「こんなはずじゃ…」在宅医療で後悔する5つのケースと解決策

2025年7月30日2025年7月31日

はじめに：「在宅医療にして後悔…」と思う前に読んでほしい

「こんなはずじゃなかった」「思っていた在宅医療と違った」
そう感じる方は、実は少なくありません。

在宅医療は、自宅で過ごしたいという本人や家族の希望を叶える素晴らしい選択肢です。
しかし、その実現には、適切なサービス選びと十分な準備が必要不可欠です。
実際に、「選んだサービスや事業所が合わずに後悔した」という声が多く聞かれます。

この記事では、在宅医療でよくある“後悔”のケースと、その解決策を現場目線でわかりやすく解説します。

ケース①：サービス内容が思っていたものと違った

「毎日来てくれると思っていた」「夜間対応してくれると思っていた」といった、誤解による後悔はとても多いです。
逆に「こんなに毎日来るとは思っていなかった」、「夜遅くに来られて迷惑」という手厚すぎて迷惑パターンもあります。

🗣家族の声より：
「訪問看護も24時間365日対応なはずなのに、土日の訪問は基本的にしていないとか緊急時は看護師の判断で訪問するかどうか決めると言われて不安な気持ちになった」

🗣家族の声より：
「訪問診療も訪問看護も毎日来てくれるのは心強いけど、家でも点滴をずっとやっていて、思っていた在宅医療ではない。楽にさせてあげたい」

訪問診療は基本的に月2回、訪問看護は契約した回数・内容で提供されます。
少ない訪問回数では「不安」と感じる方もいれば、頻回な医療介入が、“かえって負担”と感じる方もいます。
医療従事者側は本人の状態や状況で訪問の提案をするので、家族側の都合や考えをしっかりと伝えて、「ちょうどいい」と思えるよう調整していきましょう。

💡ポイント：
・サービス内容は「名称」ではなく、訪問頻度・内容・緊急対応の有無を確認
・契約前に説明資料や重要事項説明書を読み込むことも大切
・直接のやり取りが不安ならケアマネに間に入ってもらいましょう

ケース②：本人・家族と事業所のスタッフの相性が合わない

在宅医療は信頼関係の中で支える医療。スタッフとの相性が非常に重要です。
「相性が合わない」と感じたら変更可能なので、無理せず・我慢せず早めに変更してしまうのが吉です。

🗣家族の声より：
「訪問看護で来てくれてはいるけど、業務的な話ばかりで医療的なこと以外は対応してくれないから頼りづらい」

「冷たく感じる」「話しづらい」「こちらの話を聞いてくれない」といった印象が蓄積され、後悔につながることも。

💡ポイント：
・初回面談や初期対応の印象を大切に
・事業所に遠慮せず、担当変更の相談をすることも可能

ケース③：介護負担が想像以上に大きかった

「できるだけ希望を叶えたい」と始めた在宅医療でも、実際の介護は想像以上に大変です。

吸引・点滴・体位変換などの医療的ケア
排泄や入浴などの身体介助
夜間対応や急変への不安

🗣訪問診療の現場より：
退院して自宅で過ごしてみたら、「これは無理だ…」と限界を感じたという家族は多いです。

💡ポイント：
・訪問介護やショートステイ、福祉用具の併用で家族の負担を軽減
・介護保険のサービスは早めに整えることで選択肢が広がる

ケース④：緊急時の対応に不安を感じた

夜間や休日に対応できない体制だったため、「施設の方が安心だったかも」という後悔に繋がることも。

夜間に連絡がつかない
休日に対応不可
救急車を呼ぶしかない状況

💡ポイント：
・契約時に「緊急対応の有無」「連絡方法」「判断基準」を明確にする
・夜間対応可能な診療所や看護ステーションの選定を意識する

ケース⑤：そもそも在宅医療に向いていなかった

「家で過ごさせたい」という気持ちが先行し、適性を見誤ることが後悔に繋がる場合もあります。

医療依存度が高すぎる
自宅環境が未整備（バリアフリーなど）
介護者が高齢、または単身

🗣施設紹介の現場より：
「施設がこんなに良いところなら、退院後すぐに入所すればよかった」
「自宅では何もかも限界だったので、本当に助かりました」

💡ポイント：
・医療的ケアや介護力の限界を冷静に判断する
・施設も含めた「複数の選択肢」から最適な場所を選ぶ視点が重要

後悔しないために｜在宅医療の準備チェックリスト

チェック項目	確認ポイント
サービス内容	訪問頻度・範囲・夜間対応
担当者の相性	信頼感・説明のわかりやすさ
介護者の状況	体力・気力・サポート体制
医療依存度	吸引・点滴・経管栄養の有無
他の選択肢	施設・短期入所の併用も含め検討