老人ホーム入所準備|靴選びで失敗しない!元施設長が教える転倒予防の3条件

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「入所の準備リストに『履きやすい上履き』とあるけれど、具体的にどんな靴を買えばいいの?」
「本人が履き慣れているスリッパを持たせようと思っているけれど、大丈夫?」

親御様の施設入所が決まると、書類作成や荷造りで目が回るような忙しさですよね。
その中で、意外とご家族を悩ませるのが「施設内で履く靴(上履き)」選びです。

看護師・元施設長として結論を申し上げます。

家にあるスリッパや、安易に選んだ運動靴を持たせるのは絶対に避けてください。

私は長年、医療・介護の現場に立ってきましたが、「体に合わない靴」が原因で入所直後に転倒し、そのまま骨折・寝たきりになってしまうケースをあまりにも多く見てきました。
たかが靴、されど靴。ここは「医療用具」を選ぶつもりで慎重になる必要があります。

この記事では、「施設スタッフにも感謝され、親御様の安全も守れる靴の選び方」と、私が自信を持っておすすめできる「準備すべき一足」をご紹介します。

これさえ読んでおけば、忙しい中で靴選びに迷う時間はゼロになります。

この記事はこんな方におすすめ

  • 施設から「かかとのある靴」を用意するよう言われた
  • 家にあるスリッパやサンダルではダメな理由を知りたい
  • 忙しくて店を回る時間がないため、プロ推奨の「間違いない靴」を知りたい
目次

なぜ施設では「スリッパ・サンダル」が禁止なのか?

多くの特別養護老人ホームや有料老人ホームでは、入所時の持ち物リストに「かかとのある靴(スリッパ不可)」と明記されています。これには、現場ならではの明確な理由があります。

理由①:「すり足歩行」による転倒リスクが激増する

高齢になると、足を持ち上げる「腸腰筋」などの筋力が低下し、どうしても「すり足」気味になります。
スリッパは構造上、足の指に力を入れて脱げないように歩く必要があるため、すり足の高齢者が履くとカーペットの縁やわずかな段差(数ミリ程度)で簡単につまずきます。

公的データが示す「家の中」の危険性

消費者庁のデータによると、高齢者の転倒事故の約半数が「住宅内」で発生しており、その多くが「滑りやすい履物」や「つまずき」が原因です。
一度の転倒で大腿骨を骨折し、そのまま車椅子生活になるリスクは、私たちが想像する以上に高いのです。

出典:消費者庁「高齢者の転倒・転落事故防止に関する実態調査」

理由②:緊急時の避難遅れ=命に関わる

万が一の火災や地震の際、脱げやすいスリッパでは迅速な避難ができません。
施設管理者の視点から言わせていただくと、「かかとのない靴」を入居者様が履いていることは、安全管理上、非常に怖いことなのです。

相談者

クロックス等の「サンダル」はどうですか?かかとにベルトがあれば大丈夫?

看護師

A. 基本的にNGです。
かかとにベルトがあるタイプでも、サンダル系は素材が柔らかすぎて足首を固定(ホールド)できません。リハビリや歩行の安定性を考えると、やはり施設生活には不向きです。

元施設長が教える「失敗しない介護シューズ」3つの絶対条件

では、ホームセンターや靴屋で何を選べばいいのでしょうか?
デザインや値段だけで選ぶと、結局「履かせにくい」「歩きにくい」と施設から買い替えを求められることもあります。見るべきポイントは以下の3点だけです。

✅STEP1:マジックテープで「ガバッと」開くこと

履き口が広く、足入れがスムーズなもの。紐靴やスリッポンは避けましょう。

✅STEP2:軽量で、つま先が少し反り上がっていること

つまずき防止の「トゥスプリング」設計になっているか確認します。

✅STEP3:かかとをしっかりホールドできること

「カウンター」と呼ばれるかかと部分に芯があり、踏んでも潰れない硬さがあるもの。

条件①:マジックテープで「ガバッと」開く

これが最も重要です。高齢者の足は、心不全や腎機能の低下、あるいは座りっぱなしの生活により、日によってむくみ(浮腫)が強く出ることがあります。
履き口が狭いスリッポンタイプだと、むくんだ足が入らないのです。

「舌(ベロ)」の部分が大きく開き、足をするっと入れられるタイプを選びましょう。

介護スタッフからも「〇〇さんの靴、履かせやすくて助かります!」と感謝されます。
スタッフの負担が減るということは、それだけ親御様へのケアに余裕が生まれるということです。

※基本的にはマジックテープを推奨しています。

条件②:つま先の「トゥスプリング」

専門用語で「トゥスプリング」と言いますが、靴のつま先部分が少しだけ上に反っている形状のものを選んでください。
このわずかな角度が、何もない床での「つまずき」を劇的に減らしてくれます。

条件③:かかとのホールド力(カウンター)

靴のかかと部分(カウンター)が柔らかすぎると、着地したときに足がグラグラして安定しません。
手で触ってみて、かかと部分にある程度の硬さと芯があるものを選びましょう。
これが歩行の安定性を生み、転倒を防ぎます。

【結論】迷ったらこれを準備!履きやすさと安全性を両立した「理想の一足」

「条件はわかったけど、お店を何軒も回りたくない」「ネット通販で失敗したくない」

そんな方に、私が現役時代からご家族によくおすすめしている、「これを選べば間違いない」というシューズをご紹介します。
マジックテープ式の靴を推奨していますが、この靴に出会ってからは(マジックテープ式ではない)この靴を推奨しています。

