お酒を飲まないのに脂肪肝?NASH・MASLDの原因と肝臓を救う食事術

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「お酒は一滴も飲みません」

診察室で医師にそう伝えたのに、返ってきた診断結果はまさかの「脂肪肝」
「なぜ?」「検査の間違いでは?」と、納得がいかない気持ちでいっぱいではないでしょうか。

実は今、お酒を飲まない人の間で、肝臓に脂肪が溜まり炎症を起こす「NASH(非アルコール性脂肪肝炎)」が急増しています。

さらに最近では、代謝異常を伴う脂肪肝として「MASLD(マッスルディー)」という新しい疾患概念も提唱され、世界中で警戒が強まっています。

放置は命に関わります
NASHは単なる「太り気味」ではありません。
適切な処置をしなければ、5年〜10年で約5〜20%が「肝硬変」へ進行し、最終的には肝がん至る可能性がある、非常に怖い病気の入り口です。

出典:日本消化器病学会 NAFLD/NASH診療ガイドライン
出典:日本肝臓学会 MASLD/MASH診療ガイドライン

この記事では、医療の現場を見てきた筆者が、沈黙の臓器「肝臓」が悲鳴を上げている本当の原因と、肝機能を守るための「正しい食事術」について解説します。

目次

お酒じゃないなら何が原因?「フォアグラ化」する肝臓の正体

お酒を飲まないあなたの肝臓を痛めつけている真犯人。それは、日々の食事に含まれる「過剰な糖質」と「脂質」です。

厚生労働省のe-ヘルスネットでも指摘されている通り、消費エネルギーを超えて摂取した余分な糖質や脂質は、中性脂肪として肝臓に蓄えられます。
これは、ガチョウに餌を無理やり詰め込んで作る「フォアグラ」と全く同じ状態が、あなたの体の中で起きていることを意味します。

脂肪肝と診断された方の多くは、同時に脂質異常症高血糖(HbA1c)のリスクも抱えています。
もし健康診断でこれらの数値にも異常(または予備軍)の指摘があった場合は、原因を正しく理解して併せて対策することが重要です。

特に危険な「果糖(フルクトース)」

「ご飯は減らしているから大丈夫」と思っていませんか? 盲点になりやすいのが果物や清涼飲料水に含まれる「果糖」です。

  • フルーツの食べ過ぎ:ビタミンは体に良いですが、今の果物は糖度が高すぎます。
  • スポーツドリンク・ジュース:液体で摂る糖分は、肝臓への直撃弾です。

「急激なダイエット」は肝臓にとどめを刺す

絶対にやってはいけないこと
「脂肪肝=痩せればいい」と短絡的に考え、極端な食事制限を行うこと。

焦って食事を抜くと、肝臓は「飢餓状態だ!」と勘違いし、緊急用エネルギーとして体中の脂肪を肝臓へ急いでかき集めようとします。これを「低栄養性脂肪肝」と呼びます。

肝臓を治すために必要なのは、絶食という名のイジメではありません。「肝細胞の修復材料(タンパク質)」と「代謝を助ける補酵素(ビタミン)」を十分に含んだ、質の高い食事なのです。

また、肥満や代謝の乱れは、激痛を伴う痛風の引き金にもなります。
もし健康診断で「尿酸値」が高めだと指摘されたことがあるなら、脂肪肝対策と並行して、尿酸を排出するための食事戦略も確認しておいてください。

肝臓をいたわる食事の条件は「プロ級の難易度」

では、具体的にどのような食事が求められるのでしょうか?
日本消化器病学会のガイドラインや管理栄養士の指導内容は、以下のように非常にシビアです。

栄養素推奨(OK食材)注意(NG食材)
タンパク質魚、大豆製品、卵、脂身の少ない肉(ささみ等)
※肝細胞の修復に必須
バラ肉、加工肉(ハム・ソーセージ)、揚げ物
脂質オメガ3脂肪酸(青魚、アマニ油)動物性脂肪(バター、ラード)、トランス脂肪酸
食物繊維野菜、海藻、きのこ(毎食両手一杯分)
※糖の吸収抑制・脂質排出
イモ類、甘い煮物(糖質過多になりやすい)
炭水化物玄米、雑穀米(食物繊維が豊富)菓子パン、ラーメン、白米の大盛り

