妊娠中、足がパンパンで象みたい…看護師が教える「危険なむくみ」の見分け方と減塩の裏技

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「夕方になると足首がなくなり、象のような足になる」
「靴下のゴム跡がくっきり残って、お風呂に入っても消えない」
「結婚指輪が食い込んで、抜けなくなって焦った」

お腹が大きくなる妊娠中期から後期、多くの妊婦さんが「むくみ(浮腫)」に苦しみます。
痛くて眠れない日もありますよね。

実は、マッサージなどの外側からのケアだけでは、むくみは解決しません。根本的な犯人は、体の中に溜め込まれた「塩分」だからです。

この記事では、看護師の視点で「病院に行くべき危険なむくみ」の判断基準と、マッサージ時の重要な注意点(血栓リスク)、そして「頑張らずに塩分を追い出す食事術」を解説します。

目次

【自己判断NG】ただのむくみ?それとも「妊娠高血圧」のサイン?

妊娠中は血液量が1.4倍になるため、ある程度のむくみは生理現象です。しかし、中には母子の命に関わる「妊娠高血圧症候群」「深部静脈血栓症」のサインが隠れていることがあります。

以下のチェックリストで、ご自身の状態を確認してください。

✅看護師の警告:すぐに受診すべき危険なサイン

  • すねを指で5秒押しても、へこんだまま戻らない
  • 1週間で体重が500g以上急増した(脂肪ではなく水分貯留の可能性)
  • 片足だけが赤黒く腫れて痛い(血栓症の疑いあり。マッサージ厳禁!)
  • 頭痛、目のチカチカ、胃のあたりの痛みがある

一つでも当てはまる場合は、マッサージをせずにかかりつけ医へ連絡してください。

※出典:日本産科婦人科学会「妊娠高血圧症候群」

看護師直伝!安全にスッキリさせる「寝方」と「マッサージ」

危険なサインがない「生理的なむくみ」であれば、物理的なケアで緩和させましょう。
ただし、「揉み方」を間違えると危険です。

寝方は「シムス位」一択

お腹の大静脈は体の右側を通っています。
「体の左側を下」にして横向きに寝ることで、血管の圧迫が解除され、足からの血流が心臓に戻りやすくなります。
足の間に抱き枕やクッションを挟むと、さらに効果的です。

マッサージは「優しくさする」だけ

【重要】グイグイ強く揉むのは絶対にやめてください。
妊娠中は血が固まりやすくなっています。万が一、血管内に小さな血栓(血の塊)があった場合、強く揉むことでそれが飛び、肺の血管に詰まると命に関わります。
「皮膚の表面を優しく撫で上げて、リンパを流す」強さで十分です。

「物理的に」高くする

日中デスクワークをする時も、足元に台や段ボールを置いて足を上げてください。重力に逆らわないことが大切です。

根本解決には「塩分排出」しかない。でも…

マッサージはあくまで対症療法です。
むくみの真犯人は、体内の塩分濃度を薄めるために水を溜め込ませている「ナトリウム(塩)」です。
これを追い出すには「カリウム」を摂るしかありません。

コンビニで買える「最強のむくみ撃退セット」

料理をする元気がない時は、コンビニで以下の組み合わせを買ってください。
カリウムが豊富で、塩分排出を助けます。

【おすすめコンビニランチ例】

  • メイン:納豆巻き(納豆菌+カリウム)
  • おかず:海藻サラダ(ドレッシングはかけずに「つける」)
  • ドリンク:無塩トマトジュース または 無調整豆乳
  • デザート:バナナ

料理をするのが辛い日は、無理せずコンビニを活用した減塩術も参考にしてください。

正直、自炊で「塩分6.5g未満」は不可能です

むくみや高血圧予防のために、医師からは「塩分を控えて」と言われますが、目標値を知っていますか?

【現実的に厳しい数値目標】
🧂厚生労働省の推奨:女性1日6.5g未満
🧂高血圧予防(学会推奨):1日6.0g未満

これは、カップ麺1個(約5〜6g)で1日分が終了するレベルです。
お腹が大きくて立っているのも辛い中、出汁を一からとって、計量スプーンで醤油を測り、家族用とは別に味付けをする……。これを毎日続けるのは、ストレスで逆に血圧が上がってしまいます。

週3回の「減塩宅食」は、自分を守るための「医療費」

そこでおすすめなのが、「プロ(管理栄養士)に塩分管理を丸投げする」という選択肢です。

減塩タイプの宅配食(宅食)なら、1食あたりの塩分を2.0g以下に抑えつつ、出汁や酸味を効かせて「味がしっかりある」ように作られています。

✅健診前の「駆け込み寺」として使う

賢い妊婦さんは、「妊婦健診の3日前から夕食を宅食に切り替える」という使い方をしています。
これにより直前の塩分摂取量をリセットし、尿検査(尿蛋白・尿糖)や血圧測定をクリアしやすくするのです。
これは「手抜き」ではなく、母子を守るための立派なリスク管理です。

入院を回避するために、塩分2.0g以下!妊婦さんに人気の「減塩宅食」を活用し、食事のストレスを手放しましょう。

妊娠中のむくみに関するよくある質問

着圧ソックスを履いて寝てもいいですか?

基本的には日中の着用をおすすめします。就寝時に強い着圧がかかると血流を妨げる可能性があるため、寝る時は「就寝用(低圧タイプ)」を選ぶか、脱いでリラックスした状態で休むのが無難です。

水分を控えた方がむくみは取れますか?

それは大きな間違いです。水分を控えると、体は防衛反応でさらに水を溜め込もうとし、むくみが悪化します。また、血栓予防のためにもお水やお茶はこまめに飲んでください。控えるべきは「水」ではなく「塩」です。

片足だけが痛いのですが、マッサージしてもいいですか?

絶対に揉まないでください。「片足だけの急激な腫れ・痛み・赤み」は深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)の典型的な症状です。揉むと血栓が飛んで肺塞栓を起こす危険があります。すぐに産婦人科を受診してください。

まとめ:象のような足は「休んで」のサイン。

妊娠中の足のむくみは、体が「もう限界だよ、少し休んで」と訴えているSOSサインです。

  1. シムス位(左向き)で寝る
  2. マッサージは「優しく」撫でるだけ(強もみ厳禁!)
  3. 自炊にこだわらず、減塩宅食で体内をリセットする

出産まであと少し。
便利なサービスを「お守り」として上手に使い、パンパンの足と不安から解放された穏やかな夜をお過ごしください。

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kawauchi
看護師/訪問診療クリニック事務長/計画相談員
私は、看護師として重症心身障害病棟・救命救急HCUに従事した後、有料老人ホームの管理者・看護部長・福祉事業部統括として、入居者の生活と医療連携の現場に携わってきました。

現在は、訪問診療クリニックの事務長として在宅医療の運営に関わると同時に、計画相談員・医療福祉コンサルタントとして、東海エリアを中心に施設紹介・身元保証・医療介護連携の支援を行っています。

病院・施設・在宅という立場の異なる現場をすべて経験してきたからこそわかる、制度論だけではない「現場のリアル」や「家族が直面する苦悩」を踏まえた発信を大切にしています。

このブログでは、現場経験に基づく実践的な情報を軸に、後悔しない選択のための情報を発信しています。
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