静岡市駿河区で老人ホームを探す方へ｜費用相場・医療体制・事例を専門家が解説

静岡市駿河区で老人ホーム・介護施設を探しているご家族・ケアマネジャー・MSWの方へ

静岡市駿河区の高齢化率は年々上昇し、それに伴い介護施設や老人ホームの数も増えてきました。
一方で、「どの施設が合うのか分からない」「費用や医療対応が不安」「空き状況をどうやって確認すればいいか分からない」という声を多く聞きます。

この記事では、静岡市駿河区エリアで実際に施設紹介・在宅医療に関わっている筆者の経験をもとに、施設の種類と特徴・費用相場・失敗しない選び方・実際の紹介事例を分かりやすく解説します。

この記事で分かること
・駿河区にある高齢者施設の種類と違い
・月額費用や入居条件の目安
・見学時に必ずチェックしたいポイント
・実際の成功例・失敗例から学ぶ注意点
・プロに相談した方が良いケース

この記事を書いた人
看護師としてHCU（高度治療室）・重症心身障害施設勤務を経験後、介護施設管理者・在宅医療クリニックの事務長として勤務。
静岡市内で施設紹介・身元保証・在宅医療連携に携わり、多数のご家族・ケアマネ・MSWの相談に対応。

「もう自分たちだけでは決めきれない…」と感じたら、無理せず一度ご相談ください。

静岡市駿河区の高齢者施設の種類と特徴

結論：駿河区は施設の「種類」と「数」のバランスが良く、選択肢は豊富ですが、その分「選びきれない」エリアです。

まずは施設の種類と特徴を押さえることが、入居後のミスマッチを防ぐ第一歩です。静岡市駿河区には、主に次のような高齢者施設があります。

• 有料老人ホーム（介護付き・住宅型・健康型）
• サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）
• グループホーム（認知症対応型共同生活介護）
• 特別養護老人ホーム（特養）

特に珍しい形態の施設はありませんが、何かが極端に少ないということもなく、他の市町村と比べるとバランス良く施設が揃っているエリアです。

そのため「入れるところが全くない」という状況は少ない一方で、選択肢が多いからこそ、どこにしようか迷ってしまうご家族が多い印象です。

有料老人ホーム

民間事業者が運営する介護施設で、介護付き・住宅型・健康型などタイプが多様です。
介護度や医療対応の幅は施設によって大きく異なるため、「どこまで看てもらえるのか」を事前に確認することが重要です。

駿河区内には、中心市街地にあり医療機関へのアクセスが良い施設から、郊外で自然に囲まれた静かな環境の施設まで、幅広い選択肢があります。

サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）

バリアフリー設計の賃貸住宅に安否確認・生活相談サービスが付いた住まいです。
介護サービスは外部の訪問介護・訪問看護などと連携して提供されます。

比較的自立度が高い方や、「できることは自分で続けたい・でも一人暮らしは不安」という方、軽度の介護が必要な方に向いています。

グループホーム

認知症の方が少人数で共同生活を送りながら、専門スタッフの支援を受ける施設です。

アットホームな環境が特徴で、家庭的な雰囲気・ゆったりした生活を求める方に適しています。

グループホームは「住民票のある市町村」での受け入れが一般的です。
静岡市の場合は市単位のため、駿河区の方が清水区や葵区のグループホームに入居することも可能です。

特別養護老人ホーム（特養）

要介護3以上の方が主な対象となる公的施設です。
費用が比較的安く人気が高い一方で、入居待機が長期化するケースも少なくありません。

静岡市駿河区の施設費用相場と入居条件

結論：駿河区の高齢者施設は、月額8〜25万円前後が一つの目安です。
ただし、介護度・医療ニーズ・お部屋の広さ・立地によって大きく変わるため、あくまで「目安」として捉えてください。

費用は施設種別や立地、提供サービス内容によって異なります。駿河区内のおおよその目安は以下の通りです。

• 有料老人ホーム：月額15〜25万円程度、入居一時金0〜300万円
• サ高住：月額12〜20万円程度、敷金2〜3ヶ月分
• グループホーム：月額15〜20万円程度、入居金0〜50万円
• 特養：月額8〜13万円程度（介護保険自己負担1割の場合）

入居条件は介護度・認知症の有無・医療処置の有無などによって変わります。
例えば、人工呼吸器・胃ろう・夜間の頻回な吸引や点滴が必要な場合、対応できる施設は限られてきます。

