「実家の玄関、段差が高すぎて親がよろめいている……」
「トイレから立ち上がる時、ドアノブにしがみついていて危なっかしい」
久しぶりに帰省して、親の衰えにハッとしたことはありませんか?
高齢者の転倒事故は、骨折から一気に「寝たきり(要介護状態)」に繋がる、まさに人生の分かれ道です。
私は看護師として、「あの時、手すりさえあれば」と後悔するご家族を嫌というほど見てきました。
対策として「手すり」や「スロープ」を検討するのは正解です。しかし、焦ってAmazonで買ったり、高額なリフォーム工事を契約するのはちょっと待ってください。
一方で、そもそも手すりでは解決できない「家の構造的な寿命」という問題も潜んでいます。
この記事では、医療と介護の現場視点で「親を守るための最も賢い選択(レンタル・購入・住み替え)」を徹底解説します。
結論:手すりは「介護保険レンタル」が最強である3つの理由
「手すりなんてただの棒だし、買ったほうが安いのでは?」と思うかもしれません。
しかし、介護のプロ目線では、基本的には購入ではなく、介護保険を使ったレンタル(福祉用具貸与)を強くおすすめします。
その根拠は、単なる「安さ」だけではありません。
理由1:月額数百円で「プロの選定・設置」がつく
介護保険(要支援・要介護認定済み)を使えば、利用者の自己負担は原則1割(所得により2〜3割)です。
| 種類 | 市場価格(購入) | レンタル自己負担(月額目安) |
|---|---|---|
| 手すり(工事不要・置き型) | 2万〜4万円 | 200〜400円 |
| 歩行器 | 3万〜5万円 | 300〜500円 |
| スロープ | 2万〜5万円 | 200〜500円 |
※地域や事業者により異なります。出典:厚生労働省「福祉用具貸与参考価格」データより概算
「お父さんの身長ならこの高さ」「ここの動線は手すりよりスロープ」といったフィッティングなしに、素人がネットで買った手すりを置くのは、逆に転倒リスクを高める恐れがあります。
理由2:身体の変化に合わせて「交換・返却」できる
高齢者の身体状況は刻一刻と変化します。
「先月はつかまり立ちができたけど、今月は車椅子になった」という場合、購入した手すりは粗大ゴミになります。
しかし、レンタルなら電話一本で引き取り・交換が可能です。
状況に応じた「最適解」を常に用意できるのがレンタルの強みです。
理由3:定期的なメンテナンスと衛生管理
レンタル品は、事業者が定期的に点検(モニタリング)に来てくれます。
ガタつきの調整や、汚れの消毒など、安全管理を丸投げできるのも、遠距離介護をする家族にとっては大きな安心材料です。
Amazon等で「購入」しても良い唯一の例外
では、通販サイトやホームセンターでの購入は絶対NGかというと、例外があります。
【購入を検討すべきケース】
- まだ介護認定を受けていない(自立)が、予防的に使いたい
- 数千円で買える簡易的なもの(お風呂場の吸盤手すり等は除く)
介護保険のレンタルは「要支援・要介護認定」が必要です。
認定が降りていない元気な親御さんの場合、レンタルは全額自費(10割負担)となり割高です。
その場合は、Amazon等で評価の高い「突っ張り棒式手すり」や「置くだけスロープ」を購入して、一時的な安全を確保するのが賢い選択です。
住宅改修(リフォーム)との違い
壁に穴を開けてネジで固定する手すりは「レンタル」できません。
これは「住宅改修費支給申請(上限20万円)」という別の制度を使います。
ただし、一度工事すると位置を変えられないため、慎重な判断が必要です。
【核心】手すりだらけの家より「安全な家」への住み替え
ここで少し視点を変えて、根本的な話をさせてください。
もしご実家が以下のような状況だとしたら、手すりをつけるだけで本当に安心でしょうか?
- 築40年以上の旧耐震基準の木造住宅
- 段差だらけで、廊下が狭く車椅子が通れない
- 冬の脱衣所やお風呂が極寒(ヒートショックのリスク)
- 2階にしか寝室がない
これらは「家の構造的欠陥(バリア)」であり、いくら手すりをつけても解消できません。
看護師としてお伝えしたいのは、「危険な家に無理に住み続け、数百万円かけてリフォームする」よりも、「今の家を売って、バリアフリー完備の住環境へ移る」ほうが、結果的に健康寿命が延びるという事実です。
リフォームか、住み替えか。まずは「軍資金」を知る
「うちは古いから売れない」「リフォーム代も出せない」と諦めていませんか?
現在は古民家ブームや土地需要の高まりで、ご自身が思っている以上の価格がつくケースも多々あります。
重要なのは、「いざという時、この家はいくらで売れるのか(住み替えの軍資金はいくらか)」を把握しておくことです。これを知っているだけで、介護方針の選択肢が劇的に広がります。
家の状態によって、相談すべき相手は明確に分かれます。ご実家はどちらのタイプに近いですか?
タイプA:適正価格を知りたい・安売りしたくない
「建物は古いが、土地としての価値はある」「できるだけ高く売りたい」という場合は、業界最大手への相談が最も確実です。 三井のリハウスは不動産仲介取扱件数No.1の実績。
近隣の取引事例に基づいた「精度の高い査定」が強みです。
まずはここの査定額を基準にするのが失敗しないコツです。
タイプB:ボロボロ・ゴミ屋敷・他で断られた
「築年数が古すぎる」「雨漏りがある」「荷物が散乱している」など、普通の不動産屋では相手にされない物件はこちらへ。
訳あり不動産買取「ワケガイ」は 再建築不可や事故物件、ゴミ屋敷状態でもそのまま買い取ってくれます。
「処分に困っている」「近所に知られずに手放したい」という方の駆け込み寺です。
転倒予防は「道具」と「筋肉」のセットで考える
環境(家)を整えたら、最後はご本人の「身体機能」です。
手すりに頼りきりになると、足腰の筋肉は驚くほどのスピードで落ちていきます。
これを防ぐには、リハビリ以上に「毎日のタンパク質摂取」が重要です。
「粗食」が骨折を招く?
高齢になると「あっさりしたものがいい」と、お茶漬けや麺類ばかりになりがちです。
しかし、筋肉の材料であるタンパク質が不足すると、転倒しやすくなる「サルコペニア(筋力低下)」が加速します。
「最近、親が肉や魚を食べていないな」と思ったら、手軽に栄養管理ができる「高齢者向けの宅配食」を活用してください。
内側から筋肉を守ることも、立派なバリアフリー対策です。
まとめ:安全は「情報」と「準備」で買える
「住み慣れた家がいい」という親御さんの気持ちを尊重しつつ、家族として最悪の事態(骨折・寝たきり)を避けるためにできることは3つです。
まずは「介護保険レンタル」 自己判断で購入せず、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談して、プロに選定してもらいましょう。
リフォームは底なし沼になりがちです。
家の査定額を知り、「住み替え」という根本解決の選択肢を持っておきましょう。
便利な宅配食などを活用し、転びにくい体作りをサポートしましょう。
「まだ早いかな?」と思う今のうちに、無料査定やカタログ請求だけでも済ませておくことを強くおすすめします。
選択肢を持っていることこそが、介護生活における最大の「心の余裕」になります。









