「健康診断で悪玉(LDL)コレステロールが高いと言われた……」
「お寿司が大好きだけど、イクラや卵、ウニは我慢しないといけないの?」
脂質異常症(高脂血症)と診断されると、大好きな外食も心から楽しめなくなってしまいますよね。
特に回転寿司は、「魚卵」や「脂の乗ったネタ」の誘惑が多く、行くのをためらっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、現役で医療現場に携わる私から一つお伝えしたいことがあります。
実は、最新のデータでは「食事中のコレステロール量」よりも気にすべき「真犯人」の存在が明らかになっています。
この記事では、看護師としての知識と経験をもとに、血管を守りながらお寿司を楽しむための「ネタ選びの新常識」と、数値を悪化させないための「食べ方のコツ」を徹底解説します。
この記事でわかること
- 最新栄養学における「卵・魚卵」の正しい扱い方
- 看護師が絶対に選ばない「血管を汚すNGネタ」
- 中性脂肪を下げる「青魚」と「食べる順番」の裏技
- 食べ過ぎた翌日の「帳消しリセット術」
新常識:「卵・魚卵」は絶対禁止ではない
まず、多くの方が抱いている誤解を解きましょう。
かつては「卵は1日1個まで」「イクラやウニ、エビ、イカなどのコレステロールが高い食品は控えるべき」と指導されていました。
しかし、現在この常識は変わりつつあります。
厚労省が「摂取上限」を撤廃した理由
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、コレステロールの摂取目標量(上限)は設定されていません。
なぜ上限がなくなったの?
体内のコレステロールの約8割は肝臓などで合成されており、食事から摂取されるのは残りの2割程度に過ぎないからです。食事制限をしても、血中コレステロール値への影響は限定的であることが分かっています。
つまり、健康な人や軽度の脂質異常症の方であれば、お寿司の卵やイクラを過剰に怖がる必要はないのです。
※ただし「重症化予防」なら注意が必要
ここで一つ、医療従事者として補足させてください。
上限が撤廃されたとはいえ、日本動脈硬化学会のガイドラインでは、高LDLコレステロール血症の重症化予防を目的とする場合、コレステロール摂取を「1日200mg未満」に抑えることが推奨されています。
「絶対に食べてはいけない」わけではありませんが、数値が高い方や薬を服用中の方は、「魚卵系は1回の食事で1皿まで」といったマイルールを設けるのが賢明です。

真犯人は「飽和脂肪酸」と「酸化油」
「じゃあ、コレステロール以外で何を避ければいいの?」
その答えは、LDL(悪玉)コレステロールを直接的に増やし、血液をドロドロにする「飽和脂肪酸」です。
回転寿司において、避けるべき(=飽和脂肪酸が多い)メニューを具体的に挙げます。
看護師が避ける「NG寿司」3選
- マヨネーズ系軍艦
ツナマヨ、コーンマヨ、サラダ軍艦など。マヨネーズは「油の塊」です。カロリーも高く、中性脂肪を押し上げる要因になります。 - 揚げ物・天ぷら寿司
エビ天寿司、フライドポテト、唐揚げなど。時間が経って酸化した油は血管内皮細胞を傷つけ、動脈硬化を進行させます。 - 脂の乗りすぎた「肉系」や「炙りチーズ」
ハンバーグ寿司や炙りチーズサーモンなどは、魚の脂(不飽和脂肪酸)ではなく、動物性脂肪(飽和脂肪酸)の塊です。
これらは「お寿司」というよりも「ファストフード」に近いメニューです。
脂質異常症の方は、これらを避けるだけでも数値改善に大きく近づきます。
血管を掃除する「青魚」を選ぼう
脂質異常症の方にとって、お寿司は「我慢する場所」ではなく、むしろ「血液をサラサラにするメンテナンスの場所」に変えることができます。
積極的に選ぶべきネタをランキング形式で紹介します。
| 判定 | ネタの種類 | 理由・解説 |
|---|---|---|
| ◎ 推奨 | イワシ・アジ サバ・サンマ | 「青魚」は食べる薬です。 脂に含まれるEPA・DHA(n-3系脂肪酸)には、中性脂肪を減らし、血液をサラサラにする強力な効果があります。サプリを飲むより、青魚のお寿司を3皿食べましょう。 |
| ○ OK | イカ・タコ エビ・貝類 | これらはコレステロールを含みますが、同時に排出を助ける「タウリン」も豊富です。 低脂肪・高タンパクなので、代謝を上げたい脂質異常症の方には優秀な食材です。 |
| △ 注意 | 大トロ ブリトロ | 魚の脂は体に良いですが、トロの部分はカロリー過多になりがち。 中性脂肪が高い方は、赤身を選ぶか、トロは1皿だけに留めましょう。 |
数値を上げないための「実践テクニック」
ネタ選びと同じくらい大切なのが、「食べ方」です。
血糖値の急上昇(インスリンの過剰分泌)は、余った糖を中性脂肪に変えてしまいます。
回転寿司では以下の3ステップを意識してください。
最初に温かい汁物を入れましょう。あおさ(海藻)の水溶性食物繊維は、糖や脂質の吸収を穏やかにします。
茶碗蒸しも高タンパクで満足感があり、食べ過ぎ防止に役立ちます。
多くのお店で導入されている「シャリハーフ」や「シャリ小」。
中性脂肪の原料となる「糖質」をカットできる最強の機能です。
ネタの味は変わらないので、積極的に利用しましょう。
回転寿司にある粉末緑茶には「カテキン」が豊富に含まれています。
カテキンにはコレステロールの吸収を抑える働きが期待できるので、食事中にこまめに飲みましょう。
食べすぎた翌日は「脂質オフ」でリセットすればOK
いくら体に良い魚でも、食べすぎればカロリーオーバーになり、余ったエネルギーは中性脂肪として蓄積されます。
「今日はちょっとトロを食べすぎたかな……」という日があっても、落ち込む必要はありません。
とはいえ、自分で「脂質だけを抑えた美味しい食事」を用意するのは、献立を考えるだけでもストレスですよね。
そんな時に活躍するのが、脂質制限に対応した「制限食の宅配サービス」です。
管理栄養士が計算したお弁当なら、脂質を10g以下に抑えつつ、必要なタンパク質やビタミンはしっかり摂れます。
以下の記事で、脂質が気になる方におすすめの「揚げ物もOKなのに低脂質な宅配食」などをランキング形式で紹介しています。
「外食を楽しんだ後のリセット食」として冷凍庫にストックしておけば、罪悪感なく安心してお寿司を楽しめます。

まとめ:青魚と賢い食べ方で血管ケアをしよう
最後に、脂質異常症の方が回転寿司を楽しむためのポイントをまとめます。
今回の重要ポイント
- 卵や魚卵は、重症でなければ過剰に恐れなくていい。
- 真の敵は「マヨネーズ」「揚げ物」「動物性油脂」。
- 「青魚(イワシ・アジ)」を食べることは、血管ケアそのもの。
- 「シャリハーフ」と「あおさ汁」で血糖値と中性脂肪をガード。
- 食べ過ぎたら翌日の食事で脂質をリセットする。
正しい知識を持てば、回転寿司はあなたの健康を害する場所ではなく、健康づくりの味方になります。
美味しく食べて、ストレスなく数値をコントロールしていきましょう。

