「3日も出ていない…お腹が張って苦しい。」
「でも、赤ちゃんへの影響を考えると下剤は使いたくない。」
妊娠中、急激なホルモンバランスの変化で便秘に悩まされる方は非常に多いです。
私も看護師として救急や在宅医療の現場で多くの妊婦さんと接してきましたが、便秘はつわりと同じくらい深刻な悩みの一つです。
この記事では、薬に頼らず自然なお通じを目指すための具体的な方法を、医学的な根拠に基づいて解説します。
食事やサプリメントの選び方一つで、お腹の重苦しさから解放される可能性は十分にありますよ。
✅この記事でわかること
- 妊娠中に便秘になる医学的な理由
- 看護師も実践する「朝のトイレ習慣」と「姿勢」
- つわり中でもできる食事・サプリ活用術
- どうしても出ない時の病院のかかり方
妊娠中はなぜ便秘になる?「薬を使いたくない」ママへ
まず、「なぜ妊娠すると便秘になるのか」を知ることで、不安を解消しましょう。
これはあなたの生活習慣が悪いわけではなく、体が赤ちゃんを育てるために変化している証拠なのです。
ホルモンバランスの変化(プロゲステロン)
妊娠すると、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増加します。
このホルモンには妊娠を維持する大切な役割がありますが、同時に腸の動き(蠕動運動)を抑えてしまう作用があります。
黄体ホルモンは、消化管の平滑筋を弛緩させる作用があり、これにより腸の蠕動運動が低下し、便秘を引き起こしやすくなります。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「便秘と食習慣」より
また、週数が進み子宮が大きくなるにつれて腸が物理的に圧迫され、便の通り道が狭くなることも大きな要因です。
水分不足とつわりの影響
妊娠中は羊水を作ったり、赤ちゃんの血液循環を支えたりするために、通常よりも多くの水分が必要です。
母体が必要な水分を確保しようとするため、腸内の水分が吸収されて便がカチカチになりやすいのです。
⚠️注意点:
つわりで水すら飲めない時期は無理をしないでください。
唇がカサカサする、尿の回数が極端に減るなどの脱水症状が見られる場合は、迷わずかかりつけ医に相談して点滴などを受ける必要があります。
いきみすぎは危険?便秘を放置するリスク
「薬を使いたくないから」といって、便秘を放置してトイレで顔が赤くなるほど強くいきむのは、実はリスクが伴います。
- 痔(じ)の悪化
妊娠中は骨盤内がうっ血しやすいため、いぼ痔になりやすい状態です。 - 腹痛・不快感
ガスが溜まり、お腹の張りが強くなると、子宮の張りとの区別がつきにくく不安になります。 - 食欲低下
栄養が必要な時期に食事が摂れなくなるのは、母子ともに良くありません。
救急の現場や在宅医療で見てきた経験から言うと、稀ではありますが、過度ないきみは腹圧をかけすぎるため、切迫早産の兆候がある方は特に注意が必要です。
だからこそ、「出ないから強くいきむ」のではなく、「自然にするっと出る体づくり」が重要なのです。
看護師も実践!薬に頼る前に試したい「腸活ルーティン」
ここからは、私が実際に実践し、多くの患者さんにもおすすめしている具体的なルーティンをご紹介します。
- 朝の「コップ1杯の水」
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朝起きてすぐに常温の水または白湯をコップ1杯(約200ml)飲みます。
これにより「胃・結腸反射」が誘発され、腸が動き出します。 - トイレでの「考える人」のポーズ
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洋式トイレでは、足元に踏み台を置き、前傾姿勢(ロダンの「考える人」のポーズ)をとります。
直腸と肛門の角度が真っ直ぐになり、いきまなくても排便しやすくなります。 - 水溶性食物繊維をチャージ
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朝食には、キウイ、バナナ、海藻の味噌汁など、水に溶ける食物繊維を意識して摂ります。
食物繊維は「バランス」が命
「便秘には食物繊維」と言われますが、種類を間違えると逆効果になることがあります。ここが盲点です。
| 種類 | 特徴・食材 | 妊娠中の注意点 |
|---|---|---|
| 不溶性食物繊維 | 玄米、根菜、豆類など。 便のカサを増やす。 | すでに便が硬い時に摂りすぎると、さらに詰まって悪化することがあります。 |
| 水溶性食物繊維 | 海藻、オクラ、もち麦、果物。 便を柔らかくして滑りを良くする。 | 妊娠中のコロコロ便にはこちらが圧倒的におすすめです。 |
無理せず頼ろう!栄養管理された「宅配食」
とはいえ、つわりが辛かったり、お腹が大きくてキッチンに立つのも大変だったりしませんか?
