「冬なのに、無性に氷をガリガリ噛み砕きたくなる」
「お風呂上がりに立ちくらみがして、目の前が真っ白になる」
「階段を数段登っただけで、全力疾走したように息が切れる」
特に「氷食症(ひょうしょくしょう)」と呼ばれる氷を食べる行動は、重度の鉄欠乏性貧血特有のサインです。
体が「酸素が足りない!」と悲鳴を上げている証拠です。
しかし、病院で処方される「鉄剤」は胃腸への負担が大きく、「吐き気が辛くて勝手にやめてしまった」という妊婦さんが後を絶ちません。
今回は、貧血予防と貧血対策について、看護師視点・ママ視点で考えていきます。
子育は大変です。無理のない産前産後を過ごせるようにしていきましょう。
この記事の結論
- コンビニ食は「非ヘム鉄×ビタミンC(100%ジュース等)」の組み合わせが最強
- 氷食症は「重度の鉄不足」のサイン。転倒リスクがあるため放置厳禁!
- 鉄剤の吐き気は「食後すぐ」の服用や「シロップ・注射」への変更で防げる
なぜ妊婦は貧血になる?「水っぽい血液」のリスク
妊娠中、ママの体内の血液量は妊娠前の約1.4倍に増えます。
しかし、ここで問題なのが「増え方」です。
血液の液体成分(血漿)は大幅に増えますが、酸素を運ぶ「赤血球」の増加はそれになかなか追いつきません。
つまり、血液全体が水で薄まった状態(水血症)になり、誰でも貧血になりやすいのです。
【最重要】フラッとしたら「恥じずに」しゃがんで!
貧血で一番怖いのは、意識を失って転倒し、お腹を強打することです。
最悪の場合、「常位胎盤早期剥離」など母子の命に関わる事態になりかねません。
スーパーのレジ待ちでも、駅のホームでも、「あ、めまいが来る」と思ったら、人目を気にせずその場にしゃがみ込んでください。
誰になんと言われようと、それが赤ちゃんを守る唯一の行動です。
鉄剤で「気持ち悪くなる」のはなぜ?看護師直伝の対策
病院で処方される鉄剤(フェロミア、フェロ・グラデュメット等)は、吸収される過程で活性酸素が発生し、胃の粘膜を刺激します。これが吐き気や胃痛の原因です。
「飲みなさい」と言われても辛いものは辛いですよね。以下の方法を試してみてください。
通常、鉄剤は吸収率の良い「空腹時」に指示されることが多いですが、胃への負担は最大になります。
「食後すぐ(胃に食べ物がある状態)」に飲むことで、クッション作用により吐き気を軽減できます。
主治医に「胃が辛いので食後に変えてもいいですか?」と相談してみましょう。
錠剤がダメでも、小児用としても使われる「インクレミンシロップ」なら飲めるという方もいます。
量を調整しやすいメリットもあります。
どうしても経口摂取(口からの内服)が無理な場合は、週に数回通院して「鉄剤注射」をする方法があります。
我慢して自己中断するのが一番危険です。
コンビニで完結!「鉄分」吸収率爆上げセット
食事から摂る鉄分には2種類あります。
| ヘム鉄(動物性) | 肉・魚に含まれる。 吸収率が高い(10〜20%)。 |
|---|---|
| 非ヘム鉄(植物性) | 野菜・卵・豆に含まれる。 吸収率が低い(2〜5%)。 |
日本人の食事に含まれる鉄分の多くは吸収されにくい「非ヘム鉄」です。
コンビニ食で効率よく摂るなら、「非ヘム鉄」を「ビタミンC」や「タンパク質」と一緒に摂って吸収率をブーストさせるのが鉄則です。
- 最強ランチセット
- 鉄分おやつ
- NGな飲み物
- メイン:あさりのパスタ(あさりは鉄分の宝庫)、または牛丼(赤身肉)
- サイド:ゆで卵、ひじきの煮物、ほうれん草の胡麻和え
- ドリンク:100%オレンジジュース(ビタミンCが非ヘム鉄の吸収を強力に助けます!)
