「朝、どうしても布団から出られない」
「休日は泥のように眠り、気づけば夕方…」
「理由もないのに涙が出たり、イライラしたりする」
もしあなたがこのような状態にあるなら、それはあなたの性格や根性が原因ではありません。
脳内の神経伝達物質「セロトニン」が枯渇しているサインかもしれません。
現役の看護師として、またクリニックの事務長として多くの患者様と接してきましたが、セロトニン不足は現代の「室内ワーカー」にとって職業病とも言える深刻な問題です。
放置すると、うつ病や自律神経失調症への入り口になりかねません。
この記事では、3分でできる「セロトニン不足度チェック」と、薬に頼らず今日からできる「脳のリカバリー術」を解説します。
今の自分の状態を客観的に知り、心の重りを下ろす第一歩を踏み出しましょう。
【3分診断】セロトニン不足度セルフチェックリスト
以下の20項目のうち、過去2週間以内のあなたの状態に当てはまるものが何個あるか数えてください。
- 朝、布団から出るのが苦痛で仕方がない
- 午前中は頭が働かず、ミスを連発する
- 1日の中で日光を浴びる時間が15分未満だ
- 休日は昼過ぎまで寝だめをしてしまう
- ささいな一言に傷つき、いつまでも引きずる
- 低気圧や雨の日には、体調も気分も崩れる
- チョコレートやパン、麺類が無性に食べたくなる
- デスクワーク中に気づくと猫背になっている
- 夕方になると理由のない不安感や寂しさに襲われる
- 寝つきが悪く、夜中に何度も目が覚める
- 以前楽しかった趣味やテレビ番組がつまらない
- 階段の上り下りだけで動悸や息切れがする
- マッサージに行っても治らない慢性的な肩こりがある
- 鏡を見ると、表情がなく能面のように見える
- 便秘と下痢を繰り返している(過敏性腸症候群気味)
- 常に歯を食いしばっている気がする
- 同時に複数のタスクが来るとパニックになる
- 仕事以外の時間は人と会いたくない
- 1日の歩数が3,000歩以下(通勤以外歩かない)
- 朝食を抜く、またはコーヒーだけで済ませる
【診断結果】あなたの脳内エネルギー残量
チェックがついた数を数えてみてください。現在の深刻度と、優先すべき対策が分かります。
- 0〜5個:【レベル1】セロトニン予備軍
-
現在は比較的安定しています。しかし、季節の変わり目やプロジェクトの繁忙期には注意が必要です。今のうちに「朝の習慣」を整え、予防に努めましょう。
推奨アクション:起床時にカーテンを開け、5分だけ窓辺に立つ。 - 6〜12個:【レベル2】慢性的なセロトニン不足
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脳が「ガス欠」を起こしかけています。イライラや集中力低下は、脳からのSOSです。これ以上頑張ろうとせず、意識的に「休む」ことと「食事の改善」が必要です。
推奨アクション:朝食にバナナと豆乳を取り入れる。 - 13個以上:【レベル3】深刻なセロトニン枯渇
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心身ともに限界に近い状態です。「気合でなんとかする」フェーズは過ぎています。生活習慣の改善を最優先にし、症状が辛い場合は心療内科への相談も視野に入れてください。
推奨アクション:スマホを置いて、今夜は23時までに布団に入る。
なぜ「室内ワーカー」はセロトニンが枯渇するのか?
