親が施設に入ったら実家はどうする?「特定空家」のリスクと介護費を生む2つの売却戦略

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「無事に親の施設入居が決まった。これで一安心……」
そう思ったのも束の間、次に重くのしかかるのが「誰も住まなくなった実家の管理」です。

「とりあえず、週末に風を通しに行けばいいか」
「荷物も多いし、落ち着いてから考えよう」

お気持ちは痛いほど分かります。しかし、元施設管理者として、そしてクリニック事務長として断言させてください。

「実家の放置」は、親御さんの資産を食いつぶす最大の悪手です。

実は、空き家のまま放置することで、固定資産税が6倍になったり、認知症の進行で法的に売却不可能(資産凍結)になったりと、取り返しのつかない事態に陥るケースが後を絶ちません。

この記事では、感情論ではなく「資産防衛」の視点から、実家を「お荷物(負債)」にせず「介護費用の源泉(資産)」に変えるための戦略を解説します。

目次

なぜ「とりあえず空き家のまま」が危険なのか

「思い出が詰まっているから」という理由で決断を先送りにしてしまうと、以下の3つの金銭的・法的リスクが容赦なく襲いかかります。

1. 年間30万円〜?維持費という「見えない借金」

人が住んでいなくても、建物が存在する限りコストは発生し続けます。
一般的な戸建ての場合、維持費だけで年間数十万円が飛んでいきます。

  • 固定資産税・都市計画税:年間10〜30万円(立地による)
  • 火災保険料:空き家は放火リスクが高いため、一般住宅より割高になる傾向
  • インフラ基本料:水道・電気の基本料金(解約すると掃除等で困るため)
  • メンテナンス費:庭木の剪定(年1〜2回)、通風のための交通費

これらは全て、本来なら親御さんのための「より良い介護サービス」に使えたはずのお金です。

2. 税金が6倍に急増する「特定空家」の罠

2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、行政から「管理不全な空き家(特定空家)」と認定されると、住宅用地の特例(固定資産税が1/6になる減税措置)が解除されます。

スクロールできます
通常の空き家固定資産税の減税あり(1/6)
特定空家(放置)減税解除(税額が最大6倍に跳ね上がる)

参照:国土交通省|空家等対策の推進に関する特別措置法

「うちはまだ大丈夫」と思っていても、台風で瓦が飛んだり、庭木が隣家に越境したりすれば、すぐに近隣トラブルとなり通報リスクが高まります。

3. 【最重要】認知症進行による「資産凍結」の恐怖

医療・介護の現場にいて最も恐ろしいと感じるのがこれです。

親の意思確認ができないと「売れない」

不動産の売却には、所有者(親)本人の意思確認が必須です。
もし認知症が進行し「判断能力がない」と見なされると、契約行為自体が無効となります。

これを解決するには家庭裁判所に「成年後見人」を申し立てる必要がありますが、以下のデメリットがあります。

  • 手続きに数ヶ月かかる:現金が必要な時に間に合わない
  • 自宅売却のハードルが高い:裁判所の許可が必要となり、「生活費に困窮している」などの正当な理由がない限り売却が認められにくい
  • ランニングコスト:専門職後見人(弁護士等)がつくと、月額2〜5万円の報酬が亡くなるまで発生する

つまり、「親の意思がはっきりしている今」こそが、家族が自由に資産を守れる最後のチャンスなのです。

実家の「今の価値」を知ることは、最高の親孝行

「家を売る=思い出を捨てる」と考えてしまい、罪悪感を覚える方もいます。
しかし、視点を変えてみてください。不動産を現金化することで、選択肢は劇的に広がります。

  • 手厚いリハビリがある「有料老人ホーム」への住み替え
  • 保険外の「付き添いサービス」で、好きな場所へ外出させてあげられる
  • 将来の医療費や、ご自身の老後資金への備え

まずは「この家は、いくらの介護資金に化けるのか?」という現実を知ることから始めましょう。
査定をしたからといって、必ず売却しなければならない義務はありません。

【診断】あなたの実家はどっち?失敗しない2つの売却ルート

一口に「不動産売却」と言っても、物件の状態によって相談すべき相手は180度異なります。
ここを間違えると、「半年経っても売れない」「安く買い叩かれた」という失敗に繋がります。

ご実家の状況に合わせて、最適なルートを選んでください。

ルートA:王道・資産重視

「まだ人が住める状態」
「土地の価値がありそう」
「少しでも高く売りたい」

→【三井のリハウス不動産仲介取扱件数 38年連続No.1

この場合は、一般の買い手(住みたい人)を探す「仲介」が正解です。業界最大手の販売網を活用しましょう。
圧倒的な知名度と信頼感があります

「そのエリアで家を探している人」の顧客リストが豊富なため、適正価格かつ早期の成約が期待できます。

まずはここの査定額を「基準(ベンチマーク)」にするのが鉄則です。
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ルートB:処分・スピード重視

