「担当のケアマネジャーさん、どうしてもウマが合わない…」
「要望を伝えても『それは無理』と否定されてばかりで、相談するのが憂鬱」
そんなモヤモヤを抱えながらも、「お世話になっているから言い出しにくい」「変えたら親がいじめられるんじゃないか」と我慢していませんか?
元有料老人ホーム施設長、現在は在宅医療クリニックで事務長をしている私から断言させてください。
ケアマネジャーは、合わなければ即座に変えても大丈夫です。
むしろ、信頼関係がないままケアプランを任せ続ける方が、親御さんの生活にとって大きなリスクになります。
現場を知る立場から言うと、ケアマネジャーの変更は日常茶飯事であり、珍しいことではありません。
この記事では、波風を立てずに担当者を変更する「プロ直伝の手順」と、気まずくならない「大人の断り方」を伝授します。
この記事の結論
- ケアマネ変更は利用者の正当な権利。遠慮は一切不要。
- 自分で言わなくてOK。新しい事業所に連絡を代行してもらうのが定石。
- 断る理由は「親戚の付き合い」など、相手が諦めざるを得ない嘘をつくのが大人のマナー。
我慢しなくてOK!ケアマネジャーを変更すべき「危険信号」
介護保険法において、利用者は自由に事業者を選択・変更できる権利を持っています。
単なる「好き嫌い」だけでなく、以下のようなサインがあれば、それは「プロとしての質」の問題です。遠慮なく変更を検討してください。
即変更レベルの危険サイン
- レスポンスが遅い(電話の折り返しが翌日以降、連絡がつかない)
- 話を聞かない(こちらの希望を遮り、自分の価値観を押し付ける)
- 専門用語で煙に巻く(「制度上無理です」の一点張りで代替案を出さない)
- 特定の業者ばかり勧める(自社系列のヘルパーやデイサービスばかり使わせる)
- 約束を守らない(時間にルーズ、無断で遅刻する)
特に「連絡が遅い」のは致命的です。
救急搬送や急な退院など、緊急時に動いてもらえないケアマネジャーでは、在宅生活を守れません。
「次は絶対に失敗したくない」という方へ。事業所リストの“ある数字”を見るだけで、地雷ケアマネを回避できる確率がグッと上がります。

直接言わなくて大丈夫!波風を立てずに変える「裏ルート」
「変えたいけど、本人に『あなたじゃダメだ』とは言えない…」
安心してください。本人に直接「解約」を告げる必要はありません。
業界の慣習として、以下の手順踏めば、利用者側が矢面に立つことなくスムーズに変更可能です。
最もストレスがない「丸投げ」手順
まずは、地域包括支援センターや役所の窓口でリストをもらい、新しい居宅介護支援事業所を探します。「今の担当者と合わなくて変えたい」と正直に相談してください。
新しい事業所のケアマネジャーと面談し、「この人なら任せられそうだ」と思ったら契約の意思を伝えます。
ここがポイントです。
「気まずいので、変更の連絡はそちらから今の事業所に入れてもらえませんか?」と依頼してください。
多くのケアマネジャーは慣れているので、「承知しました。こちらから書類の引き継ぎ依頼と合わせて連絡しておきます」と対応してくれます。
これで、あなたは直接話すことなく、手続きの9割を完了できます。
最後に一度だけ、形式的な「終了の挨拶(電話)」が必要になる場合がありますが、それも次の章で紹介する「魔法の言葉」を使えば簡単です。
次のあてがない場合
次の事業所が決まっていない場合は、お住まいの地域の「地域包括支援センター」に相談しましょう。
公平な立場から、新しい事業所の紹介と、今の担当者への連絡調整を行ってくれます。
【そのまま使える】角が立たない「断り方」テンプレート
いくら新しい担当者が手続きしてくれるとはいえ、けじめとして一言、お断りの連絡が必要な場面もあります。
そんな時は、「相手の能力不足」を指摘せず、「自分側のやむを得ない事情(嘘も方便)」を作るのが大人のマナーです。
パターンA:最も角が立たない「しがらみ」作戦
最強の断り文句は、「身内や知人のしがらみ」を理由にすることです。
これなら相手も「それなら仕方ないですね」と引くしかなく、あなたの不満を一切悟られずに関係を終わらせることができます。
🪄魔法のフレーズ
「実は、昔からの知り合いにケアマネージャーがいまして。」
断りきれず、そちらにお願いすることになりました。今まで本当によくしていただいたのに、こちらの勝手な都合で申し訳ありません…
パターンB:事務的に終わらせる「方針変更」作戦
嘘をつくのが苦手な場合は、淡々と事実のみを伝えます。
シンプルなフレーズ
「家族で話し合った結果、今後の介護方針を見直すことになりまして、一度契約を終了させていただきたくご連絡しました。新しい事業所には既に引き継ぎをお願いしております。今までありがとうございました。」
変更するタイミングと注意点
「変更」は問題ありませんが、変更のタイミングには注意が必要です。
「月末」での変更がトラブルゼロ
ケアマネジャーの変更は「月単位(月末締め・翌月1日開始)」で行うのが鉄則です。
月の途中で変更すると、給付管理票(レセプト)の作成元がどちらになるかで揉める原因になります。
「今月いっぱいで契約を終了し、来月1日から新しいところでお願いします」と伝えるのが最もスムーズです。
一時的な情報共有ロスへの対策
担当者が変わると、これまでの細かな経緯やニュアンスが伝わりきらないことがあります。
新しいケアマネジャーには、改めて以下の情報をまとめたメモを渡すと安心です。
- 親御さんの性格(こだわりやNGワード)
- これまでの病歴と服用中の薬
- 家族が「絶対に譲れないこと」と「妥協できること」
担当者が変われば、提案されるサービスもガラッと変わります。新しいケアマネジャーと「本当に必要な介護」を再設計するために、どんなサービスが使えるのか一覧で確認しておきましょう。