同じ「有料老人ホーム」でも、看護師が日中のみ常駐なのか、24時間なのかで受け入れられる医療行為は大きく変わります。
「この病気でも入れるか」「今後こうなったらどうなるか」は必ず事前に確認しましょう。

施設を選ぶときのチェックポイント

結論：パンフレットや見学の雰囲気だけで決めず、「医療体制」「職員体制」「退去事例」を必ず確認しましょう。

施設の綺麗さや職員の挨拶は、見学に行けば何となく分かります。
しかし、入居後の対応や最期の迎え方は、事前にどこまで確認できたかで大きく変わります。以下の点も必ずチェックしてみてください。

• 医療連携：近隣に提携医療機関があるか、訪問診療や訪問看護との連携体制は整っているか。
• 介護職員の定着率：離職率が高い施設は、人手不足によるケアの質低下が懸念されます。
  「オープン当初からいる職員はどのくらいいますか？」などもさりげない質問になります。
• 夜間体制：夜間の職員配置・看護師の有無・緊急時の対応方法（救急搬送の判断基準など）を確認。
• 退去事例：入居後すぐに退去したケースがあるか、その理由は何かを聞く。
  「どんな方が合わなかったですか？」と聞くと、自分の家族が合うかどうかイメージしやすくなります。

老人ホーム・介護施設 見学チェックリスト

見学に行くと、その場の雰囲気に流されてしまいがちです。
事前にチェックリストを用意しておくことで、「聞き忘れ」「見落とし」を防ぐことができます。

施設の選び方の詳しいポイントは、以下の記事も参考にしてみてください。

現場の声：ケアマネ・家族が語る施設選びの成功例・失敗例

成功例：医療連携がうまくいったケース

あるご家族は、駿河区中心部のA施設に入居しました。
主治医の訪問診療が継続でき、スタッフの対応もきめ細やかで、入居後の健康状態が安定。
ご家族からは「もっと早く入居すればよかった」との声がありました。

医療ニーズの高い方ほど、「自宅・病院・施設・在宅医療」が同じ方向を向いているかが大切です。

失敗例：空き状況だけで決めてしまったケース

別のケースでは、「とにかく早く退院しなければ」という理由から、空きがあるB施設に即決。
しかし入居後、夜間の医療対応が不十分で再入院となり、結果的に別施設への転居を余儀なくされました。

このケースは、訪問診療に入っている患者様が遭遇した事例で、
「施設紹介としても関わっていれば、こんなことにはならなかったのに…」と強く感じたケースでした。

静岡市駿河区での施設紹介事例

ここからは、実際に私が施設紹介で関わった事例を紹介します。
「どんな人が、どんな施設に向いているのか」をイメージする参考にしてください。

A施設（医療連携強化）

総合病院MSWからの相談で、施設紹介＋身元保証にて介入しました。

• 種別：有料老人ホーム
• 癌末期で、点滴や酸素投与が必要な状態
• 医療機関との距離が近く、緊急時の対応が迅速
• 看護師常駐、夜間も医療連絡体制あり
• 月額費用：約20万円

ご本人と「最後どのように過ごしたいか」を丁寧に話し合い、
今後予測される病状の変化も踏まえながら、「どの選択が一番その人らしいか」を一緒に考えていきました。

施設入居後、数か月で息を引き取られましたが、
ご本人からは「本当にありがとう。おかげで穏やかに過ごせている」との言葉があり、
最後まで笑顔で過ごすことができました。

B施設（少人数・家庭的ケア）

担当ケアマネージャーからの相談で、施設紹介にて介入しました。

• 定員9名のグループホーム
• 認知症ケアに特化し、終身での利用が可能
• 認知症の進行により、自宅を手放すことへの理解が得られず家族が困っていた
• 月額費用：約17万円

認知症の進行により、在宅での一人暮らしが難しくなり施設入居を検討。
できなくなっていることも自覚できない状態で、「自宅を撤去すること」にどうしても同意が得られませんでした。

親族関係者と一緒に複数の施設を見学し、ご本人にとって最も安心して暮らせるであろう施設を選定。
親族・施設職員と連携しながら、無理のない形で入居の日を迎えました。

ご家族からは「施設に入居したら嫌がるかと思っていましたが、おかげで楽しそうに過ごせています。
私たちだけではこんなに良い施設も見つけられなかったし、スムーズに入居まで進めることも出来なかったと思うので感謝しかありません」とのお言葉をいただきました。