「体に良いものを作らなきゃ」というプレッシャー自体がストレスになり、自律神経を乱して腸の働きを悪くしてしまいます。
私が在宅医療の現場で妊婦さんによく提案するのは、「期間を決めて、プロが作った食事に頼る」ことです。
最近の「マタニティ向け宅食サービス」は、管理栄養士が監修しており、食物繊維や塩分が計算されています。
自分で食材を買い揃えて調理し、片付けをする手間を考えれば、実はコスパも悪くありません。
「レンジで温めるだけで、野菜たっぷりの食事が摂れる」。この心の余裕が、お通じには何より大切です。
妊娠中の「乳酸菌」摂取がカギ!効率的な摂り方
腸内環境(腸内フローラ)を整えることは、ママの便秘解消だけでなく、生まれてくる赤ちゃんの免疫機能やアレルギーリスク低減にも良い影響を与える可能性があるという研究も進んでいます。
ヨーグルトだけじゃない?「一石二鳥」のサプリ活用
腸活といえばヨーグルトですが、毎日食べ続けるのは飽きますし、製品によっては糖分が気になりますよね(妊娠糖尿病のリスクも考慮したいところです)。
そこで賢く活用したいのが、「乳酸菌が配合された葉酸サプリ」です。
実は、妊娠中に必須の「葉酸」を摂りながら、同時に「乳酸菌」や「食物繊維」まで摂取できるサプリメントが増えています。
✅乳酸菌入り葉酸サプリのメリット
- 鉄分による便秘対策
葉酸サプリに含まれる鉄分は便秘の原因になりやすいですが、乳酸菌配合ならその対策も兼ねられます。 - つわり中でも飲みやすい
食事が喉を通らない時でも、小粒のサプリなら続けやすいです。 - 経済的で楽ちん
整腸剤と葉酸サプリを別々に買うより安く、飲み忘れも防げます。
「mitete」や「アロベビー」など、先輩ママに人気のサプリは、このあたりの配慮が行き届いています。
「ただの栄養補給」と思わず、「毎日の腸活」として葉酸サプリを選び直してみるのも一つの手です。
こんな時は病院へ(我慢のしすぎはNG)
ここまでセルフケアをお伝えしましたが、医療従事者としてこれだけは伝えておきます。
「どうしても辛い時は、無理せず医師に相談してください」。
産婦人科でよく処方される「酸化マグネシウム」は、腸を刺激して無理やり出す下剤(刺激性下剤)とは異なり、便に水分を集めて柔らかくするお薬です。
習慣性も低く、赤ちゃんへの影響もほとんどないとされています。



市販の下剤(特にアントラキノン系を含むもの)や浣腸を自己判断で使うのは避け、必ず健診の際に主治医に処方してもらいましょうね。
便秘以外にも、「つわりで食べられない」「足のむくみがひどい」といった悩みはありませんか?
看護師が教える「入院回避のための食事術」や「むくみケア」も合わせてチェックして、マイナートラブルを乗り切りましょう。
妊娠中の便秘に関するよくある質問
- 妊娠中にトイレで強くいきむと、赤ちゃんに影響はありますか?
-
通常の排便程度のいきみであれば、羊水に守られているため赤ちゃんに直接的な悪影響はほとんどありません。ただし、切迫早産と診断されている方や、お腹の張りが強い時は腹圧をかけることに注意が必要です。無理に出そうとせず、医師に相談してください。
- 処方された酸化マグネシウムはずっと飲み続けても大丈夫ですか?
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酸化マグネシウムは腸を刺激せず、便を柔らかくする作用のお薬です。クセになりにくい(習慣性が低い)ため、妊娠中の長期服用も一般的です。ただし、腎機能に不安がある場合などは注意が必要ですので、必ず主治医の指示通りの用量を守ってください。
- 市販の便秘茶(ハーブティー)を飲んでも平気ですか?
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注意が必要です。「センナ」「アロエ」「キャンドルブッシュ」などが含まれるお茶は、腸を刺激する成分(アントラキノン系)を含んでおり、子宮収縮を誘発する恐れがあります。購入前に必ず原材料を確認し、できれば「ノンカフェイン」「妊婦対応」と明記されたものを選びましょう。
- どうしても出ない時、市販の浣腸を使ってもいいですか?
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自己判断での使用は避けてください。浣腸は急激に腸を刺激するため、子宮収縮につながるリスクがゼロではありません。浣腸が必要なほど詰まっている場合は、産婦人科で処置してもらうのが最も安全です。
- マタニティヨガや運動は便秘解消に効果がありますか?
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はい、効果的です。ウォーキングや軽い運動は腸の蠕動運動を促します。ヨガでは「猫のポーズ」などが推奨されますが、お腹を圧迫するポーズはNGです。安定期に入ってから、医師の許可を得て無理のない範囲で行いましょう。
- 出産したら便秘は治りますか?
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個人差がありますが、ホルモンバランスが戻ることで改善する方は多いです。ただ、産後は授乳で水分が奪われたり、会陰切開の傷が怖くていきめなかったりして一時的に便秘になることもあります。今回の「腸活ルーティン」は産後も役立つので、ぜひ続けてみてください。
まとめ:腸活ルーティンで快適なマタニティライフを
妊娠中の便秘は、ママの体が赤ちゃんを守ろうとして起きる変化の一つです。
薬に頼りたくないその気持ちを大切にしながら、まずはできることから始めてみてください。
⭕本日のまとめ
- 朝イチの水とトイレの姿勢を見直す。
- 水溶性食物繊維(海藻・果物)を意識する。
- 食事作りが辛いなら宅配食に頼る。
- 乳酸菌入り葉酸サプリで効率よく腸活する。
お腹がスッキリすれば、心も軽くなります。
残りのマタニティライフが、少しでも快適で笑顔あふれるものになりますように。