プロがおすすめする理由

  • 驚くほど軽い:筋力が落ちた高齢者でも足が上がりやすい軽量設計。
  • 履かせやすさ抜群:開口部が広く、むくんだ足でも楽々フィット。体重を乗せるだけで1秒で履けます。
  • 転倒予防設計:つま先の反りと、滑りにくい靴底で「ヒヤリ」を防ぐ。
  • おしゃれなデザイン:いかにも「介護用」という見た目ではなく、ご本人の自尊心を守ります。

施設入所の準備品として、まさに「最適解」と言える一足です。

【公式】在庫・サイズを確認する > ※人気商品のため、入所日に間に合うようお急ぎください

※サイズ交換の可否や詳細なスペックは公式サイトをご確認ください。
※施設によっては色の指定がある場合もありますので、事前に確認しておくと安心です。

マジックテープ式もご紹介

足がパンパンに浮腫んでいたり、靴を履くが歩かない(車椅子移動)という方は、マジックテープ式の方がおすすめです。

男性用と女性用、各サイズが揃っていて柔らかい生地で作られているため、足が浮腫んで皮膚が弱くなっている方にもおすすめです。

スクロールできます

入所準備の豆知識:名前書きとメンテナンス

最後に、施設側が「ご家族にやっておいてほしいこと」をお伝えします。入所当日の手続きをスムーズにするためのポイントです。

名前は「かかと」と「ベロの裏」に

かかとの外側 下駄箱に入れた時にパッと見える位置です。
似たような靴が並ぶ施設では必須です。 ベロ(甲)の裏側 プライバシーが気になる場合はここへ。

スタッフが履かせるときに必ず目にする場所なので、取り違え防止に効果的です。

室内用と外履きは分けるべき?

まずは「室内用」を最優先で準備してください。
施設生活の9割は室内です。面会や通院で外に出る機会が増えてから外履きを用意しても遅くありません。

今回ご紹介したようなしっかりした靴底のタイプなら、短時間の外出にも対応できることが多いので、まずは「室内での転倒予防」にお金をかけましょう。

これから毎月の施設費用も発生するため、資金面の不安を感じていませんか?

「入所準備、意外とお金がかかるな…」
もし、入所後に空き家になるご実家があるなら、それを「介護資金」に変える賢い方法があります。

▶︎親の施設費用、年金だけでは無理?「誰も住まない実家」を賢く現金化して介護破産を防ぐ全手順

施設入所時の靴に関するよくある質問

普通の運動靴(スニーカー)ではダメですか?

紐靴はほどけた時に踏んで転倒するリスクがあり、ご自身で結び直すのが難しいためNGとされることが多いです。

靴はどこで買うのがおすすめですか?

ホームセンターにも一部置いてありますが、種類やサイズが限られることが多いです。介護用品専門店に行くか、サイズ交換に対応しているネット通販を利用するのが効率的です。

入所時は何足必要ですか?

基本は「上履き(室内用)」1足で大丈夫です。洗い替え用にもう1足あると安心ですが、まずは様子を見てから買い足しても遅くありません。外履きは外出の頻度が増えてから用意しましょう。

100円ショップの介護スリッパはどうですか?

一時的な入院ならともかく、生活の場である施設には不向きです。耐久性が低く、かかとのホールド力も弱いため、長期的な安全性を考えると専用のシューズをおすすめします。

むくみがあるときは、大きめのサイズを買ったほうがいいですか?

基本的には「ジャストサイズ」を選び、調整機能で対応するのが正解です。 「大は小を兼ねる」で大きすぎる靴を選ぶと、足が靴の中で滑って転倒の原因になります。マジックテープ式なら甲の高さや幅を調整できるため、基本は足の長さに合ったサイズを選び、むくみの変動にはテープの締め具合で対応するようにしましょう。

汚れたら洗濯機で洗っても大丈夫ですか?

素材によりますが、型崩れ防止のため「手洗い」が推奨されることが多いです。 多くの介護シューズは丸洗い可能ですが、洗濯機を使うとマジックテープが弱くなったり、型崩れして機能が落ちたりする可能性があります。中性洗剤とブラシで手洗いし、陰干しするのが長持ちさせるコツです。ただし、施設によってはクリーニングに出してくれる場合もあるので確認してみてください。

まとめ:靴選びは「親御様の安全」への投資です

施設入所に向けた靴選びは、単なる日用品の購入ではありません。「歩行」という人間にとって最も基本的な機能を守るための投資です。

  • スリッパ・サンダルは転倒の元なので避ける
  • 「マジックテープ」「つま先の反り」「かかとの硬さ」の3点をチェック
  • 迷ったら、介護シューズとして設計された専用品を選ぶ

適切な靴を選ぶことで、親御様の転倒リスクを減らし、施設スタッフにも喜ばれ、結果として親御様が快適に過ごせるようになります。
入所準備は大変かと思いますが、足元の安全だけはしっかりと確保してあげてくださいね。

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kawauchi
看護師/訪問診療クリニック事務長/計画相談員
私は、看護師として重症心身障害病棟・救命救急HCUに従事した後、有料老人ホームの管理者・看護部長・福祉事業部統括として、入居者の生活と医療連携の現場に携わってきました。

現在は、訪問診療クリニックの事務長として在宅医療の運営に関わると同時に、計画相談員・医療福祉コンサルタントとして、東海エリアを中心に施設紹介・身元保証・医療介護連携の支援を行っています。

病院・施設・在宅という立場の異なる現場をすべて経験してきたからこそわかる、制度論だけではない「現場のリアル」や「家族が直面する苦悩」を踏まえた発信を大切にしています。

このブログでは、現場経験に基づく実践的な情報を軸に、後悔しない選択のための情報を発信しています。
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