「脂身の少ないささみや白身魚をメインに、野菜をたっぷり、ご飯は軽く一膳」
これを毎日3食、仕事や家事に追われる中で自炊し続けることができますか?正直、医療従事者である私でも至難の業です。

まずはここから!自宅ですぐに実践できる「3つの工夫」

「完璧な食事療法なんて無理…」と諦める前に、まずは今の生活の中でできる「小さな工夫」から始めてみましょう。
医療現場でも指導されている、比較的ハードルの低いアクションプランを3つ紹介します。

1. 調理法の「断捨離」をする

同じ食材でも、調理法ひとつで肝臓への負担は天と地ほど変わります。
ポイントは油を使わない調理にシフトすることです。

  • 揚げる・炒める ➡ 「蒸す・茹でる」に変える
    酸化した油は肝臓の敵です。野菜や肉はレンジで蒸すか、茹でるだけにすれば、余分な脂も落ちて一石二鳥です。
  • マヨネーズ・ドレッシング ➡ 「ポン酢・スパイス」に変える
    脂質の塊であるマヨネーズは控え、お酢やカレー粉、七味などのスパイスを活用して満足感を高めましょう。

2. 「ベジ・ファースト」を徹底する

これは今日からすぐにできます。
食事の際、一口目は必ず「野菜(食物繊維)」から食べるというルールです。

空腹状態でいきなり白米(糖質)をかき込むと、血糖値が急上昇し、インスリンが大量分泌されて脂肪が合成されやすくなります。
最初に野菜、海藻、きのこ類を胃に入れて「食物繊維の壁」を作ることで、糖の吸収を緩やかにし、肝臓への急激な負荷を防ぐことができます。

3. 白米に「もち麦」を混ぜる

白米を完全に抜くのはストレスが溜まりますよね。
そこでおすすめなのが、白米に「もち麦(大麦)」を混ぜて炊くことです。

もち麦に含まれる水溶性食物繊維(β-グルカン)には、糖質の吸収を抑え、内臓脂肪を減少させる効果が期待できると報告されています。
「プチプチ」とした食感で噛む回数も増え、満腹感も得やすくなります。

…いかがでしたか?
これなら少しできそうな気がしませんか?

しかし、仕事で疲れて帰ってきて、野菜を切り、蒸し料理を作り、栄養バランスを考える…これを「毎日続ける」となると、やはり大きな負担になるのも事実です。
「今日は無理!」という日が続くと、結局元の食生活に戻ってしまいます。

「バランス食」の宅配サービスが肝臓の救世主になる

そこで、現実的な解決策として強く推奨したいのが、医療・介護食メーカーが作る「制限食(バランス栄養食)」の活用です。

これらの宅配弁当は、管理栄養士が計算し尽くしているため、肝臓への負担を最小限に抑えつつ、修復に必要な栄養素を確保できます。

宅配食を取り入れる医学的メリット

  • 数値管理の確実性:1食あたりのカロリーや塩分、タンパク質量が正確に計算されています。
  • 多品目摂取:主菜1品+副菜3品などが基本で、自炊では難しい「多種類の食材」からビタミン・ミネラルを摂取できます。
  • ドカ食いの防止:「レンジで温めるだけ」の手軽さが、疲労時の「コンビニ弁当」や「カップ麺」への逃避を防ぎます。

