妊婦の葉酸はいつまで?「12週の壁」と卒業タイミングを看護師が解説

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「葉酸サプリって、いつまで飲み続ければいいの?」「昨日飲み忘れちゃったけど、赤ちゃんに影響はない?」と、毎日の習慣に不安を感じていませんか?

現場では多くの妊婦さんやご家族の不安に寄り添ってきましたが、特に葉酸については「ネットの情報が多すぎて、何が正解かわからない」という声をよく耳にします。また、私の家庭でも同じ状況でした。

結論からお伝えします。厚生労働省の指針に基づくと、葉酸摂取の推奨期間は以下の通りです。

  • 最低限必須:妊娠1ヶ月前 〜 妊娠12週(妊娠3ヶ月)まで
  • 継続を推奨:妊娠13週 〜 出産まで
  • 理想的:産後の授乳期が終わるまで

この記事では、看護師としての経験と医学的根拠に基づき、「なぜ12週がひとつの区切りなのか」、そして「サプリを卒業して食事管理に切り替えるタイミング」について、どこよりも分かりやすく解説します。

読み終える頃には、漠然とした不安が消え、あなたと赤ちゃんにとってベストな選択ができるようになっているはずです。

目次

【結論】葉酸はいつまで必要?時期別の推奨量と理由

葉酸が必要な理由は、妊娠のステージによって変化します。まずは厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に基づくデータを整理しましょう。

スクロールできます
時期サプリからの
追加摂取量
主な目的・理由
妊娠前〜
妊娠12週
400μg【最重要】赤ちゃんの神経管閉鎖障害(先天異常)のリスク低減
妊娠13週〜
出産
240μg胎児の成長促進、ママの貧血予防、妊娠高血圧症候群の予防
授乳期100μg母乳の質向上、ママの産後回復サポート

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より筆者作成

なぜ「妊娠12週まで」が最重要なのか?

多くのメディアで「12週(妊娠3ヶ月)までが大事」と言われるのには、明確な医学的根拠があります。

赤ちゃんの脳や脊髄の元となる「神経管」は、妊娠のごく初期(受精後28日〜妊娠6週末頃)に形成されます。
この時期に母体の葉酸濃度が不足していると、「神経管閉鎖障害(二分脊椎など)」という先天異常のリスクが高まってしまうのです。

看護師の視点:
妊娠に気づくのが5週〜6週頃という方も多いですよね。
「遅かった!」と焦る必要はありませんが、気づいたその日から確実に摂取することが、赤ちゃんへの最初にして最大のプレゼントになります。

13週以降も飲み続けるべき?

12週を過ぎて神経管が完成した後も、葉酸は重要な役割を果たします。

ここからは「赤ちゃんの形成」から「ママの体調管理」へと目的がシフトします。

貧血予防

妊娠中期以降、ママの血液量は非妊娠時の約1.4倍〜1.5倍に増えます。
葉酸は「造血のビタミン」と呼ばれ、鉄分と共に血液を作るために不可欠です。

リスク低減

近年の研究では、葉酸不足が「妊娠高血圧症候群」や「常位胎盤早期剥離」のリスクに関与している可能性も指摘されています。

厚生労働省の推奨量を踏まえ、「自分に合った葉酸サプリを正しく選びたい」という方は、看護師が成分とコスパを厳選したおすすめ3選もあわせて確認しておくと安心です。

【緊急解決】飲み忘れた!赤ちゃんへの影響と対処法

「昨夜、つらくてサプリを飲み忘れてしまった…」
そんなふうに自分を責めていませんか? 結論から言うと、1日〜数日の飲み忘れで、直ちに赤ちゃんに悪影響が出ることはありません。

パニックにならなくて良い理由

葉酸などの水溶性ビタミンは、体外に排出されやすい性質がありますが、それでも血中濃度がいきなりゼロになるわけではありません。

最も避けるべきなのは、「私なんてダメな母親だ」というストレスを感じることです。
ストレスは血管を収縮させ、赤ちゃんへの血流を悪くしてしまいます。気楽に「今日からまた飲もう」と切り替えましょう。

やってはいけない「2倍飲み」

注意:絶対にしてはいけません!
「昨日忘れたから、今日2日分飲もう」というのはNGです。

サプリメントに含まれる「合成葉酸(モノグルタミン酸型)」には、1日の耐容上限量(1,000μg = 1mg)が設定されています。
過剰摂取を続けると、ママの発熱や蕁麻疹、あるいは産まれた赤ちゃんが喘息になりやすくなるといった報告も一部にはあります。

忘れた分はリセットし、今日からまた用法用量を守って再開してください。

食事だけで葉酸は摂れる?「天然」と「合成」の大きな違い

「サプリ代もかかるし、食事で野菜を食べていれば十分では?」と考える方もいるでしょう。
しかし、看護師としては「妊娠初期だけでもサプリに頼るべき」とアドバイスします。その理由は「吸収率」の違いです。

食事性葉酸(天然)

  • 吸収率:約50%以下
  • 調理の熱で壊れやすい
  • 水に溶け出しやすい

サプリの葉酸(合成)

  • 吸収率:約85%
  • 体内利用効率が良い
  • 厚労省もこちらを推奨

厚生労働省も、神経管閉鎖障害のリスク低減のためには「通常の食事に加え、サプリメント等から400μgの摂取」を推奨しています。

食事だけで400μgを摂る難易度

もし食事だけで、推奨される「追加の400μg」を補おうとすると、これだけの量を毎日食べる必要があります。

  • ゆでたほうれん草:約4株(約200g)
  • ゆでたブロッコリー:約4株弱(約350g)
  • 納豆:約7パック

つわりや体調不良がある中で、毎日この量を調理して完食するのは現実的ではありませんよね。
サプリは「手抜き」ではなく、「確実に赤ちゃんを守るための賢い選択」なのです。

