老人ホーム費用は心配無用?持ち家を「つなぎ資金」にして生活保護で入居する全手順

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「親の年金は月6万円。とてもじゃないけど老人ホームなんて入れない」
「役所に生活保護の相談に行ったら、『持ち家があるからダメ』と門前払いされた……」

医療・介護の現場で事務長をしていると、このような相談を頻繁に受けます。
最も悲惨なのが、この「資産(家)があるせいで、セーフティネット(生活保護)を受けられない」というケースです。

古い家を維持するために固定資産税や修繕費を払い、そのせいで親御さんの食費や介護費用が出せない……。
これは行政にとってもご家族にとっても、最も不幸な状態です。

この記事では、売れないと思っている実家を戦略的に現金化し、それを「つなぎ資金」として使い切ることで、最終的に生活保護を活用して老人ホームに入り続ける「黄金ルート」を解説します。

これは裏技ではなく、生活保護法の理念に基づいた「賢い生存戦略」です。

目次

なぜ「持ち家」があると老人ホームに入れないのか?

まず、制度の壁を正確に理解しましょう。
なぜ「年金が少ないのに助けてもらえない」のでしょうか。

生活保護の「補足性の原理」という壁

生活保護法第4条には「補足性の原理」という大原則があります。

保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。生活保護法 第4条より引用

つまり、どんなにボロボロの家であっても、資産価値があると見なされれば、「まずはそれを売って、そのお金で生活してください。税金を使うのはその後です」と役所で指導されてしまうのです。

放置すると「貧困」が加速する3つのリスク

「売るのも面倒だし、とりあえず空き家のままにしておこう」と放置していると、以下の悪循環に陥ります。

⚠️空き家放置のリスク

  • キャッシュフローの悪化
    住んでいなくても固定資産税、火災保険料、草刈り代などで年間10〜20万円が出ていきます。
  • 「特定空家」の認定
    管理不全とみなされると、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、固定資産税が最大6倍に跳ね上がります。
  • 施設入居の拒否
    民間の老人ホームは支払い能力を厳しく審査します。「家は売れるかわからない、年金は足りない」という状態では、入居契約を結べないことがほとんどです。

【解決策】実家を売って「制度」に乗るための黄金ルート

この八方塞がりの状況を打破するには、「順番」が命です。
以下のロードマップ通りに進めることで、合法的かつスムーズに安心を手に入れられます。

STEP
実家を売却・現金化

まずは家を売ります。仮に手元に300万円が残ったとしましょう。
これが生活保護を受けるための「準備金(つなぎ資金)」になります。

STEP
施設に入居(自費期間)

売却した300万円と年金を切り崩しながら、老人ホームに入居します。
この時点では「自費入居」です。

STEP
資金シミュレーション

例えば「施設費用15万円/月」に対し「年金6万円/月」の場合、毎月9万円の赤字です。
300万円 ÷ 9万円 ≒ 約33ヶ月(2年9ヶ月)
この期間は、国の世話にならず堂々と自費で生活できます。

STEP
資金枯渇 → 生活保護申請

計算通り2年9ヶ月後、貯金が基準額(自治体によるが数万円〜10万円以下)になった時点で役所に申請します。
「家も金もない」状態なので、却下する理由がなく、スムーズに生活保護が受理されます。

「お金を使い切ってから保護を受ける」ことは、何ら後ろめたいことではありません。
むしろ、自分の資産を自助努力で使い切ったのですから、胸を張って行政の支援を受けて良いのです。

絶対に失敗できない「施設選び」の最重要ポイント

この計画を実行する際、絶対に間違えてはいけないのが「最初の施設選び」です。
ここをミスすると、高齢の親御さんに無理やり引越し(転居)をさせることになります。

「生活保護でも住み続けられる施設」を選ぶ

もし、「今はまとまったお金(売却益)があるから」と高級な施設に入ってしまうとどうなるか。

資金が尽きて保護申請をした瞬間、福祉事務所から「その施設は生活保護の家賃規定(住宅扶助)を超えているので、もっと安いところへ転居してください」と通告されます。

これを防ぐために、最初の入居相談の時点で以下の2点を確認してください。

✅施設選びのチェックリスト

  • 「生活保護受給者」の受け入れ実績があるか?
    ※サ高住や有料老人ホームの中には、保護受給者を断る施設もあります。
  • 「将来資金が尽きたら保護を受けたい」と伝え、それでも継続入居が可能か?
    ※家賃が自治体の定める「住宅扶助上限額(地域により3〜5万円程度)」内に収まっているか、あるいは保護受給時に減額対応してくれるかを確認します。