C施設（生活保護・身元保証人なし）

総合病院MSWからの相談で、施設紹介にて介入しました。

• 種別：有料老人ホーム
• 施設・区役所（保護課）との調整を行い入居
• 将来的に医療行為が生じた場合でも対応可能な体制
• 身元保証人なしでの入居

MSWからは身元保証の依頼もありましたが、金銭的な理由でご本人が拒否されました。
そのため今回は、施設紹介として身辺整理のサポートも含めて対応しました。

身元保証人なしでの施設入居は、
①身元保証人になれる人がいない
②入居時の書類手続きや自宅の片付けなどをしてくれる人がいない
といった事情から、受け入れ施設が見つからなかったり、保護課の担当者が頭を抱えるケースが多くあります。

①については、施設から「正式な保証人でなくても、いつも臨機応変に対応してくれているので問題ないです」と言っていただき、
当社と施設との日頃からの信頼関係により受け入れが可能になりました。

②については、施設入居のために身辺整理が必要だったため、身元保証契約なしで片付けなどのお手伝いをさせていただきました。

私たちは「できない理由」を探すのではなく、どうすれば実現できるかという視点で方法を一緒に考えます。
他社で断られたケースでも、対応可能な方法を一緒に探していきます。

利用者様：「こんな私に行くところなんてないよ」
　→ 入居後「こんな良いところに入れてくれてありがとう」
MSW：「どうしようもないと思っていましたが、相談してよかったです」
というお言葉を頂きました。

見学・入居までの流れ

結論：最初に「条件整理」、途中で「専門職との情報共有」、最後に「契約内容の最終確認」ができていれば、大きなトラブルは防ぎやすくなります。

1. 条件整理（医療ニーズ・介護度・予算・希望エリア・家族の希望）
2. 候補施設の抽出と見学予約（2〜3ヶ所を目安に）
3. 主治医・ケアマネとの情報共有（病状・生活歴・今後の方針）
4. 体験入居や短期入所での確認（可能な場合）
5. 契約・入居（重要事項説明・医療対応の範囲を最終確認）

流れ自体はシンプルですが、実際には病院・ケアマネ・施設・役所など、多くの職種が関わるため、
「誰が何をしてくれているのか分からない」「自分は何をすればいいのか分からない」と不安になる方も少なくありません。

そんな時は、一人で抱え込まずに私たちを頼ってください。
ご家族・ケアマネ・MSW・医療機関との間に入り、連絡調整も含めてサポートします。

静岡市駿河区の老人ホームに関するよくある質問

静岡市駿河区の老人ホームは月額いくらくらいかかりますか？

種類によって異なりますが、目安として有料老人ホームは月額15〜25万円、サ高住は12〜20万円、グループホームは15〜20万円、特養は8〜13万円程度です。介護度や医療ニーズ、立地によって変わるため、個別の見積もり確認がおすすめです。

どの施設種別が自分の家族に合うのか分かりません。

現在の介護度、認知症の有無、医療処置の有無、「どんな暮らし方を望むか」によって最適な施設は変わります。条件整理とヒアリングを行うことで、有料老人ホーム・サ高住・グループホーム・特養のどれが合うか一緒に整理していきます。

生活保護や身元保証人がいない場合でも施設に入れますか？

条件は施設によって異なりますが、生活保護や身元保証人なしの方でも受け入れ可能な施設はあります。行政や医療機関と連携しながら進めるケースが多いため、早めに専門家へ相談されることをおすすめします。

施設見学ではどこをチェックすればよいですか？

建物の綺麗さよりも、医療連携の体制、夜間の職員配置、介護職員の定着率、過去の退去事例などを確認しましょう。チェックリストを持参すると、複数施設を比較しやすくなります。

退院日が迫っていて急いで施設を探さなければなりません。間に合いますか？

状況によりますが、条件整理と優先順位付けを行えば、短期間でも候補を絞ることは可能です。病院のMSW・主治医とも連携しながら、退院後の受け入れ先を一緒に調整していきます。

まとめ：静岡市駿河区の老人ホームに関する情報はプロに相談を

施設の空き状況・職員体制・医療対応の可否は、日々変化しています。
インターネットやパンフレットの情報だけでは、「今、本当に入れるのか」「うちの家族の状態で受け入れ可能か」までは見えにくいのが実情です。

静岡市駿河区で安心して暮らせる施設を見つけるためには、地域の施設状況や在宅医療に精通した専門家に相談することが近道です。

「退院が迫っていて急いで探したい」「生活保護や身元保証などの事情があって進まない」「遠方に住んでいて見学に行けない」など、
状況が複雑なケースほど、早めのご相談をおすすめします。