サプリだけでなく「日々の食事で少しでもリスクを減らしたい」という方は、妊娠高血圧や糖尿病を防ぐための具体的な食事術についても学んでおきましょう。

葉酸サプリを卒業するタイミングと判断基準

「いつかはサプリをやめたい」と考えている方へ。
以下のチェックリストを基準に、卒業のタイミングを検討してみてください。

✅サプリ卒業のセルフチェック

  • 妊娠12週(4ヶ月目)を過ぎている
  • つわりが完全に終わり、3食しっかり食べられている
  • 葉酸を意識したメニュー(緑黄色野菜、レバー、納豆など)を自炊できている
  • 健診で「貧血」や「血圧高め」と指摘されていない

「リスク指摘」があるなら食事管理へのシフトを

もし、医師から「体重が増えすぎている」「血圧が高め」「血糖値に注意」と言われた場合は、サプリをやめる代わりに、食事全体を見直す必要があります。

ただ、お腹が大きくなる中で、栄養計算された食事を毎日作るのは至難の業です。
無理をして入院になってしまう前に、管理栄養士が監修した「冷凍宅配弁当(宅食)」を活用するのも、立派なリスク管理です。

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葉酸に関するよくある質問

葉酸サプリはいつまで飲むのがベストですか?

厚生労働省は「妊娠1ヶ月前から妊娠12週まで」を最も重要な期間として推奨しています。しかし、妊娠中期以降も貧血予防や胎児の成長のために必要量が増えるため、出産、さらには授乳期が終わるまで継続することが理想的とされています。

妊娠12週を過ぎたらピタッとやめても大丈夫ですか?

12週以降も葉酸は必要ですが、神経管閉鎖障害のリスク予防という最大の目的は達成されています。つわりが終わり、バランスの良い食事が摂れていれば食事からの摂取のみに切り替えることも可能です。ただし、貧血気味の方や食事に自信がない方は継続をおすすめします。

飲み忘れてしまった場合、翌日に2日分飲んでもいいですか?

いいえ、2日分をまとめて飲むのはやめましょう。サプリメントに含まれる合成葉酸には1日の耐容上限量(1,000μg)があり、過剰摂取になる恐れがあります。忘れた分は気にせず、当日の分だけを飲んで再開してください。

つわりがひどくてサプリすら飲めません。赤ちゃんへの影響は?

数日飲めない程度であれば、すぐに悪影響が出ることはありません。無理に飲んで吐いてしまっては逆効果ですので、水分補給を優先してください。錠剤が辛い場合は、葉酸キャンディやゼリータイプなど、口にしやすい形状のものを一時的に利用するのも一つの手です。

食事だけで葉酸を摂ることはできますか?

理論上は可能ですが、食品に含まれる葉酸(天然葉酸)は調理熱に弱く、体への吸収率が50%以下と低いため、必要量を満たすには大量の野菜が必要です。特に妊娠初期は吸収率の高いサプリメント(合成葉酸)の活用を厚労省も推奨しています。

葉酸サプリを飲むタイミングに決まりはありますか?

葉酸は薬ではないため、基本的にいつ飲んでも構いません。ただ、胃への負担を減らすなら「食後」、飲み忘れを防ぐなら「就寝前」など、ご自身のライフスタイルに合わせて続けやすい時間を決めておくのがおすすめです。

もし今、「つわりでご飯が作れない」「栄養管理が不安」と一人で悩んでいるなら、無理に作らない選択で罪悪感を消す方法を読んで、まずは心を軽くしてくださいね。

まとめ:葉酸は赤ちゃんへのお守り。12週まではサプリの力を借りよう

最後に要点を振り返ります。

STEP
妊娠12週まで

最も重要な時期です。赤ちゃんの神経を作るため、食事+サプリで400μgをしっかり摂取しましょう。

STEP
妊娠中期〜後期

貧血予防の時期です。体調が良ければ食事メインに切り替えてもOKですが、不安ならサプリ継続がベター。

STEP
授乳期

ママの回復期です。母乳の質を高め、産後の抜け毛や疲労回復のために葉酸が役立ちます。

葉酸は、あなたと赤ちゃんを繋ぐ「お守り」のような存在です。「いつまで飲まなくちゃ」と義務に感じるのではなく、「今日もお守りを飲んだから大丈夫」と、安心材料として活用してくださいね。

あなたの妊娠生活が、少しでも心穏やかなものになりますように。

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kawauchi
看護師/訪問診療クリニック事務長/計画相談員
私は、看護師として重症心身障害病棟・救命救急HCUに従事した後、有料老人ホームの管理者・看護部長・福祉事業部統括として、入居者の生活と医療連携の現場に携わってきました。

現在は、訪問診療クリニックの事務長として在宅医療の運営に関わると同時に、計画相談員・医療福祉コンサルタントとして、東海エリアを中心に施設紹介・身元保証・医療介護連携の支援を行っています。

病院・施設・在宅という立場の異なる現場をすべて経験してきたからこそわかる、制度論だけではない「現場のリアル」や「家族が直面する苦悩」を踏まえた発信を大切にしています。

このブログでは、現場経験に基づく実践的な情報を軸に、後悔しない選択のための情報を発信しています。
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