糖尿病でも居酒屋は行ける!血糖値を上げないお酒選びとオーダー術

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会社の付き合いで飲み会を断れないけれど、血糖値の悪化が怖い……

お酒が唯一の楽しみなのに、HbA1cのためにずっと我慢するのは辛すぎる……

糖尿病の診断を受けると、居酒屋という場所がまるで「立ち入り禁止区域」のように感じられますよね。

しかし、看護師として救急や重症心身障害の医療現場で多くの患者さんと接し、現在も訪問診療クリニックの管理業務に携わる中で、私はある確信を持っています。

それは、「過度な我慢から隠れて飲み、結果的に重症化させてしまうパターン」が、治療を最も長引かせるということです。

実は、医学的に正しい知識といくつかのルールさえ守れば、糖尿病の方でも居酒屋を楽しむことは十分に可能です。

この記事では、医療現場のプロの視点から、血糖値スパイク(急上昇)を防ぎながらお酒の席をスマートに楽しむための「医学的に正しいオーダー術」を伝授します。

この記事の結論

  • お酒は糖質ゼロの「蒸留酒(ハイボール・焼酎)」を選ぶのが鉄則
  • 1日の飲酒量は「純アルコール20gまで」(厚生労働省指針)
  • おつまみは「食物繊維 ➡ タンパク質」の順番で糖吸収をブロック
  • シメのラーメンは厳禁!代わりに「温かい汁物」で肝臓をいたわる
  • 飲み会翌日は「糖質制限の宅配弁当」を活用して肝臓と膵臓を強制リセット
目次

【大前提】飲む前に知っておくべき「適正量」の真実

具体的なお酒の種類を選ぶ前に、まずは医学的に見た「飲酒量」のお話をさせてください。

「糖質ゼロのお酒なら、どれだけ飲んでも血糖値は上がらないんでしょ?」と思うかもしれませんが、それは危険な誤解です。

アルコールを過剰に摂取すると、肝臓はアルコールの分解にかかりきりになり、インスリンの働きが鈍くなる「インスリン抵抗性」の悪化を招きます。

✅厚生労働省が定める「節度ある適度な飲酒」

厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21(第二次)」では、通常のアルコール代謝能を有する日本人において、「1日平均純アルコールで約20g程度」を節度ある適度な飲酒量として定義しています。

純アルコール20gとは、具体的に居酒屋で注文するお酒の「どのくらいの量」に相当するのでしょうか。

以下の早見表で確認しておきましょう。

お酒の種類純アルコール20gの目安量
ビール中瓶1本(約500ml)
日本酒1合(約180ml)
ウイスキーダブル1杯(約60ml)/ ハイボール約2杯
焼酎(25度)グラス半分強(約100ml)/ 水割り・お茶割り約2杯
ワインワイングラス2杯弱(約200ml)

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「飲酒量の単位」を基に作成

居酒屋では、「ハイボールや焼酎のお茶割りをゆっくり2杯までが、翌日の血糖値と肝臓を守るための安全ラインであると覚えておきましょう。

ルール① お酒は「蒸留酒」一択!ビールは最初の一杯だけ

居酒屋メニューの中でどのお酒をチョイスするかは、翌朝の血糖値測定の数値を大きく左右します。

アルコール選びの鉄則は、糖質を含む「醸造酒(じょうぞうしゅ)」を避け、製造工程で糖質が取り除かれた「蒸留酒(じょうりゅうしゅ)」を選ぶことです。

推奨度お酒の種類医学的解説とオーダーのコツ
推奨(蒸留酒)ウイスキー
焼酎
ジン・ウォッカ
製造過程で糖質が除去されているため、基本的に糖質はゼロです。居酒屋では「ハイボール」「緑茶ハイ」「ウーロンハイ」「水割り」を選ぶのがベストな選択肢です。
注意(醸造酒)ビール
日本酒
ワイン
原料である麦や米などの糖質がそのまま残っています。特に日本酒や甘口ワインは糖度が非常に高いため注意が必要。付き合い上、どうしてもビールで乾杯する場合は「最初の一杯(グラス)だけ」にし、2杯目からは即ハイボールへ切り替えましょう。
NG(混成酒)梅酒
甘いサワー類
カクテル
カシスオレンジ、梅酒ロック、甘口のレモンサワーなどには、大量の砂糖や果糖ぶどう糖液糖が添加されています。これらは「お酒」というより「アルコール入り高糖質ジュース」です。血糖値が垂直上昇(スパイク)するため絶対避けてください。

