「親の介護施設を探さなければならないけれど、どこに相談すればいいのか分からない」
──そんな不安を抱えていませんか?
静岡市には多くの老人ホームや介護施設がありますが、費用・医療体制・介護度への対応・立地など、条件によって最適な施設は大きく変わります。
「入居一時金はいくら必要?」「月額費用の相場は?」「介護付きと住宅型はどう違う?」「静岡市のどの区で探すべき?」といった疑問を持つ方は少なくありません。
特に30〜60代のご家族にとって、施設選びは人生で初めて直面する大きな決断です。
情報が多すぎて迷った結果、費用だけで選んでしまい「もっと調べればよかった」と後悔するケースも実際にあります。
そこで本記事では、静岡市の老人ホーム・介護施設の費用相場と選び方のポイントを、地域別の特徴や施設タイプの違い、失敗・成功事例を交えながら解説します。読み終えるころには、「どのエリアで・どんな種類の施設を・いくらぐらいで探せば良いか」のイメージが持てるはずです。
この記事でわかること
・静岡市(葵区・駿河区・清水区)ごとの老人ホームの特徴
・介護付き・住宅型・グループホーム・サ高住の違いと向き不向き
・静岡市の最新費用相場(入居金・月額)と全国平均との比較
・見学・契約前に必ず確認したいチェックポイント
・静岡市で施設探しを進める具体的なステップ
私は、全国平均を上回る高齢化率が約29%(2025年現在)の静岡市で、老人ホーム・介護施設を探すお手伝いをしている相談員です。
急性期病院のHCU・重症心身障害児施設・介護施設管理者を経て、現在は在宅医療クリニックの事務長として、医療・介護・施設紹介の現場を横断的に見てきました。
様々な情報を集めても、国の制度や施設ごとのルールが違うため結局悩んでしまう方がほとんどです。迷ったときは、まずはケアマネジャーや病院の相談員、もしくは私に相談してみると、インターネット検索だけでは分からない “生の情報” が手に入るかもしれません。
静岡市の地域別に見る老人ホームの特徴

静岡市で老人ホームを選ぶときは、葵区・駿河区・清水区のどこを中心に探すかで、費用感や医療体制、生活環境が変わります。まずはエリアごとの特徴を把握しておくと、候補をぐっと絞りやすくなります。
葵区の特徴
葵区は静岡市の中心部であり、行政機関や総合病院が多く立地しています。
そのため、医療との連携が強い老人ホームが集まっているのが特徴です。
市街地にあるため交通アクセスが良く、遠方に住む家族が面会に訪れやすい利点もあります。
駿河区の特徴
駿河区は住宅地と商業施設がバランスよく存在するエリアで、比較的落ち着いた環境の中で生活できる老人ホームが多いです。
公園や自然に近い施設もあり、「静かで暮らしやすい場所で過ごしたい」というニーズに合致します。
清水区の特徴
清水区は港町として知られ、地域密着型の老人ホームが多いエリアです。
比較的費用が抑えられる施設が多いことも魅力で、地元の高齢者が入居するケースが目立ちます。
全国との比較(文章補足)
静岡市の老人ホーム費用は、全国平均と比べてやや抑えめです。
- 全国平均:入居一時金 約466万円、月額費用 約20万円
- 静岡市:入居一時金 平均73万円(中央値10万円)、月額費用 約16万円(中央値14万円)
この差からも分かるように、静岡市は費用を抑えつつ多様な施設選択が可能なエリアといえます。
ただし、中心部(葵区)は高め、清水区は抑えめなどエリア差があるため、「どの区で探すか」を最初に決めておくことをおすすめします。
※ 入居一時金:全国 約466万円 / 静岡市 約73万円、月額費用:全国 約20万円 / 静岡市 約16万円(目安)
なお、都心部には入居一時金が非常に高い「高級老人ホーム」も多く、それによって全国平均が押し上げられている印象があります。静岡市は「ほどよい価格帯で必要なサービスを選べる」エリアと考えて良いでしょう。


