどこまで負担が下がる?

訪問診療は「外来扱い」の医療費として、高額療養費制度の対象になります。

高額療養費制度は、1か月(1日〜末日)の自己負担額が、所得区分ごとの上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される仕組みです。

ポイントだけ押さえると

  • 70歳以上は「外来(個人)」と「世帯全体」の2つの上限がある
  • 70歳未満は「世帯単位」での上限が決まる
  • 外来・薬・入院の自己負担を合算して判定する

たとえば、

  • 訪問診療+外来受診+調剤薬局の支払いが多い月
  • 入院と在宅を行き来している月

などでは、意外と簡単に高額療養費の上限に届くこともあります。

また、医療保険が1割2割の方は上限18,000円、区分1と2の方は上限8,000円、3割負担の方は現役並みとなるので、医療保険1割と2割負担の方は往診が加わるとすぐに上限になるケースが多いです。

具体的な上限額は、年齢や所得によって変わるため、最新の情報は以下の公的ページで確認するのがおすすめです。

3割負担の方は「限度額適用認定証」を事前に取得しておけば、窓口で支払う段階から上限額を超えないように調整してもらえます。
訪問診療クリニックやケアマネジャー、市区町村の窓口に相談してみてください。


高額療養費だけでなく、介護保険も含めて全体の負担を整理したい方は、介護保険の仕組みと自己負担の考え方を一度おさらいしておくと、在宅療養に使えるサービスの選び方がわかりやすくなります。
あわせて、民間の医療保険との関係が気になる方は、医療保険の基本と給付内容も確認しておくと、「どこまで公的制度でカバーできるか」が整理しやすくなります。
さらに、将来的に施設入居も視野にある場合は、医療・介護費を軽減できる制度を横断的にまとめた老人ホーム費用を抑える公的制度ガイドもチェックしておくと安心です。

家族ができる“訪問診療の費用を抑える5つの方法”

ここからは、私が在宅医療クリニック事務長として、また有料老人ホーム管理者としてご家族にお伝えしている、現場目線の節約ポイントをお話しします。

1.深夜の緊急往診を減らす「連絡基準」を共有する

「少し息が荒い気がする」「なんとなく不安」といった理由で深夜に電話すると、深夜往診(+2,000円前後)が積み重なりやすくなります。

診療開始時に、

  • この症状が出たら夜間でもすぐ電話してほしい
  • この程度なら翌朝まで様子を見ても大丈夫

といった「連絡の目安」を、医師・看護師と一緒に具体的に決めておくと、不要な深夜往診を減らしつつ安全も保ちやすくなります。

2.体調変化を早めに共有して「計画訪問」で対応してもらう

日中のうちに、

  • 食事量が減ってきた
  • むくみが強くなってきた
  • 咳が増えてきた

といったサインを早めに共有できれば、計画訪問の枠の中で診てもらえる可能性が高くなります。
看護師としての経験でも、「ちょっと気になる」を早めに共有してもらったことで、夜間の急変を防げたケースが何度もありました。

3.訪問看護・介護サービスを併用して、状態を安定させる

訪問診療だけでなく、

  • 訪問看護
  • 訪問介護(ヘルパー)
  • デイサービス・ショートステイ

などの介護保険サービスを組み合わせると、日々の観察・ケアがきめ細かくなり、急変そのものを減らせることがあります。

介護保険サービスの自己負担(1〜3割)は別途かかりますが、結果として、

  • 入院の回数が減る
  • 夜間の緊急対応が減る

ことで、トータルの医療費・介護費が安定するケースも多く見てきました。

4.限度額適用認定証を早めに取っておく

医療費が高額になる可能性がある場合は、事前に「限度額適用認定証」を取得しておくのがおすすめです。

  • 市区町村の国民健康保険窓口
  • 加入している健康保険組合や協会けんぽ

などで申請でき、認定証を医療機関に提示すると、窓口支払いの段階から上限額までの支払いで済むようになります。

5.医療費控除を活用して、翌年の税金を戻す

1年間(1月〜12月)に支払った医療費が一定額(原則10万円)を超えると、医療費控除として所得税・住民税の還付を受けられることがあります。

  • 訪問診療の自己負担
  • 外来受診・入院・薬局での支払い
  • 交通費(一定の条件を満たす場合)

などを合計して計算するため、領収書や明細書を1か所にまとめて保管しておくとスムーズです。
詳しくは、国税庁の「医療費控除」のページを確認してください。

参考:国税庁|医療費控除

訪問診療の費用に関するよくある質問

訪問診療と往診の違いは何ですか?

訪問診療は、あらかじめ計画された定期的な診療で、月2回などのペースで医師が自宅に伺うものです。一方、往診は急変時などに臨時で行う診療で、夜間や深夜の対応も含まれます。費用面では、深夜・夜間の往診には加算がつくため、往診のほうが高くなりやすいのが特徴です。

1か月に何回まで訪問診療を受けられますか?