⚠️ 「ノンアルコールだから安心」という落とし穴

最近人気のノンアルコール飲料ですが、「アルコールゼロだから血糖値も上がらない」と思い込むのは大変危険です。

アルコールを抜いた分、味を調整するために「糖質や水あめ」を添加している商品が少なくありません。

居酒屋でノンアルコールを頼む際や家飲みで常備する際は、必ずメニュー表やラベルの成分表示を確認し、「糖類ゼロ・糖質ゼロ」と明記されたものだけを選んでください

ルール② おつまみは「食物繊維」ファーストで血糖値をブロック

実は、お酒の種類以上に血糖値を左右するのが「一緒・後から食べるおつまみ」の選び方と順序です。

空腹状態でいきなりアルコールや炭水化物を流し込むと、胃から小腸への移行が急速に進み、食後血糖値が急激に跳ね上がる「血糖値スパイク」を引き起こします。

以下のステップを徹底し、胃の中で「糖の吸収を穏やかにするバリア」を作りましょう

STEP1:まずは「食物繊維」で強力なバリアを張る

着席して乾杯と同時に口にするべきは、野菜、キノコ、海藻類などの食物繊維です。

枝豆

食物繊維に加えて、アルコール分解を助ける良質なタンパク質やビタミンB1が豊富。最初の注文に必須です。

海藻サラダ

水溶性食物繊維が腸壁をコーティングし、後から入る糖質の吸収スピードを穏やかにします(※ドレッシングはノンオイルや塩・レモンを選ぶか、少なめにオーダーしましょう)。

冷やしトマト・たたききゅうり

低糖質かつ、リコピンやカリウムなどの健康成分がしっかり補給できます。

STEP2:メインは「高タンパク・低脂質」の肉・魚料理

食物繊維でお腹を落ち着かせたら、次は血糖値を上げにくいタンパク質源をしっかりと摂ります。

焼き鳥(塩)

タレには大量の砂糖とみりんが使われています。必ず「塩」を指定して注文してください。部位は砂肝やナンコツ、ササミが低脂肪でおすすめです。

お刺身の盛り合わせ

魚の良質な脂(DHA・EPA)は中性脂肪の低減にも役立ちます。醤油のつけすぎによる塩分過多には注意しましょう。

冷奴・だし巻き卵

居酒屋の卵料理で「厚焼き玉子」は甘い調味液が使われていることが多いですが、「だし巻き卵」なら低糖質です。

絶対に避けたい居酒屋の「糖質×脂質 爆弾メニュー」

以下のメニューは「高糖質+高脂質」の最悪の組み合わせです。

消化吸収に時間がかかり、夜間から翌朝にかけて血糖値を長時間高い状態に留めてしまいます。

ポテトサラダ・マカロニサラダ

ジャガイモやマカロニ(糖質)をマヨネーズ(脂質)で和えた高カロリー食品です。

フライドポテト・鶏の唐揚げ・天ぷら

衣(小麦粉・片栗粉)と食材自体の糖質が高い上、酸化した揚げ油は血管に深刻なダメージを与え、動脈硬化のリスクを跳ね上げます。

ピザ・お好み焼き・チヂミ

これらは完全に「主食(炭水化物)」です。同僚とシェアする場合でも、ひと口程度に留める強い意志を持ちましょう。

ルール③ 「シメのラーメン」が危険な医学的理由

お酒を飲んで楽しくなると、帰り道に無性に「シメのラーメン」や「お茶漬け」が食べたくなることはありませんか?

実はこれ、ただの食いしん坊ではなく、肝臓の働きによる医学的な体のメカニズムが関係しています。

なぜ飲酒後にラーメンが欲しくなるのか?

