「焼肉に行きたいけど、あの濃いタレが血圧に悪いのは分かっている……」
「付き合いで焼肉に行くことになったけれど、何をどう食べればいいの?」
結論
- タレは「塩分爆弾」。マイ塩とレモンで食べるのが鉄則。
- 肉の前に「サンチュ・サラダ」を食べて排塩ポンプを稼働させる。
- 「タン塩」は要注意。下味の塩ダレが濃い場合が多い。
- 翌日は「カリウム豊富な食事」でむくみを解消する。
高血圧と診断されると、外食、特に焼肉は「禁忌」のように感じるかもしれません。
確かに、甘辛いタレと脂たっぷりの肉は、何もしなければ血管に負担をかけます。
しかし、現役看護師として断言します。
ルールさえ守れば、焼肉は高タンパクで代謝を上げ、ストレスを発散させる「良質な食事」になり得ます。
重要なのは「何を食べるか」よりも「どう食べるか」です。
この記事では、血圧を上げずに焼肉を楽しむための「看護師流・3つの防衛術」と、翌日のリセット方法について解説します。
鉄則① 「タレ」は封印!酸味と香辛料で食べる
焼肉で最も警戒すべきは、お肉そのものではなく「つけダレ」です。
タレにどれほどの塩分が含まれているか知っていますか?
一般的な焼肉のタレは、大さじ1杯で約1.0g〜1.5gの塩分を含みます。
肉をドボンと浸して食べると、1回の食事で簡単に塩分5g以上(ほぼ1日分)を摂取してしまいます。
これにご飯やスープが加わると、完全に許容量オーバーです。
これが正解!「塩分ほぼゼロ」の薬味活用術
では、どうすれば美味しく食べられるのか。
私が推奨しているのは、以下の「塩分ほぼゼロ」の薬味を活用するスタイルです。
✅レモン汁・お酢は最強のパートナーです。
酸味で味覚を刺激することで、塩気がなくても満足感を得られます。
お酢には血管拡張作用も期待できます。
✅わさび・おろしニンニク:これらは塩分を含みません(チューブ製品の一部を除く)。
ガツンとした香りで、肉の脂っこさを中和してくれます。
✅コショウ・一味唐辛子:スパイスの刺激で代謝を上げつつ、塩分なしで味にアクセントをつけられます。
プロの裏技:「マイ塩」を少量使う
お店の「塩ダレ」は塩分過多ですが、自分で振る「塩」なら調整可能です。
小皿にほんの少しだけ塩を出し、レモン汁に溶かして「特製塩レモン」を作ってください。
これなら塩分0.5g以下で美味しく食べられます。
鉄則② 「サンチュ」で巻いて塩分を追い出す
ここが腎臓病の方との決定的な違いです。
腎機能に問題がない(医師からカリウム制限を受けていない)高血圧の方にとって、野菜は「天然の降圧剤」です。
カリウムの「拮抗作用」を利用する
野菜に含まれる「カリウム」には、体内の余分なナトリウム(塩分)を吸着し、尿として排出させる強力な働きがあります。
「肉だけ」は自殺行為です。
必ず人数分のサンチュと、ドレッシング別添えのサラダを注文します。
必ず肉をサンチュで巻いて食べます。
これで物理的にお腹が膨れ、肉の食べ過ぎも防げます。
野菜だからといって、キムチやナムルを大量に食べるのはNG。
これらは「塩漬け」であり、塩分の塊です。あくまで「生野菜」か「焼き野菜」を選びましょう。
※腎機能の低下(クレアチニン値が高い等)を指摘されている場合は、逆にカリウム制限が必要です。腎臓病の方のための「ホルモン禁止」の理由と安全な食べ方はこちらをご覧ください。

鉄則③ 部位選びの罠!「タン塩」に騙されない
「ヘルシーそうだからタン塩にする」
実はこれ、高血圧の方にとっては大きな落とし穴です。
| 推奨度 | 部位・メニュー | 理由・注意点 |
|---|---|---|
| ◎ 推奨 | ハラミ ロース ヒレ | 赤身肉は肉本来の旨味が強く、少量の塩やワサビでも美味しく食べられます。 「タレなし」で注文し、自分で味付けするのがベストです。 |
| △ 注意 | タン塩 ネギタン塩 | ここが盲点! お店のタン塩は、あらかじめ「濃い塩ダレ」で揉み込まれていることが多く、1皿でかなりの塩分量になります。 注文時に「塩ダレ薄め」か「味付けなし」が可能か聞いてみましょう。 |
| × NG | ホルモン クッパ・冷麺 | ホルモンは臭み消しのための味噌ダレが濃厚です。 また、シメのクッパや冷麺のスープは塩分の宝庫。 シメるなら「一口サイズのアイス」か「温かいお茶」にしましょう。 |
血圧だけでなく「血糖値」も気になる方は要チェック。糖尿病でも焼肉を楽しむための「3つの掟」と部位選びもあわせて参考にしてください。

翌日は「完全減塩」で血管を休ませる
どんなに気をつけても、外食では見えない塩分(下味など)を摂取してしまいます。
翌朝、顔や指がむくんでいませんか? それは体が「体内の塩分濃度を下げるために水を溜め込んでいる」サインであり、血圧が上昇しやすい状態です。
48時間以内の「帳尻合わせ」が勝負
焼肉を楽しんだ後の2〜3食は、「塩分リセット期間」と割り切りましょう。
水をこまめに飲み、余分な塩分を尿として出し切る必要があります。そして食事は「塩分2g以下」を徹底します。
しかし、家庭料理で「塩分2g以下」かつ「ご飯が進む味」を作るのは、栄養計算のプロでも至難の業です。
味が薄すぎてストレスが溜まり、結局また濃い味を求めてしまう……というリバウンドが一番危険です。
管理栄養士が設計したお弁当なら、出汁やスパイスを駆使して「塩分2g以下とは思えない満足感」を実現しています。
以下の記事で、実際に私が実食して「これなら続けられる」と確信した、高血圧の方向けの美味しいお弁当をランキングで紹介しています。
「昨日は焼肉だったから、今日はこれ!」と切り替えられる準備をしておくことが、健康寿命を延ばす賢い選択です。

まとめ:野菜で巻けば、焼肉は怖くない
- タレは使わず、レモン・ワサビ・少量のマイ塩で食べる。
- 「肉1枚につきサンチュ1枚」でカリウム摂取を徹底する。
- タン塩やキムチ、シメのスープに含まれる「隠れ塩分」に注意。
- 翌日は「減塩弁当」でむくみと血圧をリセットする。
「高血圧だから何も食べられない」と悲観する必要はありません。
正しい知識という「武器」を持っていれば、焼肉も美味しく安全に楽しめます。
メリハリのある食生活で、血圧コントロールを続けていきましょう。