診療報酬上は、原則として週3回までが上限です。ただし、末期がんなど一部の疾患では例外的に頻回の訪問が認められています。実際の訪問回数は、病状や生活状況を踏まえて主治医が判断するため、「どのくらいのペースが良いか」は主治医に具体的に相談すると安心です。

介護保険サービスと併用すると、医療費は安くなりますか?

介護保険サービス自体の自己負担は発生しますが、訪問看護や訪問介護、デイサービスなどを併用することで、日々の観察とケアが手厚くなり、急変や入院を減らせるケースがあります。その結果として、訪問診療の回数や夜間・深夜の往診が減り、トータルの医療費が安定することは少なくありません。

高額療養費は自動的に適用されますか?

多くの場合、いったん窓口で自己負担分を支払い、その後に申請して払い戻しを受ける流れになります。事前に「限度額適用認定証」を取得しておくと、窓口の支払い額があらかじめ上限で抑えられるため、医療費が高額になりそうなときは早めに申請しておくと安心です。

訪問診療をやめたくなった場合、いつでも中止できますか?

基本的には、ご本人やご家族の希望があればいつでも中止できます。ただし、中止後の通院方法や急変時の対応、介護サービスの体制なども一緒に考える必要があります。主治医やケアマネジャーとよく相談し、「中止したあとも安全に過ごせるか」を確認しながら決めることをおすすめします。

まだ迷っている段階ですが、相談だけでも大丈夫ですか?

多くの訪問診療クリニックや地域包括支援センターでは、「訪問診療を始めるか検討している段階」での相談にも対応しています。費用の目安や利用の流れだけ聞きたい場合でも問題ありません。まずは電話や相談窓口で、「家族の状態だとどんな選択肢があるか」を一緒に整理してもらうと不安が軽くなります。


「在宅で本当に最後まで看られるのか」「施設とどちらがよいのか」で迷っている方は、在宅医療と老人ホーム入居の費用・家族負担・医療体制を整理した在宅医療と施設入居の比較ガイドを読むと、自分たちに合う選択肢が見えやすくなります。
また、「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためには、よくあるつまずき方と対策をまとめた在宅医療で後悔しやすいケースと解決策や、そもそも在宅医療が向かないパターンを整理した在宅医療以外を選んだほうがよいケースもチェックしておくと安心です。
あわせて、在宅医療そのもののメリット・デメリットを俯瞰した在宅医療の良い点と注意点のまとめを押さえておくと、「どこで最期の時間を過ごすか」を家族で話し合いやすくなります。

まとめ:訪問診療の費用は「仕組みを知れば怖くない」

最後に、この記事のポイントを整理します。

  • 訪問診療の費用は、「管理料」+「訪問診療料」+「往診料・緊急加算」の3つで構成される。
  • 在支診の管理料は高めだが、24時間対応や看取り体制などの安心料とも言える。
  • 訪問診療料は、2024年度は在宅患者訪問診療料1(同一建物居住者以外:888点)が基本。
  • 深夜往診は1回あたり約2,000円の自己負担増となり、月額を押し上げる主な要因になる。
  • 医療依存度が高くなるにつれて、訪問回数や処置が増え、月1万円前後になるケースも多い
  • 高額療養費制度や限度額適用認定証を活用すれば、医療費の実質負担には上限がある
  • 訪問看護・介護サービスの併用は、費用を抑えつつ生活の質を守るための有効な手段

訪問診療の費用は、決して「ただ高いだけ」ではありません。
仕組みを理解し、制度を上手に使い、医療者とよく相談しながら進めていけば、安心と費用のバランスを取ることは十分に可能です。

もし具体的な金額のイメージが持ちにくい場合は、

  • 訪問診療クリニック
  • ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)
  • 地域包括支援センター

などに、「うちの家族の状態だと、月だいたいどのくらいになりそうですか?」と率直に聞いてみてください。
現場のスタッフは、過去の多くのケースから、おおよその目安を一緒に考えてくれます。

私は、重症心身障害病棟・救命救急HCU・有料老人ホーム・在宅医療クリニックなど、医療と介護の両方の現場を経験してきました。
ご家族が「お金の不安」を少しでも減らし、本当に必要な医療とケアに集中できるよう、今後も情報を発信していきます。

【一歩踏み出したい方へ】具体的な費用イメージは専門職と一緒に作りましょう

この記事でご紹介した金額は、あくまで代表的なモデルケースです。実際の費用は、

  • お住まいの地域
  • 医療機関の種類(在支診か一般診療所か)
  • 医療依存度や訪問回数
  • 介護サービスの利用状況

などによって変わってきます。

「うちの家族の場合はいくらくらいになりそう?」という疑問が出てきたら、

  • 近隣の訪問診療クリニック
  • ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)
  • 地域包括支援センター

のいずれかに、ぜひ一度相談してみてください。
概算のシミュレーションを一緒に作ることで、お金の不安がぐっと小さくなり、安心して在宅療養の準備を進めやすくなります。

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