静岡市にある介護施設の種類と特徴

「老人ホーム」と一言でいっても、一律ではありません。静岡市には主に以下のような施設があり、要介護度・認知症の有無・予算・生活スタイルによって向き不向きが変わります。
介護付き有料老人ホーム
介護スタッフが常駐し、食事・入浴・排泄介助などが受けられる施設です。
認知症や要介護度が高い方、医療的ケアが継続的に必要な方に向いています。
メリット:医療・介護体制が整っており、重度化しても住み続けられる施設が多い
デメリット:入居金・月額ともに負担が大きくなりやすい
住宅型有料老人ホーム
住宅としての機能が中心で、介護サービスは外部の訪問介護などを利用するスタイルです。
比較的自立した高齢者や、「見守り中心で自由度を保ちたい」方に向いています。
メリット:入居金ゼロ円の施設も多く、生活の自由度が高い
デメリット:要介護度が上がると外部サービス利用分の費用が膨らみやすい
グループホーム(認知症対応型)
認知症の方が小規模な環境で共同生活を送る施設です。家庭的な雰囲気で、少人数での手厚い認知症ケアが特徴です。
メリット:認知症ケアに強く、本人のペースを尊重した生活がしやすい
デメリット:入居条件あり(認知症+要支援2以上など)。定員が少ないため空き待ちになることも。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
バリアフリー設計の賃貸住宅で、見守りサービスや生活相談などの基本サービスが付いている住まいです。必要に応じて外部の介護サービスを利用します。
メリット:自宅に近い感覚で暮らせる、比較的安価で入居しやすい
デメリット:医療・介護が必要になったときは外部サービス頼みになり、支援が不十分に感じることもある
施設の種類まとめ
「どの種類が良いのか分からない…」という方は、いきなり1つに絞る必要はありません。条件を整理しながら、複数タイプを並行して検討するのが現実的です。


静岡市の老人ホーム費用相場(2025年最新)

静岡市の老人ホーム費用は、施設タイプや場所によって大きく異なりますが、「大体いくらくらいかかるのか」を把握しておくと、予算の目安が立てやすくなります。
- 入居一時金:平均73.3万円、中央値10.3万円
- 月額費用:平均16.4万円、中央値14.3万円
(出典:みんなの介護・ケアスル介護など、複数サイトの調査データより)
あくまで平均値ですが、「入居時に数十万円」「毎月15〜17万円前後」をひとつの目安として考えておくと、家計全体のイメージがつかみやすくなります。
施設タイプ別の相場(静岡市)
- 介護付き有料老人ホーム:入居金 数十万〜数百万円、月額18〜22万円前後
- 住宅型有料老人ホーム:入居金 ゼロ〜20万円、月額14〜20万円前後
- グループホーム:入居金 0〜50万円、月額13〜15万円前後
- サ高住:敷金 1〜2ヶ月分程度、月額12〜14万円前後
👉 静岡市は全国平均(月額16.9万円前後)と比べると、やや費用を抑えやすい傾向があります。とはいえ、食費・医療費・おむつ代・オプションサービスなどが別途必要になるため、「月額+2〜3万円」程度の余裕を見ておくと安心です。
| 施設タイプ | 入居一時金の目安 | 月額費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 介護付き有料老人ホーム 介護体制充実 | 数十万〜数百万円 | 18〜22万円前後 | 看護・介護が手厚く、重度化にも対応しやすいが費用は高め。 |
| 住宅型有料老人ホーム | 0〜20万円 | 14〜16万円前後 | 自由度が高い。介護は外部サービス利用で、要介護度上昇時は費用増に注意。 |
| グループホーム 認知症対応 | 0〜50万円 | 13〜15万円前後 | 少人数・家庭的。認知症ケアに強いが入居条件あり。 |
| サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 敷金1〜2か月分 | 12〜14万円前後 | 賃貸住宅型で自立度が高い方向け。医療・介護が必要になると外部連携前提。 |
※ 表示金額は目安です。食費・医療費・おむつ代・レクリエーション費など、別途費用が発生する場合があります。
老人ホーム選びで失敗しないためのチェックポイント

