高齢者施設選びは、ほとんどの人にとって初めての経験です。
「高齢者施設の探し方が分からない」「紹介サービスを使って営業されるのが不安」「どこに相談したらいいか分からない」──そんな悩みは、30〜70代のご家族・ご本人、病院の相談員、ケアマネージャーからも多く寄せられます。
私自身、施設の入居担当として累計2,000件以上の相談、500人以上の入居調整・見学支援を行ってきましたが、施設探しの満足度は「どのように情報を集めるか」に大きく左右されると実感しています。
この記事では、高齢者施設紹介サービスのメリット・デメリットを本音で比較し、失敗しない使い方のコツを分かりやすく解説します。
高齢者施設紹介サービスとは?
高齢者施設紹介サービスは、利用者の希望や条件を整理し、候補となる施設を無料で紹介・見学調整・契約サポートしてくれるサービスです。
紹介業者は、入居が決まると施設側から手数料を受け取るため、利用者には費用がかかりません。
ただし、紹介会社と提携している施設が中心となるため、「すべての施設を案内してくれる」わけではないことも理解しておきましょう。
メリット|紹介サービスを使うと得られること
高齢者施設紹介サービスには、次のようなメリットがあります:
- 短期間で複数施設を比較できる
公益社団法人全国有料老人ホーム協会の調査によれば、紹介サービス利用者の平均入居期間は非利用者より約30%短縮されています。 - 条件整理がしやすい
要介護度・医療対応・費用・立地などを整理して、プロと一緒に候補を絞り込めます。 - 見学・契約がスムーズ
見学調整や契約書の確認も支援してもらえる場合が多いです。 - 家族の負担軽減
遠方に住むご家族や、仕事が多忙なご家族には特に助かります。
紹介業者を活用すれば、施設の医療対応・職員体制・制度などの詳細までチェックできるほか、医療・介護保険制度も踏まえたサポートが受けられます。
当社では全員が看護師資格を持ち、施設運営経験のあるスタッフが在籍しているため、身体状況に合った施設選びや医療ニーズの調整も安心してご相談いただけます。
デメリット|注意が必要なポイント
一方で、紹介サービスには以下のような注意点もあります:
- 提携施設に偏る可能性がある
紹介手数料の関係で、未提携の施設が案内されないことも。 - 担当者の知識や経験に差がある
経験が浅い担当者では、的確な提案が難しいことも。 - 営業トークに押されてしまう場合も
「ここが一番おすすめ」と言われて、納得しきれないまま決めてしまうケースもあります。
私が施設で入居調整を担当していたとき、紹介会社のスタッフが「この施設にしましょう」と強く勧める場面を見て、利用者様が選ぶ余地を奪われているように感じたこともあります。
大切なのは「選ぶ自由」を尊重してくれる担当者かどうかです。
実際にあった相談事例
👤 70代女性の長女(50代)からの相談
「ネット情報が多すぎて混乱していました。紹介サービスで比較できたことで安心感が得られ、冷静に選べました。」
👤 病院の相談員からの相談
「退院まで日数が限られていましたが、見学・契約まで一括で調整でき、非常に助かりました。」
紹介サービスを使うべき人・使わなくていい人
紹介サービスが向いている人
- 急ぎで入居先を探す必要がある
- 施設の情報を整理できない
- 家族が遠方に住んでいる、時間が取れない
自分で探す方が向いている人
- すでに候補施設が決まっている
- 比較的時間に余裕がある
- 病院・ケアマネなどと調整がしっかりできている
よくある疑問Q&A
- Q. 相談すると必ず入居しないといけませんか?
- A. いいえ、相談や見学だけでも構いません。契約義務もありません。
- Q. 一度入居したらずっと施設にいないとダメですか?
- A. 状況に応じて退去や転居も可能です。自宅復帰を一緒に考えることもできます。
- Q. 入居後もフォローしてもらえますか?
- A. はい。当社ではアフターフォローもしっかり行っております。
紹介サービスを上手に使うコツ
- 病院・包括・ケアマネなど第三者から紹介してもらう
- 担当者が信頼できるかを見極める
- 必ず見学して、自分の目で確かめる
- 契約書の内容を理解してから署名する
- 違和感があれば、担当者を変える勇気を持つ
相談したからといって、必ず入居しなければいけないわけではありません。
「合わない」と感じたら、すぐに方向転換してOKです。
まとめ|施設紹介サービスは「有り」な人には「有り」
高齢者施設紹介サービスは、使い方と担当者次第で非常に有用です。
逆に「言われるがままに契約」すると後悔につながることも。
「自分や家族に必要な支援は何か」を一緒に整理し、後悔のない施設選びを進めましょう。