セロトニンは、精神を安定させ、幸福感をもたらす脳内物質です。
しかし、現代のデスクワーク環境は、セロトニン生成を阻害する「3つの悪条件」が揃っています。
日照不足による合成停止
セロトニンの合成は、網膜が「朝の光」を感知することでスイッチが入ります。
遮光カーテンで寝起きし、地下鉄で通勤し、窓のないオフィスで働く生活では、スイッチが入らないまま一日が終わってしまいます。
運動不足による活性化不全
セロトニン神経は「リズム運動(歩行、咀嚼)」で活性化します。
座りっぱなしでPC画面だけを見つめる姿勢は、セロトニン神経を弱らせる最大の要因です。
デジタルストレスによる浪費
SNSやメール通知などの絶え間ない情報は、脳の扁桃体を刺激し「闘争・逃走反応」を引き起こします。
この興奮を鎮めるために、貴重なセロトニンが浪費されてしまうのです。
【看護師直伝】今日からできる「セロトニン充電」3つの処方箋
厚生労働省の「e-ヘルスネット」でも推奨されている生活習慣をもとに、忙しい方でも実践できる具体的なメソッドを紹介します。
1. 「朝15分」の光チャージ
セロトニン活性化には、2,500ルクス以上の光が必要です。
オフィスの照明は通常500ルクス程度なので、全く足りません。
- 起きたらまずカーテンを全開にする(曇りでもOK)
- 通勤時は日陰ではなく、あえて日向を歩く
- 可能ならコンビニまでは遠回りして歩く
「わざわざ散歩」ができなくても、通勤ルートを少し変えるだけで効果があります。
2. デスクでできる「リズム運動」
セロトニン神経は、一定のリズムを刻む運動で活性化します。
座ったままでもできることがあります。
- ガムを噛む(咀嚼):朝の通勤中や仕事開始前の5分間、ガムを噛むことで脳が覚醒します。
- 呼吸法:5秒吸って、10秒かけてゆっくり吐く。これを3分繰り返すだけで、横隔膜の運動になりセロトニンが増えます。
3. 原料となる「トリプトファン」を食べる
セロトニンは体内では生成できないため、食事から「トリプトファン」を摂る必要があります。
| 食材ジャンル | おすすめメニュー |
|---|---|
| 大豆製品 | 納豆、豆腐の味噌汁、豆乳 |
| 乳製品 | チーズ、ヨーグルト、ホットミルク |
| ビタミンB6 | バナナ、カツオ、マグロ(合成を助ける) |
最強の組み合わせは「バナナ+豆乳」または「卵かけご飯+納豆」です。
朝食でこれを摂るのが、一日のメンタル安定の鍵です。
セロトニンに関するよくある質問
- セロトニンを増やすサプリメントは効果がありますか?
-
一定の効果は期待できますが、サプリメントはあくまで「食事の補助」です。セロトニンの材料となるトリプトファンやビタミンB6を含むサプリは有効ですが、基本は食事と日光による生体リズムの調整が不可欠です。また、抗うつ薬を服用中の方は、飲み合わせ(セロトニン症候群のリスク)について必ず主治医に相談してください。
- 生活習慣を変えてから、どのくらいで効果を実感できますか?
-
個人差はありますが、早い方で2週間、通常は3ヶ月程度継続することで体質の変化を感じられます。脳の神経回路が変化するには時間がかかるため、焦らずに「朝カーテンを開ける」「よく噛んで食べる」といった小さな習慣を続けることが大切です。
- チェックリストで「レベル3」でした。すぐに病院へ行くべきですか?
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「2週間以上、気分の落ち込みが毎日続いている」「仕事や家事に支障が出ている」「食欲がない、または眠れない」といった症状がある場合は、無理をせず心療内科やメンタルクリニックの受診をおすすめします。早めの相談が、早期回復の鍵となります。
- 生理前になると特にイライラがひどいのですが、関係ありますか?
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はい、深く関係しています。女性ホルモンの分泌量が変動すると、セロトニンの機能も低下しやすいことが分かっています。特に生理前(PMS期)はセロトニンが減少しやすいため、普段以上に意識的に休息を取り、トリプトファンを含む食事(豆乳やバナナなど)を摂ることをおすすめします。
- 雨や曇りの日は日光を浴びられませんが、どうすればいいですか?
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日光よりは弱いですが、室内の照明を明るくすることでもある程度の効果はあります。雨の日は「光」の不足分を補うために、室内でできる「リズム運動(ラジオ体操や踏み台昇降)」を少し長めに行ったり、ガムを噛んで脳を刺激したりするのが効果的です。
- 子供や高齢者でもセロトニン不足になりますか?
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はい、年代を問わず起こります。子供の場合はゲームやスマホによる夜更かし・外遊び不足が主な原因となり、朝起きられない(起立性調節障害など)ことに繋がる場合があります。高齢者の場合は活動量の低下が原因になりやすいため、無理のない範囲での散歩や、日向ぼっこを推奨しています。
まとめ:脳の「燃料切れ」を責めないで
チェックリストの結果が悪くても、落ち込む必要はありません。
それは「あなたが頑張りすぎて、燃料が切れている」という身体からのサインです。
✅今日から始めるスモールステップ
- 明日の朝、起きたら窓を開けて深呼吸する。
- 朝食にバナナか納豆をプラスする。
- 歩くときは「1・2、1・2」とリズムを意識する。
セロトニンは、正しい習慣さえ取り戻せば、必ずまた分泌されます。
まずは明日の朝、カーテンを開けるその一動作から始めてみてください。

