「退院の時、主治医から『腸閉塞(イレウス)には十分気をつけてくださいね』と言われたけれど、具体的にどうすればいいの?」
「キノコや海藻がダメなのは聞いたけれど、毎日の献立をどうやってやり繰りすればいいのか不安でたまらない……」
胃がんや大腸がんの手術を終え、ご自宅での生活がスタートしたご家族から、在宅医療の現場で最も多く寄せられる切実な悩みです。
私はこれまで、救急や重症心身障害病棟の看護師として、また有料老人ホームの管理者として、数え切れないほどの「腸閉塞(イレウス)」の患者様を看てきました。
現在は訪問診療クリニックの事務長として、多くのご家庭の療養生活をサポートしていますが、まず最初にお伝えしたいことがあります。
それは、「腸閉塞(イレウス)は、正しい知識と少しの工夫、そして『外部のサポート』を上手に活用することで十分に予防できる」ということです。
術後の再入院理由として非常に多い腸閉塞ですが、ご家族が一人で神経質になりすぎ、毎日の食事作りで疲弊してしまっては本末転倒です。
この記事では、腸閉塞が起こるメカニズムから、医学的根拠に基づいた「食べてはいけないものリスト」、そしてご家族の疲労を劇的に減らす「賢い宅配食の活用法」までを分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- なぜがんの手術後は腸閉塞(イレウス)になりやすいのか
- 【完全版】絶対に避けたい食材・注意すべき果物や主食リスト
- 食事以外で腸閉塞を防ぐための3つの生活習慣
- 家族の「買い出し・調理疲れ」を解消する具体的なサービス活用術
なぜ胃がん・大腸がんの術後は「腸閉塞(イレウス)」になりやすいのか?
腸閉塞(イレウス)とは、食べたものや消化液、ガスなどが腸の中に詰まり、先へ進まなくなってしまう状態のことです。
激しい腹痛、吐き気、嘔吐、お腹の張り、排便・排ガスの停止といった非常につらい症状を引き起こし、多くの場合で入院治療が必要になります。
がんの手術後にこの腸閉塞が起こりやすくなるのには、明確な医学的理由があります。
最大の原因は「癒着(ゆちゃく)」による腸の狭窄
開腹手術や腹腔鏡手術を行うと、傷ついた組織が治っていく過程で、本来はくっついていないはずの腸同士、あるいは腸と腹壁(お腹の壁)がくっついてしまうことがあります。
これを「癒着(ゆちゃく)」と呼びます。
癒着が起こると、腸が折れ曲がったり、通り道が狭くなったり、腸の動き(蠕動運動)が悪くなったりします。
この狭くなった通り道に、消化の悪い食べ物が引っかかってしまうことで、物理的に腸が塞がる「腸閉塞」が引き起こされるのです。
⚠️術後数年経っても油断は禁物!