体内にアルコールが入ると、肝臓は有害物質であるアルコールの分解を最優先で行います。

すると、普段肝臓が行っている「グリコーゲンを分解して血液中に糖を送り出す働き(糖新生)」が一時的にストップしてしまいます。

結果として血液中の糖分が減り、脳が「低血糖だ!早く炭水化物(糖)を補給しろ!」という強い指令(錯覚)を出すのです。

ここで脳の命令に従い、本能のままに高糖質なラーメンや丼ものを食べてしまうと、体内で何が起きるでしょうか。

  1. アルコールの影響でインスリンが働きにくい状態の中、大量の糖質が流れ込み、血糖値が垂直に異常急上昇(スパイク)する。
  2. 飲酒後はすぐに就寝するため、摂取した膨大なエネルギーが一切消費されず、そのまま内臓脂肪として蓄積される。
  3. 夜間から朝方にかけて血糖値が下がらないため、翌朝の空腹時血糖値(暁現象)が劇的に悪化する。

シメがどうしても欲しくなった時は、炭水化物ではなく「温かいお味噌汁(シジミ汁やアオサ汁、あら汁)」を注文してください。

温かい水分と出汁の旨味で脳の満足中枢が満たされるだけでなく、シジミに含まれるオルニチンやアミノ酸が、過労状態にある肝臓の代謝を優しくサポートしてくれます。

医師

【重要】経口血糖降下薬・インスリン治療中の方へ

SU薬(スルホニル尿素薬)などの血糖を下げるお薬を内服している方や、インスリン注射を行っている方が飲酒すると、アルコールの糖新生抑制作用と薬の効き目が重なり、重篤な「低血糖発作(冷や汗、手足の震え、意識障害など)」を引き起こすリスクが極めて高くなります。

自己判断での飲酒は生命の危険を伴うため、必ず事前に主治医へ「飲酒の可否」「飲んだ際の薬の調整・補食のルール」を確認し、指示を絶対遵守してください。

飲み会の翌日は「低糖質弁当」で肝臓と膵臓を強制リセット!

どれだけ居酒屋でルールを守っても、アルコールの代謝とおつまみの消化によって、飲み会翌日の「肝臓」とインスリンを分泌する「膵臓」は疲労困憊の状態です。

糖尿病ケアを長く成功させる秘訣は、飲み会当日だけ頑張るのではなく、「翌日の食事を徹底的に糖質オフ&低塩分にして、臓器を休ませるリセット日を作る」ことにあります。

しかし、二日酔いや疲れが残る朝や夜に、「カロリーや塩分、糖質を厳密に計算した健康的な料理」を自炊するのは、現実的にかなりハードルが高いですよね。

無理をするとストレスが溜まり、結局コンビニ弁当やデリバリーに頼って血糖値を乱してしまう悪循環に陥ります。

私が訪問診療クリニックの患者さんたちにいつもアドバイスしているのは、『飲み会翌日のリセット食は、プロの冷凍宅配食をストックしておき、一切悩みも家事もせずレンジに丸投げする』というシステムを作ってしまうことです。

特に、糖尿病の血糖コントロールに悩む方に選ばれているのが、食事制限専門の健康宅配食サービス、ウェルネスダイニングです。

✅ウェルネスダイニングが「飲み会翌日の救世主」になる理由

  • 管理栄養士が全メニューを監修
    面倒な糖質・カロリー・塩分計算がゼロになり、電子レンジで温めるだけで完璧な制限食が完成。
  • 出汁を効かせた満足感のある味付け
    制限食にありがちな「薄味で物足りない」という悩みを解消。お酒で疲れた胃腸に優しい和風・洋風メニューが豊富。
  • 冷凍庫に長期保存できる安心感
    賞味期限が長いため、「飲み会が入った翌日用の常備薬」のような感覚で冷凍庫にストック可能。

「居酒屋で少しハメを外しても、翌日はこのお弁当を食べてリセットするから大丈夫!」という安心のルールを家庭内に持っておくだけで、罪悪感やストレスなく、心からお酒の席を楽しめるようになりますよ。

看護師

数値の管理が劇的に楽になると分かっても、「本当に自分に合うのか」「インスリンや薬に頼らない生活に近づけるのか」が気になりますよね。

そこで、糖尿病ケアにおいて絶対に失敗しない制限食の選び方とおすすめのシステムをさらに詳しく解説しました。

【看護師解説】HbA1cを下げる食事!インスリン回避の宅配食5選

お酒が好きな糖尿病の方からよくある質問

ハイボールなら、本当に何杯飲んでも血糖値は上がりませんか?