肝機能を改善したい方におすすめの2社

数ある宅配食の中でも、特に「数値改善」や「生活習慣病対策」に特化した信頼できる2社を厳選しました。

1. Dr.つるかめキッチン【専門医監修】

迷ったらこれ。専門医×管理栄養士のダブル監修。

「カロリー制限気づかい御膳」などは、脂肪肝対策として利用するユーザーも多い人気コースです。

  • 特徴:定期購入の継続率が高く、味の評判が良い。
  • 信頼性:各分野の専門医が監修しており、医学的な裏付けがある。

>> Dr.つるかめキッチンの詳細を見る

2. メディカルフードサービス(MFS)【医療食のプロ】

「本気で数値を下げたい」人のための医療食。

消費者庁の「食事療法用宅配食品等栄養指針」に基づいた厳格な設計。病院給食の実績があるメーカーです。

  • 特徴:お試しセット(6食など)があり、自分に合うか確認できる。
  • 信頼性:総出荷数600万食突破の実績。

>> MFSのお試しセット詳細を見る

もし、脂肪肝だけでなくすでに脂質異常症糖尿病(高血糖)の治療を勧められている場合は、それぞれの数値改善に特化した食事選びも参考にしてください。以下の記事では、疾患別の宅配食活用法を詳しく解説しています。

脂肪肝に関するよくある質問

お酒を飲まないのに脂肪肝になるのはなぜですか?

主な原因は「食べ過ぎ」と「運動不足」です。消費しきれなかった糖質や脂質が中性脂肪として肝臓に蓄積されるため、アルコールを摂取しなくても脂肪肝(NASH/NAFLD)を発症します。

脂肪肝を放置するとどうなりますか?

単なる肥満とは異なり、肝臓で炎症が続くと、数年から数十年かけて繊維化が進み、「肝硬変」や「肝がん」へと進行するリスクがあります。自覚症状がほとんどないため、定期的な検査が重要です。

脂肪肝を改善するためには、何を食べれば良いですか?

肝細胞の修復に必要な「良質なタンパク質(魚、大豆製品、脂身の少ない肉)」と、代謝を助ける「ビタミン・ミネラル(野菜、海藻、きのこ)」を積極的に摂ってください。

フルーツは体に良いので、たくさん食べても大丈夫ですか?

注意が必要です。最近の果物は糖度が高く、果物に含まれる「果糖」は肝臓で中性脂肪に変わりやすい性質があります。食べるなら朝食時などに少量に留めましょう。

宅配食は自炊よりも割高になりませんか?

1食あたり700〜900円程度かかりますが、複雑な栄養計算の手間、買い物や調理の時間、食材の廃棄ロスを考慮すると、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。

食事療法はどのくらいの期間続ければ効果が出ますか?

個人差はありますが、肝臓の細胞が入れ替わるサイクルを考慮し、まずは3ヶ月〜半年を目安に継続してください。定期的に血液検査を受け、数値の変化を確認することをおすすめします。

まとめ:肝臓のSOSを無視しないでください

肝臓は、ギリギリまで文句を言わずに働き続ける我慢強い臓器です。
だからこそ、健康診断で数値の異常が出たということは、「もう限界だよ。休ませて」という切実なSOSサインなのです。

今日から、夕食を「計算された宅配食」に変えてみませんか?
それは決して「手抜き」ではありません。働きすぎた肝臓への「最高の治療」であり、将来の健康を守るための賢い投資です。

肝硬変になってからでは、もう美味しい食事には戻れません。
健康な肝臓を取り戻すチャンスは、今ここにあります。

▼ 今回紹介した「肝臓をいたわる」宅配食 ▼

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kawauchi
看護師/訪問診療クリニック事務長/計画相談員
私は、看護師として重症心身障害病棟・救命救急HCUに従事した後、有料老人ホームの管理者・看護部長・福祉事業部統括として、入居者の生活と医療連携の現場に携わってきました。

現在は、訪問診療クリニックの事務長として在宅医療の運営に関わると同時に、計画相談員・医療福祉コンサルタントとして、東海エリアを中心に施設紹介・身元保証・医療介護連携の支援を行っています。

病院・施設・在宅という立場の異なる現場をすべて経験してきたからこそわかる、制度論だけではない「現場のリアル」や「家族が直面する苦悩」を踏まえた発信を大切にしています。

このブログでは、現場経験に基づく実践的な情報を軸に、後悔しない選択のための情報を発信しています。
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