費用はとても大事ですが、費用だけで選ぶと失敗しやすいのも老人ホーム選びの難しさです。ここでは、実際の現場で後悔が多いポイントを踏まえて、必ず確認しておきたい視点を整理します。
費用以外で確認すべきこと
- 医療体制:協力病院との連携状況、看護師の常勤有無、夜間の対応
- 認知症ケア:専門スタッフの配置や研修体制、BPSD(徘徊・暴言など)への対応方針
- スタッフ比率:利用者と職員の人数バランス、夜勤体制
- 看取り対応:最期まで施設で過ごせるか、どのような体制で看取りをしているか
看護師がいるかいないかによって、施設で出来る医療行為が大きく変わってきます。
また、終身での利用を考えている方は、「看取り対応の有無」「看取り実績」も必ず確認しておきましょう。
見学時のチェックリスト
- 食事の内容や雰囲気(試食が可能か、メニュー表の内容)
- 清掃や設備の清潔感(臭い・共有スペースの使われ方)
- スタッフの対応(入居者への声かけや表情、名前で呼んでいるか)
- 入居者の様子(表情・服装・爪・髪型などの身なり)
見学時には、建物の新しさだけでなく、「日常の空気感」を意識して見てみてください。
築年数は経っていても、清掃が行き届き、入居者の表情が穏やかな施設は多くあります。
施設の新しさだけで判断せず、これまで積み重ねてきたケアの質や、職員の関わり方にも注目してみましょう。
契約前に確認すべきポイント
- 退去条件(入院が長引いた場合や、医療ニーズが高まった場合など)
- 追加費用の有無(光熱費・医療費・オムツ代・レクリエーション費・付き添い費用など)
- 介護度が変わったときの料金体系(段階制かどうか)
「施設に入居して過ごしていたが、入院したのをきっかけに一時退去を迫られた」という話もあります。
本来は入院を理由に施設側が一方的に退去させることはできませんが、空き部屋を待っている人がいる現状を考えると、施設側としても悩ましいところです。
入院→一時退去→再度入居という流れで柔軟に調整してくれる施設もあります。
入居前の段階で、「長期入院になった場合の対応」は、お互いのためにも必ず確認しておきましょう。
チェックリスト
老人ホーム・介護施設 見学チェックリスト
ℹ️基本情報・契約条件
- 月額費用(家賃・食費・管理費・その他)
- 入居一時金や敷金の有無と返還条件
- 契約形態(終身利用型・定期利用型など)
- 退去条件と手続き方法
⚕️医療・介護体制
- 提携医療機関の有無と診療頻度
- 看護師の配置(看護師1人あたりの利用者数)
- 夜間の医療対応(オンコール体制・緊急搬送先)
- 介護職員の配置(介護職員1人あたりの利用者数)
- 夜勤職員の人数と配置時間
🏠生活環境
- 居室の広さ・設備(トイレ・洗面・収納)
- 共用スペース(食堂・浴室・談話室)の清掃状況
- 食事の内容と提供時間(試食の可否)
- 入浴回数や時間帯の柔軟性
🪅サービス内容
- レクリエーションや外出イベントの頻度
- 個別対応の可否(食事形態・介護方法の調整など)
- 生活支援サービス(掃除・洗濯・買い物代行)
- 家族の面会ルール(時間・予約方法)
🦺安全・安心面
- 防災設備(スプリンクラー・避難経路)
- 認知症対応の経験・実績
- 転倒・誤嚥など事故発生時の対応フロー
- 他入居者や職員の雰囲気(挨拶やコミュニケーションの様子)
「一人で見学に行くのが不安」「何を見ればいいか分からない」という方は、当サイトのお問い合わせページからお気軽にご相談ください。一緒に見学へ同行し、ポイントを解説することも可能です。
施設の選び方については、この記事も参考にしてみてください。



