「今の職場を辞めたいけれど、上司に言い出せない」「辞めたいと伝えても取り合ってもらえない」――こうした悩みを抱える看護師は少なくありません。
人手不足の医療現場では「辞めること自体が悪」とされる雰囲気が強く、辞めたいのに辞められない状況が続きやすいのです。
そんな時に注目されるのが 退職代行サービス。
しかし、実際に利用した看護師の声を聞くと、メリットだけでなくデメリットや注意点も見えてきます。
この記事では、退職代行を使った看護師の体験談を交えながら、失敗しないためのポイントを解説します。
なぜ看護師に退職代行が必要とされるのか
看護師は他の職種に比べても、退職を申し出にくい特徴があります。
- 人手不足による強い引き止め：「辞められたらシフトが回らない」と言われ、退職届を受け取ってもらえない
- 厳しい人間関係：上司からのパワハラや派閥争いで精神的に追い詰められる
- 夜勤・残業の過多：過酷な労働環境で体を壊しても休めず、辞める決断を妨げられる
- 紹介状や引き継ぎの問題：医療業界特有の手続きで、辞めた後の転職先に影響が出やすい
このように「辞めたいのに辞められない」と感じる状況が多く、退職代行の利用が増えています。
看護師の退職代行【体験談】
ここでは実際に退職代行を利用した看護師のケースを紹介します。
※プライバシー保護のため一部内容をアレンジしています。
人間関係で辞めたケース
30代女性・急性期病棟勤務。
先輩からの厳しい指導が続き、毎日職場に行くのが苦痛に。
退職を申し出たが「あなたが辞めたら他のスタッフに迷惑がかかる」と拒否され続け、心身の限界で退職代行を利用。
→ メリット：顔を合わせずに辞められ、精神的に救われた。
→ デメリット：一部スタッフと気まずくなり、退職後もSNSで嫌味を言われた。
→ その後：しばらく休養した後、訪問看護に転職し、自分のペースで働ける環境を見つけられた。
会社（病院）の方針と合わずに辞めたケース
20代男性・療養型病院勤務。
病院の方針で「患者よりも経営効率を優先する対応」に疑問を持ち続けていたが、改善されず。
退職を希望しても「経験不足だから他では通用しない」と言われ、辞められなかった。
退職代行を利用し、即日退職。
→ メリット：自分の信念に沿った働き方を探せるようになった。
→ デメリット：転職先で「すぐ辞める人では？」と不安視されないか心配になった。
→ その後：キャリアアドバイザーの支援を受け、理念の合うクリニックに就職。モチベーションを持って働けるようになった。
夜勤過多で体調を崩したケース
40代女性・地方の総合病院勤務。
月に10回以上の夜勤が続き、体調を崩しても休めず。
医師や上司に相談しても改善されず「辞めるなら次の人を連れてきて」と言われた。
出勤できなくなり、退職代行を利用。
→ メリット：体を休めることができ、療養後に新しい職場へ転職できた。
→ デメリット：退職代行の費用負担（約3万円）が痛かった。
→ その後：夜勤の少ない施設へ転職し、家庭との両立を実現できた。
体験談から見えるメリットとデメリット
体験談を通して見えてきた点を整理します。
メリット
- 直接職場に言わなくても辞められる安心感
- 即日退職も可能で、心身を守れる
- 有給消化をサポートしてもらえる場合もある
- 「辞められない」状況から脱出し、自分らしいキャリアを選べる
デメリット
- 費用がかかる（2〜5万円程度）
- 一部の同僚や上司に悪印象を残すことがある
- 業者選びを誤るとトラブルになる可能性
- 転職先で退職理由を聞かれるリスクがある
退職代行サービスの費用相場と比較
退職代行の料金はサービス形態によって異なります。
| 種類 | 費用相場 | 特徴 | 看護師との相性 |
|---|---|---|---|
| 弁護士型 | 5〜10万円 | 法的トラブル対応可能。安全性が高い | ◎ 法的問題に強い |
| 労働組合型 | 2〜5万円 | 交渉権限あり。有給消化や条件調整可能 | ◎ バランス良く安心 |
| 民間型 | 2〜3万円 | 即日対応・安価。ただし交渉権限なし | △ 複雑ケースに不向き |
退職代行を選ぶチェックリストと転職活動の流れ
失敗しないために、業者を選ぶときは以下を確認しましょう。
- 弁護士監修または労働組合の運営か？
- 実績（看護師や医療職の利用経験）があるか？
- LINEやメールでの相談対応があるか？
- 料金が明確で追加費用が発生しないか？
- 有給休暇や退職日の調整まで対応できるか？
大切なのは「悪質な業者を避けて良質な業者を見つける事」です。
弁護士または労働組合が運営している退職代行業者を使うようにしましょう。
退職代行で無事に退職できても、その後のキャリア設計が大切です。
- 休養して心身を回復する
→ 体調不良やメンタル不調で辞めた人は、すぐに働かず休養を優先。 - 転職活動を開始する
→ 看護師専門の転職エージェントに登録し、自分の希望条件を整理。 - 退職理由を前向きに説明する準備
→ 「労働環境を改善したい」「患者さんとじっくり向き合いたい」など、ポジティブに言い換える。 - 再就職先の条件を見極める
→ 夜勤回数・残業・教育体制・人間関係の口コミを確認することが重要。
転職先、再就職先はいくらでもあり、すぐに見つかります。
失業手当てや傷病手当てをもらいつつ、転職エージェントに転職のことは進めてもらい、ゆっくり過ごしましょう。
まとめ｜体験談から学ぶ後悔しない退職方法
退職代行は「逃げ」ではなく、自分を守るための正当な選択肢です。
実際に利用した看護師の体験談からは、大きな安心感と引き換えに費用や周囲との関係に注意が必要であることが分かります。
大切なのは「業者の選び方」と「事前準備」、そして「退職後のキャリア設計」。
これらを押さえておけば、退職代行はあなたのキャリアを前進させる強力なサポートとなるでしょう。