これさえクリアしていれば、お金があるうちは少し良いサービス(自費のオプションなど)を使い、保護受給後はプランを下げて、「同じ施設で最期まで暮らす」ことが可能になります。

ボロ家でも問題なし。最短で「資産」をなくす売却術

この戦略の肝は、「家を現金に変える(資産を流動化する)」ことです。
家の状態に合わせて、最適な売却方法を選んでください。

  • A:ボロ家・ゴミ屋敷
  • B:立地が良い・広い

A.早急に処分して施設に入れたい場合

「築年数が古い」「荷物が大量にある」「雨漏りしている」
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このケースで重要なのは「価格」よりも「スピードと確実性」です。

いつ売れるか分からない一般仲介で何ヶ月も待つより、買取業者に依頼して即座に現金を確定させましょう。
片付け費用(数十万円)を捻出できない場合でも、荷物ごと買い取ってくれる業者がおすすめです。

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B.意外と価値があるかもしれない場合

「駅に近い」「土地の形が良い」「前面道路が広い」
実績No.1の信頼性の三井のリハウス

もし高く売れるなら、それに越したことはありません。

売却益が多ければ、それだけ「自費で(=自由に)暮らせる期間」が長くなるからです。
「ボロ家だと思っていたら、土地値で意外な高値がついた」というケースは多々あります。

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不動産売却と生活保護に関する質問

実家が売れずに残ったままでも、生活保護は受けられますか?

原則として、資産価値のある不動産を所有している場合は生活保護を受給できません。ただし、「著しく資産価値が低い」「売却活動をしているが買い手がつかない(要証明)」などの事情があり、福祉事務所が認めれば、持ち家のまま保護を受けられる例外ケースもあります。まずは福祉事務所へ相談し、並行して売却活動の実績を作ることが重要です。

売却したお金を家族が使ったり、別の借金返済に充ててもいいですか?

いいえ、注意が必要です。生活保護申請の直前に、資産を不当に減少させたとみなされる(浪費や親族への贈与など)と、その金額分が「本来持っているはずの資産」とみなされ、保護費から差し引かれたり、申請が却下されたりする場合があります。売却益は原則として「本人の生活費・施設費」として使う必要があります。

生活保護を受けると、入居できる老人ホームは限られますか?

はい、限られます。生活保護の「住宅扶助」の範囲内(地域により異なりますが、家賃額3万〜5万円程度が上限)の施設である必要があります。高級な有料老人ホームには入れませんが、特別養護老人ホーム(特養)や、一般的なサ高住・有料老人ホームであれば、多くの施設が生活保護受給者の受け入れに対応しています。

まとめ:プライドを捨てて、親の「安全」を取ろう

「生活保護を受けるなんて恥ずかしい」「先祖代々の家を売るなんて……」
そう感じる気持ちは痛いほど分かります。実際に現場で相談を受けるご家族の多くが、そこで葛藤されています。

しかし、プライドを守って親御さんが適切な医療・介護を受けられず、共倒れになってしまっては本末転倒です。
生活保護は、国民が等しく持っている権利であり、セーフティネットです。

「家を売る」ことは、その権利を正当に行使するための「準備」に過ぎません。
まずは査定を行い、現状を打破する一歩を踏み出してください。

もしくは多方面から評価(2社相見積もり)で、今後の対応を考えるのもありです。
評価額に差があり、「こんなに高く売れるんだったら自分で片付ける」となった事例もあります。

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kawauchi
看護師/訪問診療クリニック事務長/計画相談員
私は、看護師として重症心身障害病棟・救命救急HCUに従事した後、有料老人ホームの管理者・看護部長・福祉事業部統括として、入居者の生活と医療連携の現場に携わってきました。

現在は、訪問診療クリニックの事務長として在宅医療の運営に関わると同時に、計画相談員・医療福祉コンサルタントとして、東海エリアを中心に施設紹介・身元保証・医療介護連携の支援を行っています。

病院・施設・在宅という立場の異なる現場をすべて経験してきたからこそわかる、制度論だけではない「現場のリアル」や「家族が直面する苦悩」を踏まえた発信を大切にしています。

このブログでは、現場経験に基づく実践的な情報を軸に、後悔しない選択のための情報を発信しています。
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