「手術からもう1年経ったから大丈夫だろう」と油断してはいけません。
癒着による腸の狭窄は、術後数ヶ月〜数年経過してから突然症状として現れることも少なくありません。
食事の工夫や生活習慣の改善は、一時的なものではなく「長期的な習慣」として定着させることが重要です。
「腸閉塞も怖いけれど、術後にどんどん痩せていくのも心配……」という方は多いはず。
がん術後の体重減少を防ぐ「高密度栄養」の食事術を併せて確認してください。
効率的な栄養摂取こそが、イレウスに負けない強い体を作る近道です。
【完全版】腸閉塞を防ぐ「食べてはいけないもの・注意すべき食材」
癒着によって狭くなった腸に食べ物を詰まらせないためには、「消化されずに腸まで届くもの(主に不溶性食物繊維)」を徹底して避けることが最大の防御策となります。
クリニックの現場で、患者様やご家族に必ずお渡ししている「要注意食材リスト」をご紹介します。
絶対に避けたい!そのまま腸に残りやすい食材
以下の食材は、水に溶けにくく、胃液や腸液でも消化されずにそのままの形で腸を通過しようとするため、狭くなった腸に「フタ」をしてしまう危険性が極めて高いものです。
- キノコ類:しいたけ、えのき、しめじ、エリンギなど(※細かく刻んでも消化されないため特に危険です)
- 海藻類:わかめ、昆布、ひじき、めかぶ、もずく
- こんにゃく類:こんにゃく、しらたき
- 根菜類・筋の多い野菜:ごぼう、レンコン、たけのこ、セロリ、ふき、アスパラガスの根元
意外と盲点?注意すべき果物や主食
一般的に「健康に良い」とされる食品でも、術後のデリケートな腸には大きな負担となるものがあります。
- 食物繊維の多い果物:柿、パイナップル、キウイ、梨、柑橘類の薄皮(みかんなど)
- 消化の悪い主食:玄米、雑穀米、もち麦、ラーメン、蕎麦、お餅
- 消化しにくいタンパク質:タコ、イカ、貝類、脂身の多い肉(霜降り肉やバラ肉)
看護師どうしても食べたい・食べさせたい場合は、「これでもかというほど細かく刻む」「クタクタになるまで煮込む」「ミキサーにかけてペースト状にする」といった、徹底した物理的・調理的工夫が必須になります。
「禁止食材はわかったけれど、具体的な献立が思いつかない」と頭を抱えていませんか?
特に胃を全摘・切除された方は、胃がん手術後の食事ガイド|ダンピング症候群対策と献立の工夫を参考にしてください。
今日から使える「安心・安全なレシピ」のヒントが詰まっています。
食事以外で腸閉塞を防ぐ「3つの生活習慣」
食材選びと同じくらい重要なのが、日常の生活習慣です。
厚生労働省の指針や在宅医療の知見に基づき、以下の3つを意識するだけで、腸閉塞のリスクは大きく下がります。
- 1口30回!「よく噛む」ことは最高の予防薬
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口は「最初の消化器官」です。
食べ物をドロドロのペースト状になるまで噛み砕き、唾液としっかり混ぜ合わせることで、胃や腸への負担を劇的に減らすことができます。 - 適度な運動(ウォーキングなど)で腸を動かす
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ずっと寝ていたり、座りっぱなしでいたりすると、腸の動き(蠕動運動)も鈍くなります。
1日15〜30分程度、無理のない範囲でウォーキングや家事などの軽い運動を取り入れましょう。 - 便秘を絶対に放置しない
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便秘で硬い便が腸に溜まると、それが原因で腸閉塞(糞便性イレウス)を引き起こすことがあります。
水分をこまめに摂り、排便が数日ない場合は我慢せず、主治医から処方された緩下剤(酸化マグネシウムなど)を適切に使用してください。
毎日の「イレウス予防食」作りに疲れてしまったご家族へ
ここまで読んで、「これダメ、あれもダメ……毎日こんなに気を使いながら食事を作るなんて、気が狂いそう」と感じたご家族も多いのではないでしょうか。
そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
在宅医療の現場で、私は「家族のために完璧なイレウス予防食を作らなければ」とプレッシャーを抱え込み、睡眠不足や買い出しの疲労で限界を迎えてしまうご家族を何度も見てきました。
しかし、ご家族が倒れてしまっては、元も子もありません。