- ドライプルーン(食物繊維も豊富で便秘対策にも)
- 甘栗(意外と鉄分・葉酸が含まれています)
- アーモンド・カシューナッツ
- 豆乳飲料(ココア味などは鉄分強化されている商品も多い)
コーヒー、紅茶、緑茶に含まれる「タンニン」は、鉄と結びついて吸収を妨げてしまいます。
食事中や食後1時間は、これらを避けて「麦茶」「ルイボスティー」「水」を選びましょう。
キッチンで倒れたら大変!辛い日は「宅配食」に頼って
「コンビニ食ばかりだと塩分が気になる…」
「でも、自炊するためにキッチンに立つと貧血でクラクラする」
そんなジレンマを抱えている方へ。貧血の時期だけでも「栄養計算された宅配食(冷凍弁当)」を利用するのは、医療的観点からも非常に賢い選択です。
貧血で意識を失う場所として、お風呂場と並んで危険なのが「キッチン」です。
火や包丁を使っている時に倒れたら大事故になります。辛い時は無理せず「レンチン」に頼ってください。
【妊婦さんに宅配食がおすすめな理由】
- 鉄分・塩分を管理栄養士が計算: コンビニ弁当より圧倒的にヘルシーで、妊娠高血圧症候群の予防にもなります。
- 買い出し不要で重くない: お米や調味料など、重い荷物を持ってスーパーを往復する必要がなくなります。
- 産後の予行演習になる: 産後はさらに料理をする時間がなくなります。今のうちに「美味しい宅配食」を見つけておくと、産後の命綱になります。
特に栄養バランスに特化したサービスは、つわりや貧血で料理ができない妊婦さんの強い味方です。
食事だけでは限界…「推奨量」を満たす難しさ
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、妊娠中期〜後期に必要な鉄分量は、非妊娠時(月経なし)の推奨量6.5mgに、+9.5mg(付加量)を加えた約16.0mg/日が必要です。
これは、非妊娠時の約2.5倍もの量。
これを食事だけで毎日満たすのは、私たち医療従事者でも至難の業です。
「鉄剤は無理でも、サプリなら飲める」理由
処方薬が飲めない方は、無理をせず妊婦専用のオールインワンサプリ(葉酸サプリ)を「お守り」として活用してください。
【サプリ活用のメリット】
- 胃への負担が少ない:鉄分がコーティングされていたり、ヘム鉄を配合するなど工夫されており、医薬品に比べて副作用が出にくい設計です。
- 吸収サポート成分を配合:ビタミンB群・Cなど、鉄の吸収を助ける栄養素が最初から入っています。
- つわりの時期も安心:食事が喉を通らない日でも、最低限の栄養を確保できます。
出産時は必ず出血を伴います。「安産(母体の無事)」のためにも、今のうちに少しでも血の貯金を作っておきましょう。
【鉄分重視】副作用が心配な妊婦さんにおすすめ!葉酸サプリ比較
妊娠中の貧血に関するよくある質問
- 貧血だと赤ちゃんにどのような影響がありますか?
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ママが貧血でも、赤ちゃんは優先的に鉄分をもらうため、すぐに赤ちゃんが貧血になるわけではありません。しかし、重度の貧血が続くと、赤ちゃんの発育不全や低出生体重児のリスクが高まるという報告もあります。また、出産時にママの体力が持たなかったり、産後の回復が遅れたりする原因にもなります。
- 鉄剤とお茶を一緒に飲むのは本当にダメですか?
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以前は「お茶のタンニンが鉄の吸収を妨げる」と厳しく言われていましたが、最近の研究では「貧血治療に大きな影響はない」とされることも増えています。しかし、少しでも吸収率を上げたい場合は、やはり水や白湯、または吸収を助けるオレンジジュースなどで飲むのがベストです。
- コンビニのおにぎりで鉄分が多い具材は?
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おすすめは「あさり」「牛しぐれ煮」「鮭」などです。海苔にも鉄分が含まれています。これらにプラスして、ゆで卵やサラダチキンを一緒に食べるとタンパク質も摂れてより効果的です。
まとめ:貧血対策は「出産準備」の第一歩です
立ちくらみや氷食症は、体が「赤ちゃんに届ける酸素が足りないよ!」と叫んでいるサインです。
- めまいがしたら、恥じずに即しゃがむ(転倒回避)
- 鉄剤は食後に飲むか、医師に相談してシロップ・注射を検討する
- コンビニ食やサプリで、美味しく鉄分を底上げする
無理な我慢はせず、自分に合った方法で数値を改善し、万全の状態で出産当日を迎えましょう。
