いいえ、何杯飲んでも良いわけではありません。ハイボールなどの蒸留酒自体には糖質が含まれないため直接的な血糖値上昇の原因にはなりませんが、アルコールを過剰摂取すると肝臓で代謝が優先され、インスリン抵抗性(インスリンの効きにくさ)が高まります。また、アルコールによる食欲増進でつまみを食べ過ぎる原因にもなるため、厚生労働省の指針通り「純アルコール20g(ハイボール約2杯)」を上限の目安にしてください。

お酒を飲んだ翌朝、逆に血糖値が下がって冷や汗が出ました。なぜですか?

アルコールを大量に摂取すると、肝臓がアルコールの分解に追われ、夜間に血液中へ糖を供給する仕組み(糖新生)が抑制されます。そのため、特に飲み会で炭水化物を摂らなかった場合や、血糖降下薬・インスリンを使用している場合は、翌朝や夜間に重篤な「低血糖」を起こすリスクがあります。冷や汗、手足の震え、動悸を感じたらすぐにブドウ糖を補給し、次回からの飲酒については必ず主治医にご相談ください。

居酒屋でお酒と一緒に仕込み水(チェイサー)を飲む効果はありますか?

極めて高い効果があります。お酒と同量〜2倍のお水(チェイサー)を交互に飲むことで、血中アルコール濃度の急激な上昇を防ぎ、肝臓への負担を大幅に軽減できます。また、胃が水分で膨らむことで過剰なアルコールや「シメのラーメン」への欲求を抑え、脱水による血栓予防にも繋がるため、最初の乾杯時に必ずお水も一緒に注文する習慣をつけましょう。

レモンサワーは健康的なイメージがありますが、糖尿病でも大丈夫ですか?

居酒屋の一般的な「レモンサワー」は注意が必要です。「生搾りレモンサワー(焼酎+炭酸水+生のレモン)」であれば糖質はほぼゼロですが、メニューにただ「レモンサワー」と書かれている場合、甘いレモンシロップや果糖ぶどう糖液糖がブレンドされた調味液が使われているケースが非常に多いです。注文する際は、甘みのない生搾りタイプか、「甘くないレモンサワーですか?」と店員に確認することをおすすめします。

まとめ:正しい知識があれば、糖尿病でも居酒屋は怖くない!

糖尿病の治療は、何年・何十年と続く長いマラソンのようなものです。

「あれもダメ、これもダメ」とすべてを我慢する苦行にしてしまうと、必ずどこかで心が折れてしまいます。

医学的に正しいルールを守った適度な息抜きこそが、治療を長く穏やかに続けていくための最良のエッセンスです。

✅本記事のおさらい(居酒屋でのお守りルール)

  1. お酒の適正量は「ハイボールやお茶割りなど蒸留酒を2杯程度(純アルコール20g)」まで。
  2. おつまみは「枝豆・海藻サラダ(食物繊維)」➡「焼き鳥塩・刺身(タンパク質)」の順番を徹底。
  3. シメのラーメンや丼ものは厳禁!脳の低血糖錯覚には「温かいお味噌汁」で対応する。
  4. 飲み会翌日は「糖質制限の宅配食」を活用し、疲れた臓器を賢くリセットする。

今夜の飲み会からは、もうメニュー選びで迷う必要はありません。

このルールをスマホのポケットに忍ばせて、安心して楽しい仲間たちとの乾杯に出かけてきてくださいね!

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この記事を書いた人

kawauchiのアバター kawauchi 看護師/訪問診療クリニック事務長/計画相談員

【病院・施設・在宅の全現場を熟知する、医療福祉の羅針盤】

看護師として重症心身障害・救命救急の現場を経験し、有料老人ホームの施設長や統括部長を経て、現在は訪問診療クリニックの事務長を務めています。

「臨床・経営・地域連携」という3つの異なる視点を持ち、これまで2,000件以上の相談に寄り添い、多職種連携の要として活動してきました。

私が発信するのは、制度論や綺麗事ではない「現場のリアル」です。病院・施設・在宅のすべてを責任ある立場で経験した専門家として、あなたとご家族が「後悔しない選択」をするための実践的な知恵をお届けします。

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