どうか、すべてを手作りで完璧にこなそうとしないでください。
ご家族の負担を減らしつつ、安全な食事を提供できる素晴らしいサービスが現代には揃っています。
ここからは、現場の知見から私が自信を持っておすすめする「2つの賢いサポート術」をご紹介します。
1. 重い荷物と「買い出し疲れ」から解放される:生協の宅配【パルシステム】
消化に良い白身魚や豆腐、新鮮な野菜を毎日スーパーへ買いに行き、重い荷物を運ぶのは、想像以上の重労働です。
「仕事帰りにスーパーに寄るのがしんどい」「天気の悪い日の買い出しが辛い」という方に強くおすすめしたいのが、「生協の宅配 パルシステム」です。
✅玄関先まで届く安心感が、ご家族の心身を救う
スマホ一つで、骨取り魚や国産大豆の豆腐など、術後に適した安全・安心な食材を週に1回、自宅まで届けてくれます。
最大のメリットは「疲労の軽減」
重いお米や飲料、かさばる日用品も一緒に頼めるため、スーパー通いの肉体的・精神的ストレスがほぼゼロになります。
不在時でも専用の保冷箱に入れて留め置きしてくれるため、共働きや通院の付き添いで忙しいご家族にも安心です。
退院直後の「買い物に行く余裕すらない、気力もない」という時期のライフラインとして最適です。
現在パルシステムでは、出資金・手数料が無料で3週間試せる「おためし宅配」を実施しています。
✅まずは一度、ご自身の負担を減らすために試してみてください。
【パルシステム】出資金・手数料無料の「おためし宅配」を見てみる
※重い荷物からの解放。毎日の買い出しの疲労を劇的に減らせます
2. 「もう今日はおかずを作りたくない」日の救世主:手作り個包装おかず【わんまいる】
「疲れていて、どうしてもイレウス予防を意識した献立が思いつかない」「家族はカレーを食べたいのに、本人は食べられないから別々に作らないといけない」
そんな限界ギリギリの日に、冷凍庫にあるだけで心の底から救われるのが、手作りおかずの「わんまいる(健幸ディナー)」です。
✅1品ずつの個包装が、別メニュー作りの負担をゼロに
わんまいるは、国産食材を100%使用し、プロの料理人が作ったおかずを「真空パック冷凍」で届けてくれるサービスです。
- 圧倒的な使いやすさ
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一般的なお弁当型の宅配食とは違い、主菜と副菜が1品ずつ個包装されています。
そのため、「今日は消化に良い魚の主菜だけ湯煎して出そう」「少しお腹が空いたと言うから、柔らかく煮た副菜を1つだけ追加しよう」という柔軟な対応が可能です。 - 食欲をそそる味へのこだわり
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専属の管理栄養士がメニューを監修しており、出汁の効いた優しい味付けは「薄味の病院食に飽きた」というご本人の食欲を自然に刺激してくれます。
「プロが作った安全なおかず」をストックしておくことは、ご家族の心を守る最高の保険になります。
【わんまいる】国産100%・手作りのお試しセットを見てみる
※湯煎で簡単。1品ずつの個包装が「別々に作る」負担をなくします
「わんまいる以外にも、がんの症状に合わせて選べる宅配食を知りたい」という方へ。
看護師の視点で厳選した【部位・症状別】がん療養の宅配食おすすめランキングをチェックしてください。
プロの手を借りることで、あなたにしかできない「心のケア」に時間を充てられるようになります。
まとめ|神経質になりすぎず、笑顔で食卓を囲むために
腸閉塞(イレウス)の予防において、「食べてはいけないもの」を避けることは確かに重要です。
しかし、医療や介護の現場に長く携わってきた私が最も強くお伝えしたいのは、「食事の時間が、ご本人とご家族にとって苦痛な時間になってはいけない」ということです。
「これを食べさせたら腸が詰まるかもしれない」と怯えながら作った食事の緊張感は、不思議とご本人にも伝わってしまうものです。
手作りで完璧を目指すあまり、ご家族が笑顔を失ってしまっては意味がありません。
パルシステムのような宅配サービスで買い出しの手間を省き、わんまいるのような安全な宅配食に頼る日は堂々と頼る。
そうやって「心と体力の余裕」を生み出すことこそが、最も効果的な療養生活のサポートなのです。
焦らず、便利なサービスを大いに活用しながら、少しでも楽しく穏やかな食卓の時間を過ごせるよう、心から応援しています。