施設選びの失敗事例と成功事例

ここからは、実際にあった「失敗事例」と「成功事例」を簡単に紹介します。具体例としてイメージしていただくことで、ご家族の施設選びで同じ失敗を避けるヒントにしていただければと思います。
失敗事例1|費用だけで決めて後悔
月額費用が安いことだけを基準に決めた結果、介護体制が十分でなく、外部サービスやオプション費用がかさみ、結果的に総額は想定以上に高くなってしまったケースです。
加えて、職員数が少なく、夜間の対応に不安があり、家族が毎日心配で眠れなくなってしまったという相談もありました。
失敗事例2|見学を省いてしまったケース
パンフレットや写真、インターネット上の口コミだけで判断して入居を決めたものの、実際には食事の雰囲気やスタッフの対応が家族のイメージと合わず、早期退去に至ったケースです。
「忙しくて見学の時間が取れなかった」「紹介会社から強めに勧められて流されてしまった」という背景もよく聞かれます。
成功事例1|複数施設を見学し比較
3つの施設を見学して比較し、スタッフの対応・入居者の表情・生活の雰囲気をチェックしたご家族の例です。
費用はやや高めでしたが、本人・家族ともに納得して入居でき、入居後も「相談しやすい」「安心して任せられる」と満足度が高い結果になりました。
成功事例2|ケアマネジャーに相談
ケアマネジャーと一緒に条件を整理し、「希望エリア」「予算」「医療ニーズ」「本人の性格」などを明確にしたうえで候補を絞ったケースです。
結果として、入居後の生活イメージと実際の暮らしのギャップが少なく、本人もご家族も落ち着いて過ごせています。
施設選びに正解はありませんが、「複数比較」「専門職への相談」の2つを押さえることで、満足度は大きく変わります。
静岡市で施設を探すときの具体的ステップ

静岡市で老人ホーム・介護施設を探すときの基本的な流れは、次の4ステップです。
- ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談する
- 複数施設の資料を取り寄せ、条件を整理する
- 実際に見学し、チェックリストを使って比較する
- 契約条件・費用を確認し、家族で最終判断する
ざっくり言うと、相談 → 施設情報を確認 → 見学 → 入居という流れになります。
ここで難しいのが、ケアマネジャーがどこまで施設探しに関わってくれるかが、担当者によって大きく異なることです。
それでも、在宅での生活状況やご本人の性格を一番よく知っているのはケアマネジャーです。
私たちが施設紹介をする際にも、現状の確認をケアマネジャーに行うことが多いため、まずは一度相談してみることを強くおすすめします。



よくある質問(FAQ形式)

- 静岡市の老人ホームの月額費用相場はいくらくらいですか?
-
調査データの平均では月額約16万円、中央値で約14万円前後が目安です。施設タイプや立地、介護度によって変動するため、個別に見積もりを取りつつ「月額+2〜3万円」の余裕を持って計画すると安心です。
- 入居金ゼロ円の老人ホームはデメリットがありますか?
-
入居金ゼロ円自体は悪いことではありませんが、その分月額費用が高めに設定されているケースがあります。短期利用ならメリットが大きい一方、長期利用では総額が高くなることもあるため、トータル費用で比較することが大切です。
- 認知症の親にはグループホームと介護付き有料老人ホームのどちらが向いていますか?
-
少人数で家庭的な環境を重視するならグループホームが向いています。一方で、医療ニーズが高い場合や、重度化に備えたい場合は、看護師常駐の介護付き有料老人ホームも選択肢になります。認知症の症状や生活スタイルに合わせて検討しましょう。
- 施設見学では何を確認したらいいですか?
-
施設の清潔感、スタッフの表情や声かけ、入居者の様子、食事の内容と雰囲気、臭いの有無などを確認しましょう。また、入院時や看取り対応、追加費用の発生条件など、契約に関わる点も必ず質問しておくと安心です。
- 静岡市で施設探しをする際、まず誰に相談すべきですか?
-
すでに介護保険を利用している場合は、担当のケアマネジャーにまず相談するのがおすすめです。まだ介護認定を受けていない場合は、地域包括支援センターや病院の医療相談室、施設紹介の専門窓口などに相談してみましょう。
まとめ|静岡市で安心できる老人ホームを選ぶために

静岡市の老人ホームは、入居金が平均約73万円・中央値約10万円、月額費用は平均約16万円・中央値約14万円と、全国的に見ても比較的抑えやすい水準です。
ただし、費用だけでなく「医療体制」「認知症対応」「スタッフの質」「立地」なども重要な判断材料です。
資料請求や見学を通じて、親御さんの性格や生活リズムに合った施設を選ぶことが、入居後の満足度につながります。
👉 「静岡市で老人ホームを探したいけど、どこに相談すればいいか分からない」「忙しくて情報収集が追いつかない」という方は、ぜひ当サイトのお問い合わせページからお気軽にご相談ください。
医療・介護・施設運営に関わってきた経験をもとに、ご家族ごとの状況に合わせて無料でサポートいたします。