「築40年以上でボロボロ」
「ゴミ屋敷・雨漏りがある」
「近所に知られず即現金化したい」

→訳あり不動産買取「ワケガイどんな状態でもそのまま売却OK

一般の人が住めない状態なら、リフォーム前提で業者が買い取る「買取」一択です。
独自の再生ノウハウを持つため、他社で断られた物件も買い取ってくれます。

最大のメリットは「荷物の撤去不要」「契約不適合責任(売却後の保証)が免除」される点。

面倒な実家の片付けから一発で解放されます。
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不動産売買に関するよくある質問

まだ親が存命なのに家を売るのは、薄情でしょうか?

決してそんなことはありません。むしろ、空き家のまま放置して資産価値を下げたり、管理不全で近隣に迷惑をかけたりすることの方が問題です。

家を「より良い介護を受けるための資金」に変えることは、親御さんの晩年の生活の質(QOL)を高めるための、前向きで賢明な選択です。

査定を依頼したら、しつこく営業されませんか?

大手(三井のリハウスなど)であればコンプライアンスが徹底されているため、強引な営業はまずありません。

最初の申し込みフォームの備考欄などに「まずは価格を知りたい」「電話ではなくメールでの連絡を希望」と記載しておけば、より安心して利用できます。

片付けができておらず、ゴミ屋敷状態ですが大丈夫ですか?

通常の仲介売却(一般の人への販売)では敬遠されますが、記事内で紹介した「ワケガイ」のような買取業者であれば、ゴミや荷物がそのままでも問題ありません。

残置物の撤去も含めて引き受けてくれるため、ご家族が無理をして掃除をする必要はありません。

実家の権利書(登記済証)が見当たりません。査定できますか?

はい、可能です。査定段階では権利書は不要です。住所と所有者名が分かれば、不動産会社が法務局で登記簿謄本を取得して調査してくれます。

権利書は売買契約時までに探せば問題ありませんし、万が一紛失していても司法書士による代替措置(本人確認情報の作成など)で売却可能です。

実家が遠方で、何度も現地に通うことができません。

問題ありません。最近は、鍵を預ける、または現地のキーボックス対応などで、立ち会いなしで査定・内覧を進めてくれる不動産会社がほとんどです。

売買契約も、郵送でのやり取り(持ち回り契約)や、代理人を立てることで、一度も現地に行かずに完結させることが可能です。

売却したお金は、誰のものになりますか?

名義人である親御さんの財産になります。そのため、売却代金は親御さん名義の銀行口座に振り込まれます。

このお金を子供が勝手に使ってしまうと「横領」になったり、贈与税が発生したりする可能性があります。必ず「親の介護・医療・生活費」として管理・使用してください。

まとめ:介護と家の整理はセットで考える

介護生活が始まると、日々のケアや入退院の手続きに追われ、実家のことはどうしても後回しになりがちです。
しかし、ここまでお伝えした通り、放置はリスクしか生みません。

STEP
まずは査定で「現実」を知る

「思ったより高く売れる」のか「処分費用がかかるレベル」なのか。数字が出れば、今後の資金計画が明確になります。

STEP
家族で話し合う

査定書という客観的な材料があれば、感情的になりがちな兄弟・親族間の話し合いもスムーズに進みます。

STEP
一番いいタイミングで手放す

親が元気なうち、あるいは施設入居が決まった今が、最もスムーズに、そして高く資産整理ができる好機です。

実家の整理は、親御さんの人生の整理であり、残される家族への思いやりでもあります。
「あの時動いておけばよかった」と後悔しないために、まずは無料査定という第一歩を踏み出し、肩の荷を一つ下ろしてください。

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kawauchi
看護師/訪問診療クリニック事務長/計画相談員
私は、看護師として重症心身障害病棟・救命救急HCUに従事した後、有料老人ホームの管理者・看護部長・福祉事業部統括として、入居者の生活と医療連携の現場に携わってきました。

現在は、訪問診療クリニックの事務長として在宅医療の運営に関わると同時に、計画相談員・医療福祉コンサルタントとして、東海エリアを中心に施設紹介・身元保証・医療介護連携の支援を行っています。

病院・施設・在宅という立場の異なる現場をすべて経験してきたからこそわかる、制度論だけではない「現場のリアル」や「家族が直面する苦悩」を踏まえた発信を大切にしています。

このブログでは、現場経験に基づく実践的な情報を軸に、後悔しない選択のための情報を発信しています。
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