ケアマネージャー変更に関するよくある質問
- 変更した後、元のケアマネから嫌がらせをされたりしませんか?
-
まずあり得ませんので、安心してください。
ケアマネジャーは都道府県の指定を受けた専門職です。感情的になって嫌がらせをすれば、信用問題になり事業所の存続に関わります。
また、変更してしまえば、元のケアマネジャーと顔を合わせる機会は二度とありません(書類のやり取りも事業所間で行われます)。 - 引き継ぎ費用や違約金などはかかりますか?
-
一切かかりません。
ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)との契約において、解約金や変更手数料といった費用は発生しません。新しい事業所との契約も無料で行えます。 - ケアマネを変えると、今使っているヘルパーやデイサービスも変わってしまいますか?
-
いいえ、今のサービスをそのまま継続できます。
ケアマネジャーが変わっても、現在利用している訪問介護やデイサービスなどの事業所を変える必要はありません。
「ケアマネジャーだけ」を変更し、あとのチームメンバーは今のまま、という形が一般的です。 - 要介護認定の「更新申請中」ですが、変更しても大丈夫ですか?
-
制度上は可能ですが、できれば認定結果が出てからがおすすめです。
更新期間中は、認定調査や書類作成が進んでいるため、途中で担当が変わると情報の引き継ぎが煩雑になり、認定結果が出るのが遅れるリスクがあります。
緊急でなければ、新しい介護度が決まったタイミングでの変更が最もスムーズです。 - これまでに何度か変えているのですが、また変えるとクレーマーだと思われませんか?
-
正当な理由があれば問題ありません。
「相性が合わない」「対応が遅い」といった明確な理由があれば、何度変えても大丈夫です。
ただし、新しいケアマネジャーに相談する際に「以前の人はここが合わなかった」と冷静に伝えることで、ミスマッチを防ぎやすくなります。 - ケアプランはまた一から作り直しになりますか?
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基本的には、今のプランを引き継ぎながら修正します。
ゼロから全て作り直すわけではありません。元のケアプランをベースにしつつ、新しいケアマネジャーの視点で「もっと良くできる部分」を修正・提案してもらう形になりますので、ご安心ください。
もし「ケアマネを変えても、今の介護生活が続くのはしんどい…」と感じているなら、それは在宅介護の限界サインかもしれません。共倒れする前にチェックしてみてください。

まとめ:親のために「最良のチーム」を作ろう
「お世話になったのに申し訳ない」という優しい気持ちは大切ですが、その遠慮のせいで親御さんが適切なサービスを受けられないとしたら、本末転倒です。
介護はチーム戦です。監督であるケアマネジャーが信頼できなければ、チームは機能しません。
どうか遠慮せずに、あなたと親御さんが心から安心できる「ベストパートナー」を探してください。

